文献情報
文献番号
200940016A
報告書区分
総括
研究課題名
一般用医薬品の販売にあたっての情報提供のあり方に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-022
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
古澤 康秀(明治薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 望月 眞弓(慶応義塾大学 薬学部)
- 木村 和子(金沢大学 医薬保健研究域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
一般用医薬品の販売に従事する登録販売者の情報ニーズに関する調査を行うとともに、その結果等をもとに、一般用医薬品の適正使用、安全確保をより高いレベルで図るための環境整備をめざして、製薬企業が行う薬剤師等の専門家向け情報提供のあり方について検討する。また、製品の添付文書等を通じた効果的な情報提供のあり方について検討を行う。
研究方法
第2類医薬品における登録販売者向け情報の充実に関して、店舗販売業に勤務する登録販売者400人を対象に調査票を郵送する方法で調査を実施した。その結果も踏まえ、関係分野の研究協力者で構成する総括研究班会議を開催し、製薬企業から提供されるべき専門家向け情報のあり方について、特に今年度はスイッチOTC薬の新規発売時における薬剤師への情報提供のあり方を中心に検討を行った。また、添付文書の理解度調査の日本での実施方法について研究し、その後、同じ作用を有する2種類の異なる製品の添付文書を用いて、理解度と文字サイズ、レイアウトなどの関係について検討した。
結果と考察
登録販売者により充実が必要とされる情報は副作用、慎重投与、禁忌、相互作用という安全性に関する要望が多く、特に特定の疾患保有者への慎重投与に関する充実の声が多かった。情報提供の媒体としては、インターネットを介した信頼できる情報提供を希望する人が多い反面、専用の情報提供サイトを利用している人はほとんどいなかった。添付文書に用いられる用語の理解度調査は自記式アンケートよりもインタビュー調査の方が得られる情報が多いが、インタビューする調査員の教育が必要であること、マニュアルの解説だけでなく実地的な研修によってバラツキを低下させ判定結果の精度を向上させることが可能であることが明らかとなった。また、添付文書の記述そのものに対する理解度よりも、もともと被験者が有する知識(誤解も含む)が影響している可能性もあり、真の理解度を知るためには質問や確認の仕方に工夫が必要であると考えられた。
結論
登録販売者向けには安全性等に関する提供情報の充実を図る一方で、登録販売者が情報に確実にアクセスできるように情報源の周知と環境整備が必要と考えられた。これまでの検討結果を踏まえ、製薬企業から薬剤師等の専門家に向けた一般用医薬品の情報提供のあり方について提言をとりまとめた。スイッチOTC薬の発売時の情報提供の充実に関しては、その実現に向けて関係者による継続的な検討と努力が待たれるところである。また、添付文書の文字サイズ、レイアウト、表現などを工夫することで理解度が向上することが示唆された。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
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