医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200940012A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-014
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 文彦(川崎医療福祉大学 医療技術学部)
研究分担者(所属機関)
  • 谷川 廣治(日本医療機器産業連合会 国際部 )
  • 原 量宏(香川大学 瀬戸内圏研究センター)
  • 横井 英人(香川大学 医学部附属病院 医療情報学部)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器規制に関する諸外国の規制状況及び我が国における状況を勘案した上で、それらの科学的根拠を明確にしつつ、適切な規制のあり方について提言する。
研究方法
医療機器規制に係る諸問題は大変幅広く多岐にわたるが、有効にリソースを活用しつつ、次のトピックスについて調査・分析する。
1) ソフトウェア規制
2) 単回使用品の再生使用
3) 度なしカラーコンタクトレンズ規制
4) 乳房再建術に係る品目承認
これらに関して、諸外国における規制状況、実態調査、並びにGHTFやHBDの動向調査及び本邦の状況把握、さらに規制手法に係る科学的根拠、合理性の検証を行う。
結果と考察
1) 医療機器ソフトウェアの規格及び規制
a.欧米と歩調を合わせ、本邦においても国際整合の観点及び医療機器産業の国際競争力向上のために単体ソフトウェアを医療機器とすることが望まれる。
b.QMS規格にソフトウェア開発に関わる修正を加え、ハードウェアと同一視点で審査・監査を行うことが望ましく、審査・監査の基準とする改正案を提示した。
c.ソフトウェア規制に配置するソフトウェアの設計管理、審査の担当者(官)確保のために、実務ガイダンスの作成、人材登用・育成及び人的リソース活用が必要であり、ガイダンスとして62304改訂案を示した。

2) 単回使用機器
海外では、単回使用機器の再処理が進められ、ガイドライン作成や法改正が行われつつある。本邦では単回使用機器の再使用は禁止されているが、今後、諸外国の動向を踏まえ、更なる検討が必要である。

3) 度なしカラーコンタクトレンズ
2009年に薬事法対象機器になり、衛生面、着用の安全面での懸念は解消されたが、度なし、度つき共に着色レンズの高磁場環境下での発熱等の懸念あることが示された。添付文書に記載された注意事項の遵守適正な処置が必要である。

4) 乳房形成術に係わる品目承認
a.乳房切除後の乳房再建術においては保険適用も可能となったが、国産品が無く、輸入未承認品のため高額負担かつ不安定供給の状況にある。国産品開発の奨励及び早期承認が望まれる。
b.乳房形成術を希望する性同一性障害患者も多く、乳房再建術と同様に保険適用が望まれる。
結論
医療機器規制制度上の隔たりの要因には各地域、国の歴史背景、文化、社会の成熟度などが大きく影響しており、長期的な整合活動が必要とされる。近年、特に患者への安全で有効な機器のいち早い提供を軸に、隔たりを解消する方向に動いている。
行政および業界が一体となったGHTFやHBD等の活動も成果が出始め、情報交換を含めた研究の継続が必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-08-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200940012B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究
課題番号
H19-医薬・一般-014
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 文彦(川崎医療福祉大学 医療技術学部)
研究分担者(所属機関)
  • 谷川 廣治(日本医療機器産業連合会 国際部 )
  • 原 量宏(香川大学 瀬戸内圏研究センター)
  • 横井 英人(香川大学 医学部附属病院 医療情報学部)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器規制に関する諸外国の規制状況及び我が国における状況を勘案した上で、それらの科学的根拠を明確にしつつ、適切な規制のあり方について提言する。
研究方法
次のトピックスについてリソースを有効活用しつつ、研究する。
1) ソフトウェア規制
2) 単回使用品の再生使用
3) 度なしカラーコンタクトレンズ規制
4) 乳房再建術に係る品目承認
これらの諸外国における規制状況、実態調査、GHTFやHBDの動向調査及び本邦の状況把握、さらに規制手法に係る科学的根拠、合理性の検証を行う。

結果と考察
1) 医療機器ソフトウェアの規格及び規制
a.国際整合の観点及び医療機器産業の国際競争力向上のために単体ソフトウェアを医療機器とすることが望まれる。
b.QMS規格にソフトウェア開発に関わる必要事項を加え、ハードウェアと同一視点で審査・監査を行うことが望ましいとの改正案を提示した。
c.ソフトウェア規制のための有能な設計管理、審査の担当者(官)確保、実務ガイダンスの作成、人材登用、育成及び人的リソース活用が必要であり、そのガイダンスとして62304改訂案を示した。

2) 単回使用機器
海外では単回使用機器の再処理が進められ、ガイドライン作成や法改正が行われつつある。本邦では単回使用機器の再使用は禁止されているが、今後、諸外国の動向を踏まえ、更なる検討が必要である。

3) 度なしカラーコンタクトレンズ
2009年に薬事法対象機器になり、衛生面、着用の安全面での懸念は解消されたが、度なし、度つき共に着色レンズの高磁場環境下での発熱等の懸念が示された。添付文書に記載された注意事項の遵守が必要である。

4) 乳房形成術に係わる品目承認
a.乳房切除後の乳房再建術においては保険適用も可能となったが、国産品が無く、輸入未承認品のため高額負担かつ不安定供給の状況にある。国産品開発の奨励及び早期承認が望まれる。
b.乳房形成術を希望する性同一性障害患者も多く、乳房再建術と同様に保険適用等検討が望まれる。
結論
医療機器規制制度上の隔たりには歴史背景、文化、社会の成熟度などが影響しており、長期的な整合活動が必要とされている。近年、特に患者への安全で有効な機器の迅速な提供を軸に、隔たりを解消する方向に動いている。
行政と業界が一体となったGHTFやHBD等の活動も成果が出始め、情報交換を含めた調査・分析・研究を継続して行うことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200940012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
レギュラトリーサイエンス分野における規制方法などの研究であり、現在は未規制の懸念事項について規制の在り方などを研究した。特に医療機器ソフトウェアについては、単体ソフトウェアの医療機器化を提言するなどの専門的観点の成果が得られた。
臨床的観点からの成果
レギュラトリーサイエンス分野における規制方法などの研究であり、臨床的観点からの成果は特にない。
ガイドライン等の開発
医療機器ソフトウェアについては、審査・監査における基準としての13485のソフトウェアに関する改正案、ガイダンスとしての61304の修正案を示した。今後の行政における施策立案の参考になり得る。
その他行政的観点からの成果
特に無し
その他のインパクト
特に無し

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
10件
学術の動向、2008年9月号などに発表
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
8件
第12回日本心不全学会などで発表
学会発表(国際学会等)
3件
HBD(Japan-US Harmonization By Doing)West 2009などで発表
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
16件
第11回、第12回、第13回医機連主催「ISO/TC 210成果報告会」などで講演

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-