食品衛生監視員による食品衛生監視手法の高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200939040A
報告書区分
総括
研究課題名
食品衛生監視員による食品衛生監視手法の高度化に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
豊福 肇(国立保健医療科学院 研修企画部)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 俊一(北海道立衛生研究所感染症センター微生物部食品微生物科長)
  • 高橋 正弘(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 教授)
  • 畝山 智香子(国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長)
  • 川森文彦(静岡県環境衛生科学研究所主幹)
  • 日佐 和夫(東京海洋大大学院教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
SPS協定により、WTO加盟国の衛生措置(食品監視指導もその一部)はリスクベースあることが求められていることから、科学的根拠に基づくリスクベースの食品監視指導計画を策定し、リスクに基づく優先順位をつけ科学的・効率的な監視指導を行うことを支援する。
研究方法
高度な監視を行う上でのニーズ調査を自治体対象に行うとともに、文献調査等による諸外国のリスクランキング手法の検討及び必要なデータの特定、平成20年度の食中毒詳報の解析による病原体別リスク因子の特定、ISO22000と高度な監視技術との関連性の比較検討を行ったほか、食品中から化学物質(酢酸エチル、トルエン等)が検出された場合に食品本来の成分か移臭・異臭かを判断する際の判断根拠用に食品中の化学物質のバックグラウンド値を集積するため、文献収集等を行った。
結果と考察
高度な監視に必要で、今後本研究班からのインプットが必要とされるマニュアル類の種類を特定し、そのうち苦情処理マニュアルと違反処理マニュアルの雛型を試作するとともに、食品衛生監視員の初級研修および中級研修として必要な要件等(案)の試作を行った。
患者数から見たハイリスク食品カテゴリーとして、使用水、和え物・サラダ、弁当洋菓子、複合調理食品、乳・乳加工品、卵類(調理加工食品)、魚肉練り製品を、発生件数から見たハイリスクカテゴリーとして、弁当、きのこ類、すし類、カキ(生食品)、フグ、めん・米飯・穀類、魚類(調理加工食品)、魚類(生食品)を特定した。食中毒解析支援システムを作成する場合の概念図と入力・出力項目等について提案した。また、食品中に元々存在する揮発性有機化合物濃度のデータベースを作成中である。
カンピロバクターのリスク因子としては飲食店での食肉、特に生・半生食での喫食が特定された。ノロウイルスとサルモネラ属菌では、飲食店のほか、仕出し屋、旅館、事業者などでも発生し、サルモネラ属菌の原因食品が判明した事例では食肉(20.8%)、卵(54.2%)が多く、ノロウイルスのリスク因子としては感染従事者が特定された。腸管出血性大腸菌では食肉の喫食がリスク因子であり、その半数は生食が原因であった。
結論
地方自治体が行う監視指導の高度化、より科学的・リスクベース化を支援するため、自治体ニーズに応じた科学的データの蓄積がすすんでおり、今後これらの試用を踏まえ、より一層使用しやすいものにしていきたい

公開日・更新日

公開日
2010-06-09
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-04-07
更新日
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