健康食品における安全性確保を目的とした基準等作成のための行政的研究

文献情報

文献番号
200939005A
報告書区分
総括
研究課題名
健康食品における安全性確保を目的とした基準等作成のための行政的研究
課題番号
H19-食品・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
田中 平三(甲子園大学 栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 和彦(女子栄養大学)
  • 梅垣 敬三((独)国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 中村 丁次(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
  • 東口 髙志(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 大濱 宏文(日本健康食品規格協会)
  • 内田 健夫(日本医師会)
  • 手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
①現行のNRVを見直す参考資料の提供②特別用途食品制度改正後の医療現場での受け入れ状況の把握③最新の食事療法・栄養補給法の提示④EU、米国、カナダ、中国、韓国におけるサプリメント制度の紹介⑤特別用途食品の適切な情報を一般の人々や専門職業人に提供するweb構築。web利用状況の調査⑥健康食品の健康被害症例蓄積システムの構築。
研究方法
①食事摂取基準2010年版の6歳以上の性・年齢階級別推定エネルギー必要量(PAL Ⅱ)、推定平均必要量、目安量(または目標量)により、加重平均を、2008年総人口により算出②全国1,389施設から500施設を無作為抽出、郵送法でアンケート③内外の文献検索④EU:EFSA、米国:FDA、カナダ:保健省、韓国:食品医薬品安全庁、中国:国家食品医薬品監督管理局の現地視察 and/or ホームページ精査⑤国立健康・栄養研究所webに特別用途食品の最新ニュース、基礎知識、製品情報、栄養療法エビデンスを掲載。病院管理栄養士101名にアンケート⑥かかりつけ医師から日本医師会国民生活安全対策委員会への届出。
結果と考察
①6歳以上加重平均が現実的。肥満対策を考慮したエネルギー値を提唱。食塩換算値の併記②新制度を知っている45.3%、濃厚流動食の利用90.6%、総合栄養食品の新設を知っている58.4%、新制度対応を検討中51.8%③エビデンスレベルA~Gに7分類、高レベルのA、Bは非常に少ない④諸外国との比較によりトクホの課題は表示許可審査手続き、市販後の対応、保健用途表示と薬事法との係わり、かつ消費者に理解しやすい表示であること等である⑤栄養療法エビデンスは解説、PDF抄録、学会等へのリンクも作成。特別用途食品の内容を知っている68.4%、サイトが有用78.3%、特別用途食品の普及に貢献59.4%⑥届出48件、2次判定94製品。
結論
①栄養機能食品の栄養素等表示基準値を見直すこと②研修会等で管理栄養士に新特別用途食品制度を周知すること③栄養-疾患関連文献検索を継続すること④トクホといわゆる健康食品とを区別して表示のあり方を検討すること⑤特別用途食品の情報提供には栄研が主役割を果たすこと⑥モデル事業から全国的事業へ展開すること

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200939005B
報告書区分
総合
研究課題名
健康食品における安全性確保を目的とした基準等作成のための行政的研究
課題番号
H19-食品・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
田中 平三(甲子園大学 栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 和彦(女子栄養大学)
  • 梅垣 敬三((独)国立健康・栄養研究所 情報センター)
  • 中村 丁次(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
  • 東口 髙志(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 大濱 宏文(日本健康食品規格協会)
  • 内田 健夫(日本医師会)
  • 手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
①健康食品・サプリメントの安全性確保の方法を検討する。②特別用途食品制度のあり方を見直すための情報を収集する。③行政上のニーズが新たに生じてきた場合、その課題に対する基礎資料を提供する。
研究方法
①主としてEU、米国の制度を現地視察、ホームページ精査により調査し、GMPのあり方を提言する。かかりつけ医師が日本医師会に、健康食品・サプリメントによる健康被害症例を届け出る。②生活習慣病のガイドライン、学術論文の系統的レビューにより、科学的根拠に基づいた食事療法・栄養補給を示し、特別用途食品のあり方を検討する。日本栄養士会は、新特別用途食品制度発足前後の使用状況、意識調査を実施する。国立健康・栄養研究所に特別用途食品に関するwebを構築する。③近年の食品への毒物混入、消費期限切れ、偽装等を受け、「食と栄養の倫理」を検討する。食事摂取基準2010年版に準じて、推定エネルギー必要量、推定平均必要量、目標量・目安量に基づいて、6歳以上の加重平均を算出する。
結果と考察
①米国の添加物の安全性評価、合理的確実性、EUの実質的同等性、食経験を参考にして、我が国におけるGMP制度のあり方を提唱した。かかりつけ医師から医師会モデル事業への情報提供件数及び第2次判定件数は48件、94製品であった。②文献等の検索により、濃厚流動食の新設、低ナトリウム食品・低カロリー食品・高たんぱく質食品の除外、嚥下困難者食品は個別の症状対処等の素案を考えた。新制度発足以前の特別用途食品は形骸化していること、発足後、新制度を知っている45.3%、総合栄養食品の新設認知度58.4%、新制度対応を検討中51.8%。栄研ホームページに特別用途食品と栄養療法エビデンスを公開。③「食と栄養の倫理」は、健康食品・サプリメントによる健康被害の社会的要因、すなわち医薬品・有害物の意図的混入、不当な表示、偽装の“予防”に寄与することが期待された。推定エネルギー必要量を2,000kcalを採用することの意義、ナトリウムは食塩換算量を併記すること、鉄は月経ありの女性を別掲することを科学的に明らかにした。
結論
健康食品の安全性確保、特別用途食品の見直し、栄養機能食品のNRVの見直し等、行政への対応に貢献した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200939005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
系統的文献レビューにより、食品行政ニーズに対する科学的根拠を提供した。
臨床的観点からの成果
糖尿病、肥満を中心とした生活習慣病の食事療法・栄養補給に関する最新情報をまとめた。
ガイドライン等の開発
健康食品・サプリメントが健康被害をもたらす社会的要因、たとえば、医薬品・有害物の意図的混入、不当な健康強調表示、偽装等の阻止、“予防”のための倫理綱領「食と栄養の倫理」を公表した。
その他行政的観点からの成果
研究班員は委員、座長、座長代理として「厚生労働省:健康食品の安全性確保に関する検討会」「厚生労働省:特別用途食品のあり方に関する検討会」に参画するとともに、論点整理の科学的根拠を示した。また、同様に「消費者庁:健康食品の表示に関する検討会」でも、科学的根拠に基づいた意見を述べている。
その他のインパクト
班員が個人レベルで、新聞、テレビ等の取材を受けたが、班としては、特にない。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
4件
解説・総説=3編、著書=1編
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
3件
厚生労働省検討会:2件、消費者庁検討会:1件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2013-05-27
更新日
-