地域の実状に応じた看護提供体制に関する研究

文献情報

文献番号
200937072A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の実状に応じた看護提供体制に関する研究
課題番号
H21-医療・指定-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科医療政策学講座医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
  • 前田 樹海(東京有明医療大学)
  • 小林 美亜(東京大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療の効率化と高度化とともに看護業務は高度化、複雑化して業務量は増大し、看護職員の必要数が変化していると考えられる。そのため、医療の質と量の変化を反映させた看護職員必要数の推計手法が必要とされている。本研究では、地域の医療需要の推計を元に、医療の実態が反映される定量的な看護職員必要数の推計手法を開発することを目的とする。地域の疾病構造と疾病あたりの医療需要量から地域の医療需要を推計する手法を応用して、地域の看護需要とその将来予測を推計し、地域の看護職員の必要数を推計する手法の開発をめざした。
研究方法
本研究では、看護の対象となる外来、急性期、慢性期等の医療機能区分を適宜設定し、それぞれの区分毎に医療需要および単位需要あたりの看護需要と看護職員必要数を推計する手法をとった。まず、看護職員必要数を推計するにあたって適当な推計作業上の医療機能区分を設定し、次いで、それらの機能区分毎の医療需要の推計方法を検討した。その際、地域疾病構造、地域人口構造とその将来推計、単位疾病あたりの推計医療需要量を参考とした。将来の急性期医療機関の集約や機能分化等の可能性を考慮し、医療提供体制の変化に伴う機能区分毎の医療需要の変化を医療需要の推計に反映される手法についても検討した。さらに、設定した機能区分毎の単位医療需要あたりの看護職員必要数を推計した。
結果と考察
 これらの検討結果に基づいて看護職員必要数推計手法を定式化した上で、全国レベルあるいは特定の地域レベルでの推計作業をおこなった。その際、推計結果等を参考に推計モデルの修正とリファインを検討しつつ、推計作業を反復する探索的分析手法をとり、推計の精緻化と合理的な推計手法の開発を目指した。社会保障国民会議シミュレーションで示された各シナリオの病床数、利用者数、およびマンパワー推計で用いられた条件を用いて、本研究で推計した現状(2007年)を出発点として推計を行った結果、本研究で設定した看護配置条件では、需要と供給のバランスはほぼ保持できることが示された。 
結論
 医療の高度化と人口構造の高齢化に伴い、看護職員の適切な確保は重要な課題であり、本研究により医療機能の違いに伴う看護必要度の違いを踏まえた看護職員必要数の推計手法が明らかとなると、外来、入院等の医療機能毎の看護職員必要数の正確な予測と、それらに基づく看護職の養成体制の確保につながることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937072C