救急医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200937021A
報告書区分
総括
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学 救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部/蘇生学/救急医学)
  • 浅利 靖(弘前大学大学院医学研究科救急災害医学講座/救急医学、災害医学)
  • 浅井 康文(札幌医科大学医学部救急・集中治療医学講座/救急医学、災害医学/(札幌医科大学医学部救急・集中治療医学講座))
  • 高山 隼人(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター救命救急センター/救急医療、外科/(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター救命救急センター))
  • 野口 宏(愛知医科大学高度救命救急センター/救急医学/(愛知医科大学高度救命救急センター))
  • 石原 哲(白鬚橋病院/救急医学、災害医学/(白鬚橋病院))
  • 森野 一真(山形県立中央病院救命救急センター診療部/救急医学、災害医学(山形県立中央病院))
  • 石井 昇(神戸大学医学研究科/救急医学、災害医学/(神戸大学医学部附属病院救急部))
  • 田中 秀治(国士舘大学体育学部、同大学院救急医学院/スポーツ医学、救急医学/(国士舘大学体育学部、国士舘大学大学院救急医学院)
  • 谷川 攻一(広島大学大学院医歯薬学総合研究科/救急医学/(広島大学大学院医歯薬学総合研究科))
  • 郡山 一明(救急救命九州研修所/病院前救護体制、救急救命士教育/(救急救命九州研修所))
  • 近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構 災害医療センター臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一昨年、昨年と救急医療体制が十分に機能していないことを示す救急搬送事案の発生が相次ぎ、大きな社会問題となった。本研究では、救急医療体制の現状把握と、現状を踏まえた救急医療体制の一層の充実のための方策について研究を行った。
研究方法
傷病の発生から病院に到着するまでの医療の提供を行う病院前救急医療体制と、病院に到着してからの医療の提供を行う救急医療機関における診療体制の2つに分け、各分担研究者の研究内容について会議形式の議論を中心として研究を推進した。
結果と考察
病院前救急医療体制に関する研究として、地域で救急救命士等の活動の医学的質を確保するためのメディカルコントール(MC)の現状について、オンラインMCに関するマニュアルの整備、オンラインMC医師の資格要件の設定、講習会を実施している地域MC協議会はそれぞれ全体の3割以下と低調であること、MCに関わる救急指導医の教育体制について現状の救急医療財団が実施するMC研修会の評価が高いことを明らかにした。救急救命士の処置拡大に関する研究では①既往歴のある喘息発作に対する気管支拡張薬スプレーの使用 ②意識障害を認める傷病者に対する血糖測定と低血糖の補正 ③病院前救護における心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の投与について概ね業務拡大の有用性を示唆した。MC体制の評価に関する研究において地域のMC体制の評価シミュレーションを実施し評価指標の構築を推進した。
 救急医療機関の診療体制に関する研究として、実質的には機能していないと考えられる医療機関は病床が少なく専任の救急担当者を確保できていない実態を明らかにした。また、いわゆるER型救急医療を導入する病院が増加しつつある中で救急外来の実態を全国規模で調査し、60%の施設ではER専従医が不在であり、施設の約半数では、救急科が単独か専門各科と協力して救急患者の入院治療も行い、入院患者にも救急科医師が関与していることを明らかにした。また高度救命救急センターの役割、地方の二次救急医療機関の求められる設備、体制について明らかにし、「選定困難事案受け入れ対策システム」を用いて都市部における救急傷病者受け入れ等について検証した。救急医療機関の労働環境の実態を明らかにした。
結論
人的資源や医療費などの経済的資源が限られた状況の中、継続可能な救急医療体制を確立するため、救急医療体制の現状について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200937021B
報告書区分
総合
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学 救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部/蘇生学、救急医学/(帝京大学医学部))
  • 浅利 靖(弘前大学大学院医学研究科救急災害医学講座/救急医学、災害医学(弘前大学大学院医学研究科))
  • 浅井 康文(札幌医科大学医学部救急・集中治療医学講座/救急医学、災害医学/(札幌医科大学医学部救急・集中治療医学講座))
  • 高山 隼人(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター救命救急センター/救急医療、外科/(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター救命救急センター))
  • 野口 宏(愛知医科大学高度救命救急センター/救急医学/(愛知医科大学高度救命救急センター))
  • 石原 哲(白鬚橋病院/救急医学、災害医学/(白鬚橋病院))
  • 森野 一真(山形県立中央病院救命救急センター診療部/救急医学、災害医学(山形県立中央病院))
  • 石井 昇(神戸大学医学研究科/救急医学、災害医学/(神戸大学医学部附属病院救急部))
  • 田中 秀治(国士舘大学体育学部、同大学院救急医学院/スポーツ医学、救急医学/(国士舘大学体育学部、国士舘大学大学院救急医学院)
  • 谷川 攻一(広島大学大学院医歯薬学総合研究科/救急医学/(広島大学大学院医歯薬学総合研究科))
  • 郡山 一明(救急救命九州研修所/病院前救護体制、救急救命士教育/(救急救命九州研修所))
  • 近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構 災害医療センター臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
救急車を受け入れる救急医療機関の選定に時間を要した事案の報道が相次ぐなど、救急医療体制が十分に機能していない状況が明らかとなった。医師等の人的資源や医療費などの経済的資源が限られた状況の中、救急医療体制の実態をより詳細に明らかにし、実態に応じた継続可能な救急医療体制を確立することは喫緊の課題である。本研究では、救急医療体制の現状把握と、現状を踏まえた救急医療体制の一層の充実のための方策について研究を行った。
研究方法
本研究班においては病院前救急医療の領域と、救急医療機関における診療の領域とその連携に関する領域に分けて研究を実施した。各分担研究者の研究内容について会議形式の議論を中心として研究を推進した。
結果と考察
本研究において救急救命士等の活動プロトコールの実態について明らかにした。メディカルコントール(MC)の現状について、オンラインMCに関するマニュアルの整備などは全体の3割以下と低調であること、MCに関わる救急指導医の教育体制について現状の救急医療財団が実施するMC研修会の評価が高いことを明らかにした。救急救命士の教育体制に関する研究では、地域MCに依存した教育体制では必須病態全てをカバーすることは困難であり、全国統一の教育体制を作ること、教育の基本骨格を変更する必要性があることが示唆された。救急救命士の処置拡大に関する研究では①気管支拡張薬(β刺激薬)スプレーの使用 ②血糖測定と低血糖の補正 ③心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の投与について概ね業務拡大の有用性を示唆することができた。
 救命救急センターの評価指標に関する研究では、新しい評価指標により全国の救命救急センターの充実度を明らかにし、各施設がこの評価指標を満足する体制を具現化するための支援や行政の施策が重要であることを提言した。また、いわゆるER型救急医療を導入する病院が増加しつつあるなかで救急外来の実態を全国規模で調査し、60%の施設ではER専従医が不在であり救急科が単独もしくは専門各科と協力して救急患者の入院治療も行っており、入院患者にも救急科医師が関与していることを明らかにした。また高度救命救急センターの役割、地方の二次救急医療機関の求められる設備、体制について明らかにするとともに「選定困難事案受け入れ対策システム」を用いて都市部における救急傷病者受け入れ等について検証した。また、救急医療機関の労働環境の実態について明らかにした。
結論
継続可能な救急医療体制を確立するために、救急医療体制の現状について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937021C