文献情報
文献番号
200936200A
報告書区分
総括
研究課題名
声帯溝症の診断治療の確立と、標準化に向けたガイドラインの作成
課題番号
H21-難治・一般-145
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
角田 晃一(独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 臨床研究センター 人工臓器・機器開発研究部)
研究分担者(所属機関)
- 山岨達也(東京大学医学部、耳鼻咽喉科学、聴覚音声外科学)
- 田山二朗(国立国際医療センター、耳鼻咽喉科学、気管食道科学)
- 牧山 清(日本大学駿河台病院、耳鼻咽喉科学)
- 室伏利久(帝京大学溝口病院、耳鼻咽喉科学)
- 角田篤信(東京医科歯科大学医学部、耳鼻咽喉科学、頭頸部外科学)
- 新美成二(国際医療福祉大学、言語聴覚センター耳鼻咽喉科学、音声言語医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
声帯溝症等により発声時、動作時、嚥下時に声門閉鎖不全により、発声障害(嗄声)、動作時力が入らない、重い荷物が持てない等の胸郭の固定障害、気管につばが流入するなど嚥下障害、など社会生活におけるQOLの著明な低下を来たす。青壮年期に本病態が発生した場合、音声言語コミュニケーションの大きなハンディーとなる。
本研究は声帯溝症等、声帯の萎縮・瘢痕による患者の症状と要望、診断・治療の実態を臨床調査研究班を発足し効率よく調査し、さらに全国規模に発展させ、臨床的診断治療基準を明確にし、最終的には安全かつ経済的な診断・治療法の選択とその診断治療の指針を作成するものである。
本研究は声帯溝症等、声帯の萎縮・瘢痕による患者の症状と要望、診断・治療の実態を臨床調査研究班を発足し効率よく調査し、さらに全国規模に発展させ、臨床的診断治療基準を明確にし、最終的には安全かつ経済的な診断・治療法の選択とその診断治療の指針を作成するものである。
研究方法
1)声帯溝症の患者の要望にもとづいた訴えと、性別、年齢、頻度など疫学的調査を行う。2)声帯溝症患者の診断基準、つまりどのような検査でなに思って診断したかなどを明らかにする。3)声帯溝症患者の治療方針、脂肪注入、筋膜移植、あるいは音声訓練は行ったかなど明らかにする。4)症例の後ろ向き調査による分析で治療成績を含む年度別治療推移と患者の満足度を明らかにする。その為に、学校医における過去5年間の中学3年時点における健康診断の結果、各施設における医療側から見た、症状、診断、治療、その成績の実態調査。患者から見た症状、診断、治療、その成績や満足度のアンケートによる実態調査を行った。
結果と考察
中学3年時での頻度は8000名に一人、治療方針は多くの施設が保存治療主体で、希望で手術、音声訓練は2施設で積極的に行われていた。
患者へのアンケート調査で若年患者の学校生活、就学、就職やその後の職場などの選択において多くの制限を受けており、切実な訴えが確認された。また診断がつくまで数箇所の耳鼻咽喉科を受診する傾向にあり。治療の満足度は、自家筋膜移植が最も高く、ついで音声訓練、自家脂肪注入、コラーゲン注入の順であった。治療法に関しては施設により様々であり、患者アンケート調査からは「治療法が無い」、「様子を見ましょう」などの治療方針の指摘が多くなされた。一方で声帯内側筋筋膜自家移植術は患者の満足度も極めて高いことが明らかになった。音声訓練も有効であり、これらを組み合わせた治療法が有効と考えられた。若年声帯溝症への対策が急務と考えられた。
患者へのアンケート調査で若年患者の学校生活、就学、就職やその後の職場などの選択において多くの制限を受けており、切実な訴えが確認された。また診断がつくまで数箇所の耳鼻咽喉科を受診する傾向にあり。治療の満足度は、自家筋膜移植が最も高く、ついで音声訓練、自家脂肪注入、コラーゲン注入の順であった。治療法に関しては施設により様々であり、患者アンケート調査からは「治療法が無い」、「様子を見ましょう」などの治療方針の指摘が多くなされた。一方で声帯内側筋筋膜自家移植術は患者の満足度も極めて高いことが明らかになった。音声訓練も有効であり、これらを組み合わせた治療法が有効と考えられた。若年声帯溝症への対策が急務と考えられた。
結論
東京地区で行われた本研究計画に対し、来年度以降多くの全国の教室からの参加希望もあり、全国規模で本研究を推進すべく新たに申請し継続をはかる必要性がある。
公開日・更新日
公開日
2010-05-28
更新日
-