文献情報
文献番号
200936183A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性両側小耳症・外耳道閉鎖疾患に対する、良い耳介形成・外耳道・鼓膜・鼓室形成術の開発と両耳聴実現のためのチーム医療
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-128
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
加我 君孝(東京医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 朝戸 裕貴(獨協医科大学 医学部)
- 竹腰 英樹(東京医療センター 臨床研究センター)
- 松永 達雄(東京医療センター 臨床研究センター)
- 坂田 英明(目白大学 保健医療学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
先天性両側小耳症・外耳道閉鎖症の児に対し、1.両側の耳介と外耳道・鼓膜・中耳を自然に近い形状に再建し術式を開発する。整容的にコンプレックスをなくさせる。2.両方の耳を使うことで両耳聴を実現し、音源定位及びカクテルパーティー効果の機能が使えるようにすることで聴覚のQOLを大きく向上させる。3.手術に至るまでの約9年間のためにも両耳骨導補聴器を開発し、両耳聴を実現する。4.両耳術後に、ヘッドバンド式骨導補聴器から耳穴式補聴器に切り換えるだけでなく、新たに耳穴式デジタル型骨導補聴器を開発し、新しい両耳聴を実現させることを目的とする。5.小耳症・外耳道閉鎖の原因遺伝子について調べる。6.進学、就職をめぐる諸問題を明らかにすると同時に心のケアのためのカウンセリングを行う。
研究方法
1.両側デジタル型骨導補聴器を開発、2.外耳道形成術後の鼓膜浅在化の予防のための新手技を開発する。すなわち薄い軟骨板で鼓膜を作成、3.外耳道挿入型骨導補聴器の試作品を作成、4.手術前・中・後の全経過がわかるように患者説明用パンフレットを作成、5.外耳道入口狭窄を防止するための新しい皮膚弁を考案、6.原因遺伝子の有無について調査、7.小耳症・外耳道閉鎖症の手術および患者の動向がわかるように年報を作成、8.進学、就職、心理的問題の実態調査とカウンセリングの実施。
結果と考察
1.新たに開発した両側デジタル型補聴器は方向感が成立し、聴き取りが大幅に改善した。2.鼓膜浅在化予防の手技は今のところ成功している。3.外耳道挿入型骨導補聴器は試作し、良い効果があることを確認した。4.手術前・中・後の解説パンフレットと治療指針を作成し、患者及び医師の理解を深めた。5.外耳道狭窄予防の新に工夫した皮膚弁は良好な結果を示していることを確認した。
6.原因遺伝子は今回は文献の調査により2つの遺伝子が報告されていることがわかった。7.進学、就職では医療系の領域を選んでいるものが多いことがわかった。そのため新たに骨導電子聴診器の開発が必要なことがわかった。手術以前も手術以後も心のケアが必要なことがわかった。8.年報を発行し、小耳症・外耳道閉鎖症の集計を掲載した。
以上の1から8については長期的な研究が必要であることが明らかになった。
6.原因遺伝子は今回は文献の調査により2つの遺伝子が報告されていることがわかった。7.進学、就職では医療系の領域を選んでいるものが多いことがわかった。そのため新たに骨導電子聴診器の開発が必要なことがわかった。手術以前も手術以後も心のケアが必要なことがわかった。8.年報を発行し、小耳症・外耳道閉鎖症の集計を掲載した。
以上の1から8については長期的な研究が必要であることが明らかになった。
結論
両側小耳症・外耳道閉鎖症に対する新しい手術方法の開発と新しい両側骨導補聴器の開発を行い、治療とQOLの改善に大きな貢献をすることが出来た。しかし術前も術後も多くの問題があり、長期的な研究が必要であることも判明した。
公開日・更新日
公開日
2010-05-27
更新日
-