文献情報
文献番号
202327011A
報告書区分
総括
研究課題名
基礎疾患を持つ方に対するプレコンセプションケアの情報提供の充実のための研究
課題番号
23DA0201
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
荒田 尚子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター病院 周産期・母性診療センター母性内科)
研究分担者(所属機関)
- 杉山 隆(国立大学法人愛媛大学 大学院医学系研究科)
- 大田 えりか(伊東 えりか)(聖路加国際大学大学院 看護系研究科 国際看護学)
- 秋山 美紀(慶應義塾大学 環境情報学部)
- 長村 杏奈(徳野 杏奈)(昭和大学 医学部)
- 小林 佐紀子(独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 腎臓・内分泌・代謝内科)
- 磯島 咲子(昭和大学 医学部内科学講座リウマチ膠原病内科学部門)
- 三戸 麻子(倉内 麻子)(国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
6,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
基礎疾患を持つ方の妊娠・出産・子育て関する情報ニーズや主治医等から受けている情報提供の現状把握と、医療・保健従事者等の現場での活用を想定した基礎疾患を持つ方を対象とした妊娠・出産・子育てに関するプレコンセプションケアの情報提供資材を作成することを目的とする。
研究方法
甲状腺、高血圧、糖尿病、関節リウマチの4領域の専門学会の医師を対象にWebアンケート調査を行った。四領域の六学会(日本甲状腺学会(甲状腺専門医)、日本リウマチ学会(リウマチ専門医)、日本糖尿病学会(糖尿病専門医)、日本糖尿病・妊娠学会(学会所属医師全員)、日本高血圧学会(高血圧専門医)、日本妊娠高血圧学会(学会所属医師))の各学会専門医を対象に、無記名のWebアンケートを依頼した。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病のいずれかの診断を受けて治療中の者で、妊娠中または産後2~3年の女性とした。フォーカスグループインタビュー実施日より前にオンラインでアンケートを行い、対象者の基本属性に関する情報(年齢、疾患、居住地、就労状況、妊娠・出産歴、治療法等)を収集した。参加意思を示した研究対象者に対し、下記のインタビューガイドを用いて、オンラインでフォーカスグループインタビュー、または個人インタビューを実施した。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家の分担研究者によって、糖尿病、高血圧症、バセドウ病、慢性関節リウマチに対して、Research Questionを「該当疾患を持つ妊娠前の女性に対して必要な、情報提供、教育、指導は何か?」とし2000年1月1日から2023年7月31日の期間のPubmedと医中誌で検索を行った。抽出された文献を用いてレビューを行った。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病のいずれかの診断を受けて治療中の者で、妊娠中または産後2~3年の女性とした。フォーカスグループインタビュー実施日より前にオンラインでアンケートを行い、対象者の基本属性に関する情報(年齢、疾患、居住地、就労状況、妊娠・出産歴、治療法等)を収集した。参加意思を示した研究対象者に対し、下記のインタビューガイドを用いて、オンラインでフォーカスグループインタビュー、または個人インタビューを実施した。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家の分担研究者によって、糖尿病、高血圧症、バセドウ病、慢性関節リウマチに対して、Research Questionを「該当疾患を持つ妊娠前の女性に対して必要な、情報提供、教育、指導は何か?」とし2000年1月1日から2023年7月31日の期間のPubmedと医中誌で検索を行った。抽出された文献を用いてレビューを行った。
結果と考察
性成熟期に罹患頻度が高い、糖尿病、高血圧、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家にWebでのアンケート調査を依頼し計1994名の回答を得た。その結果、プレコンセプションケアの情報提供において、医療者からのニーズはあるものの、時間や体制の問題が大きな課題となっており、十分な情報提供が行われていないことが明らかとなった。これらを解決するためにはシステムの整備や医療チームの連携が不可欠と考えた。また、プレコンセプションケアについて医療者の知識拡充も重要である。
9名の基礎疾患をもつ女性で、妊娠中または産後の女性に対して、インタビューガイドを用いてオンラインでフォーカスグループインタビュー、または個人インタビューを行った。20代から40代の女性で、産休・育休中を含め、ほとんどの対象者が働きながら妊娠、育児をしている状況であった。インタビュー結果として、どの疾患も妊娠のタイミングや妊娠を見据えた治療方針について、妊娠前に説明を受けていた。疾患を抱えながら妊娠することの児への影響や治療薬の児及び母乳への影響について不安だという意見が挙げられた。医療機関から提供してほしい情報については、児の予後についての意見が多く聞かれたが、不安を煽る情報よりも安心できる情報を提供してほしいという意見もあった。提供方法については、紙媒体を好む対象者がいる一方で、音声や動画を好む対象者もいた。医療機関から提供してほしい情報では、児の予後に関する意見が多く聞かれた。提供方法としては、1つの媒体での提供よりも患者が選択できるよう複数の媒体での提供が必要とされている。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家の分担研究者によって、文献レビューが行われ、糖尿病、高血圧症、バセドウ病、慢性関節リウマチの4疾患のプレコンセプションケアの情報提供資材作成のための基礎資料を作成し、疾患に特異的なチェックリストを作成した。
9名の基礎疾患をもつ女性で、妊娠中または産後の女性に対して、インタビューガイドを用いてオンラインでフォーカスグループインタビュー、または個人インタビューを行った。20代から40代の女性で、産休・育休中を含め、ほとんどの対象者が働きながら妊娠、育児をしている状況であった。インタビュー結果として、どの疾患も妊娠のタイミングや妊娠を見据えた治療方針について、妊娠前に説明を受けていた。疾患を抱えながら妊娠することの児への影響や治療薬の児及び母乳への影響について不安だという意見が挙げられた。医療機関から提供してほしい情報については、児の予後についての意見が多く聞かれたが、不安を煽る情報よりも安心できる情報を提供してほしいという意見もあった。提供方法については、紙媒体を好む対象者がいる一方で、音声や動画を好む対象者もいた。医療機関から提供してほしい情報では、児の予後に関する意見が多く聞かれた。提供方法としては、1つの媒体での提供よりも患者が選択できるよう複数の媒体での提供が必要とされている。
糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家の分担研究者によって、文献レビューが行われ、糖尿病、高血圧症、バセドウ病、慢性関節リウマチの4疾患のプレコンセプションケアの情報提供資材作成のための基礎資料を作成し、疾患に特異的なチェックリストを作成した。
結論
わが国においての基礎疾患を持つ方の妊娠・出産・子育て関する情報ニーズや主治医等から受けている情報提供の現状把握を患者側および医療者側から行った。糖尿病、高血圧症、甲状腺疾患、リウマチ・膠原病領域のそれぞれの専門家の分担研究者によって、文献レビューが行われ、糖尿病、高血圧症、バセドウ病、慢性関節リウマチの4疾患のプレコンセプションケアの情報提供資材作成のための基礎資料を作成し、疾患に特異的なチェックリストを作成した。これらともとに令和6年度に4つの疾患に対して、医療・保健従事者等の現場での活用を想定した基礎疾患を持つ方を対象とした妊娠・出産・子育てに関するプレコンセプションケアの情報提供資材を作る。
公開日・更新日
公開日
2024-07-31
更新日
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