文献情報
文献番号
200936132A
報告書区分
総括
研究課題名
AML1および7q欠失責任遺伝子変異情報を有する骨髄異形成症候群検体バンクの構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-難治・一般-077
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
稲葉 俊哉(国立大学法人 広島大学 原爆放射線医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
多彩な遺伝子・エピゲノム異常の蓄積で発症する不均一な疾患群である骨髄異形成症候群(MDS)の予後改善のため、個々の症例の病因となる遺伝子・エピゲノム異常の情報を付加した検体バンクの構築を行うことを目的とする。
研究方法
申請者らが世界に先駆けて解明してきた、予後不良なサブグループを形成する-7/7q-欠失責任遺伝子欠損(約20%)やAML1/Runx1転写因子の点変異(15?25%)などの情報をスクリーニングする技術の確立と、そうした情報を付加したMDS検体バンクの構築をおこない、広く研究者・臨床家へ提供する。
結果と考察
7q片アレル欠失の検出は、実時間PCRプライマーの最適化を繰り返した結果、高頻度に片アレルの欠失が認められる領域で重点4遺伝子を含む27遺伝子の欠失が検出できるシステムを確立した。この方法を用いて、89例について7q高頻度欠失領域のゲノムコピー数の情報を得た。原医研内に蓄積されている検体に遺伝情報を付加し公開するための承認を広島大学臨床研究倫理審査委員会に申請し(課題名 造血器腫瘍の多段階発がん過程の解析と腫瘍細胞バンクの整備)、承認された(第ヒ-36号、H21.10.19)。上記89例について、検体に7q欠失情報を付加した。原医研は平成22年4月から全国共同利用・共同研究拠点として再発足しため、遺伝子情報を付加したMDS検体の公開は、共同利用・共同研究事業の一環として行われる。
結論
遺伝子・エピゲノム異常の情報を付加したMDS検体バンクの構築を行ない、広く研究者・臨床家へ提供するという当初の目的は達成されたが、次世代シーケンサを用いたシステムの拡張を念頭に、細胞バンクのさらなる整備を進めている。
公開日・更新日
公開日
2010-05-06
更新日
-