文献情報
文献番号
200936098A
報告書区分
総括
研究課題名
性分化異常症の実態把握と治療指針作成
課題番号
H21-難治・一般-043
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立成育医療センター研究所 小児思春期発育研究部)
研究分担者(所属機関)
- 大山 建司(山梨大学大学院 医学工学総合研究部)
- 堀川 玲子(国立成育医療センター 内分泌代謝科)
- 島田 憲次(大阪府立母子保健総合医療センター 小児泌尿器科学)
- 有阪 治(獨協医科大学 小児科)
- 野々村 克也(北海道大学大学院医学研究科 泌尿器科学)
- 藤枝 憲二(旭川医科大学 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、性分化異常症の実態把握と、それに基づく治療指針の作成である。その必要性は、本症が、適切な社会的性の決定を必要とする新生児期の医学的救急疾患であるのみならず、思春期発来障害、性腺腫瘍易発症性、性同一性障害、不妊症など、生涯にわたりQOLの低下を招く難病である点にある。
研究方法
実態調査、遺伝子解析、遺伝子型-表現型解析、初期対応の手引き作成、戸籍法の整理、脳の性分化評価質問表の作成、文献調査、ホームページの作成などを行った。
結果と考察
用語の提唱:性分化疾患の用語を患者の心理的側面に配慮して作成した。
全国患者実態一次調査:小児内分泌学会会員や小児泌尿器科学会会員など、計1,911名の医師を対象として実施し、1,564名の患者(性分化疾患疑い例192例を含む)が把握できた。
初期対応手引き針の作成:性分化疾患において最も需要である出生時の適切な診断・治療の進め方のみならず、両親への対応や医療者間の連絡事項をまとめた。
戸籍法の整理:出生届において性別未定で提出できることや性別変更についてまとめた。
コンサルタントドクターの選定:初期対応においてコンサルトできる小児内分泌医師および小児泌尿器科医師をリストアップした。性同一性障害評価質問表の作成:性同一性障害の有無を評価するための本人への質問表を作成した。
原因疾患診断法の確立:高速変異スクリーニング法を20以上の遺伝子において構築した。また、尿ステロイドプロフィールの診断的有用性と、胎児副腎由来ステロイドの干渉を受ける新生時期における診断的限界を明確とした。
診断フローチャートおよび現在の治療方針およびカウンセリングのまとめ:臨床的診断フローチャートを作成し、また、現在もっとも妥当と考えられる治療法および時期と遺伝カウンセリングのあり方についてまとめた。
ホームページの設置(http://www.seiiku-endo/seibunka):指針などの情報発信のため設置した。
全国患者実態一次調査:小児内分泌学会会員や小児泌尿器科学会会員など、計1,911名の医師を対象として実施し、1,564名の患者(性分化疾患疑い例192例を含む)が把握できた。
初期対応手引き針の作成:性分化疾患において最も需要である出生時の適切な診断・治療の進め方のみならず、両親への対応や医療者間の連絡事項をまとめた。
戸籍法の整理:出生届において性別未定で提出できることや性別変更についてまとめた。
コンサルタントドクターの選定:初期対応においてコンサルトできる小児内分泌医師および小児泌尿器科医師をリストアップした。性同一性障害評価質問表の作成:性同一性障害の有無を評価するための本人への質問表を作成した。
原因疾患診断法の確立:高速変異スクリーニング法を20以上の遺伝子において構築した。また、尿ステロイドプロフィールの診断的有用性と、胎児副腎由来ステロイドの干渉を受ける新生時期における診断的限界を明確とした。
診断フローチャートおよび現在の治療方針およびカウンセリングのまとめ:臨床的診断フローチャートを作成し、また、現在もっとも妥当と考えられる治療法および時期と遺伝カウンセリングのあり方についてまとめた。
ホームページの設置(http://www.seiiku-endo/seibunka):指針などの情報発信のため設置した。
結論
用語の提唱、全国患者実態一次調査、初期対応手引き針および集学的医療体制試案の作成、戸籍法の整理、コンサルタントドクターの選定、性同一性障害評価質問表の作成、原因疾患診断法の確立、診断フローチャートおよび現在の治療方針およびカウンセリングのまとめ、ホームページの設置を行った。この本年度の成果は、性分化疾患の医療の向上に大きく貢献すると期待される。
公開日・更新日
公開日
2010-05-13
更新日
-