食事摂取状況等を考慮したいわゆる「健康食品」の安全性確保に資する研究

文献情報

文献番号
202323028A
報告書区分
総括
研究課題名
食事摂取状況等を考慮したいわゆる「健康食品」の安全性確保に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23KA1009
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
村上 健太郎(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 朝倉 敬子(東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野)
  • 松本 麻衣(医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部)
  • 畝山 智香子(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 篠崎 奈々(東京大学 医学系研究科 公共健康医学専攻 社会予防疫学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
10,756,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
申請者らが有する詳細な既存の食事調査データを用いて、いわゆる「サプリメント」の摂取状況を記述するとともに、「サプリメント」の摂取に関連する要因、および特定の成分による健康被害につながりうる要因を明らかにする。
研究方法
当初はいわゆる「健康食品」(サプリメントや保健機能食品も含む)全般を対象とする予定であったが、健康食品を科学的に定義するのは困難であり、また、健康食品におけるサプリメントの寄与が大きいことを鑑みた結果、本研究では基本的にはサプリメントのみを取り上げることとする。使用するデータセットは以下のとおりである。
① 塩研究:20~69歳の成人392人、4日間秤量食事記録
② どんぐり研究:1~6歳の幼児753人、1または3日間秤量食事記録
③ 文科省小中学生研究:小中学生910人、3日間秤量食事記録
④ みんなでやろう全国食事調査:1~79歳の男女4400人、8日間秤量食事記録
⑤ 女性三世代研究:約1万人の女性、自記式食事歴法質問票およびサプリメント質問票
食事データの中からサプリメントを系統的・網羅的に抽出・コード化し、サプリメント摂取に関連する要因を幅広く検討する(例:性、年齢、健康意識、既往歴、社会経済的指標、居住形態、喫煙、飲酒、身体活動、睡眠、フードリテラシー、食事の質、食への価値観、ストレス、食料不安)。また、特定の成分による健康につながりうる要因を明らかにする。
結果と考察
サプリメント由来に限らず、日本人集団における習慣的な栄養素摂取量についてはほとんど明らかになっていない。そこで、⑤のデータ(32都道府県に住む1~79歳の日本人4450人を対象に行なった、各季節に2日ずつ、合計8日間の秤量食事記録データ)をもとに、MSM(Multiple Source Method)という統計手法を用いて、28種類の栄養素について個々人の習慣的摂取量を算出した。それらの値を、日本人の食事摂取基準2020年版の各指標と比較して、各種栄養素の摂取量が不足あるいは過剰である者の割合を検討した。
 その結果、ほとんどの栄養素において習慣的摂取量が推定平均必要量を下回る者が一定割合いることがわかった。特に、カルシウムの摂取量が推定平均必要量を下回る者の割合はすべての性・年齢層で高く(29~88%)、鉄の摂取量は12~64歳の女性で不足している者の割合が高い(79~95%)ことがわかった。また、目標量については、たんぱく質、炭水化物、 食物繊維、カリウムで、習慣的摂取量が目標量の下限値を下回る者の割合が一定割合いることがわかった。さらに、すべての性・年齢層の20%以上で総脂肪と飽和脂肪酸の摂取量が目標量の上限値を超えており、88%以上でナトリウム(食塩)が目標量の上限値を超えていた。
結論
この結果は本研究の土台となる重要な知見といえる。

公開日・更新日

公開日
2024-09-13
更新日
2024-09-18

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-09-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202323028Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,982,000円
(2)補助金確定額
13,982,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,403,299円
人件費・謝金 5,758,938円
旅費 2,999,608円
その他 594,155円
間接経費 3,226,000円
合計 13,982,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-09-13
更新日
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