テレワーカーの健康課題発生リスクや労働生産性に関連する生活・運動・睡眠習慣および身体機能の検証とそれに基づく指針作成のための研究

文献情報

文献番号
202322009A
報告書区分
総括
研究課題名
テレワーカーの健康課題発生リスクや労働生産性に関連する生活・運動・睡眠習慣および身体機能の検証とそれに基づく指針作成のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22JA1006
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
廣幡 健二(国立大学法人東京医科歯科大学 東京医科歯科大学病院)
研究分担者(所属機関)
  • 山口 大輔(東京医科歯科大学 スポーツサイエンスセンター)
  • 高木 俊輔(東京医科歯科大学 精神科)
  • 古谷 英孝(苑田第三病院 リハビリテーション科)
  • 柳下 和慶(東京医科歯科大学 統合教育機構教養教育部門)
  • 見供 翔(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 星野 傑(東京医科歯科大学 スポーツ医学診療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
2,151,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦におけるテレワーカーを対象に健康課題発生状況や労働生産性に加えて、身体機能や睡眠・運動習慣に関する情報を大規模に収集する。そして、それらのデータを分析することでテレワーカーに推奨する活動レベルや改善すべき身体機能を具体的に指導するための指標を作成することが本研究の目的である。
研究方法
(1) 対象
所属施設・企業にてフルタイムで勤務する成人の男女(健常労働者)を対象とした。
(2) 評価項目
仕事上のパフォーマンスに関する評価はWHO-HPQを用いて測定した。WHO-HPQの相対的パフォーマンスは、自身が想定する同僚と比較して仕事上のパフォーマンスはどの程度かを示し,得点が高いほどパフォーマンスが良好であることを示す。その他に評価した変数は、身体活動量(以下、PA)、睡眠状況、心理状況、そして身体機能とした。PAは、ウェアラブル活動量計(Fitbit)を用いて計測した。連続9日間測定し、装着翌日から回収前日までの7日間における1日あたりの平均歩数を分析した。解析条件として、1日1,000歩未満の日や雨天日のデータは除外した。睡眠時間も、PAと同様にFitbitを用いて、装着翌日から回収前日までの7日間における1日あたりの平均値を変数とした。身体機能は、研究代表者・分担者らが開発した11項目のセルフスクリーニングテストKOJI AWARENESS(以下、KA)を用いた。
結果と考察
(1) 対象者の基本属性および就業状況
32名の対象全員より回答が得られた。対象者の基本属性を表1に示す。対象者の年齢は22.7±4.5歳、女性16名(50%)、職歴は6.9±8.0年、運動歴は10.9±5.8年、現病歴を有するものは0名であった。
対象者の就業状況を表2に示す。1日あたりのテレワーク平均時間は3.0±3.8時間、就業場所は、自宅20名・その他(コアワーキングスペースなど)4名であった。
(2) 各評価項目の結果
各調査項目の記述統計の結果を表3に示す。WHO-HPQの結果は、相対的プレゼンティズムは0.94±0.18点であった。身体機能評価のKAは42.1±6.7点、PAは13,506.2±3,961.9歩/日、総睡眠時間は366.4±58.6分、深い睡眠は、64.8±15.5分、入潜時間は20.1±49.7分であった。
各調査項目との関連の結果を表4に示す。総睡眠時間と深い睡眠時間、ピッツバーグと年齢、KAと年齢、KAとPAの間にそれぞれ正の相関関係を認めた。負の相関を認めた項目は、年齢と深い睡眠時間、PAと深い睡眠時間、KAと総睡眠時間、KAと深い睡眠時間であった。その他の各調査項目との間に関連する項目は認められなかった。
 健常成人を対象とした調査より、長時間の睡眠時間は健康状態に悪影響を及ぼすことも示されている。本研究の対象者は、睡眠時間の水準は高い結果を示し、KAと負の関連を認めている。このことから、長時間の睡眠時間は身体機能に対しても悪影響を及ぼしている可能性が示唆される。
結論
本年度の研究活動を通じて、身体機能をセルフチェックすることができるKAが、労働者のPAや睡眠などに関連することが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2025-01-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-01-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202322009Z