医療機関における医療機器安全管理の実態調査に関する研究

文献情報

文献番号
202321050A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における医療機器安全管理の実態調査に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2015
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
菊地 眞(公益財団法人 医療機器センター )
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,724,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療機器安全管理の実行率向上と通知「医療機器の安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」(令和3年7月厚生労働省医政局総務課長・厚生労働省医政局地域医療計画課長・厚生労働省医政局経済課長通知、以下通知)の認知度向上を目的とした普及啓発活動の実施と、医療機関における医療機器安全管理の実態調査を実施した上で今後の医療環境の変化を踏まえた安全管理体制確保措置のあり方に関する提言を行うことである。
研究方法
本年度は医療機器の安全管理体制確保措置のあり方に関する提言に向けて、医療機関への医療機器安全管理に関する大規模アンケート調査結果の追加分析、医療機器の医療事故およびヒヤリハット事例の分析、職能団体および学会に対する書面ヒアリング調査を実施した。
医療機器安全管理に関する大規模アンケート調査結果の追加分析は、アンケート調査の保守点検に関する特定の設問で「全て実施している」もしくは「一部実施している」と回答した医療機関を「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」と定義づけし、その他は「それ以外の医療機関」として両者の病床規模、開設区分(民間病院と公的病院)、医療機器の安全管理に充てるリソースの違いを分析した。
医療機器に関連する医療事故およびヒヤリハット事例の分析は公益財団法人日本医療機能評価機構の医療安全情報、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency、以下PMDA)の安全性情報、一般社団法人日本医療安全調査機構の「医療事故の再発防止に向けた提言」などから既存の指針に掲載されている各医療機器のヒヤリハット事例で更に追記すべき事例などについて調査した。
職能団体および学会に対する医療機器安全管理の課題などの書面ヒアリング調査は、公益社団法人日本看護協会、公益社団法人日本診療放射線技師会、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会、公益社団法人日本臨床工学技士会、一般社団法人医療の質・安全学会から医療機器安全管理に関する課題などについてヒアリングを行った。
結果と考察
医療機器安全管理に関する大規模アンケート調査結果の追加分析については、「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」と「それ以外の医療機関」で病床規模、保守点検に充てる資源、医療機器安全管理責任者の職種で差異が見受けられた。具体的には病床規模の大きい医療機関、保守点検に充てる人員数が多い医療機関、保守点検に充てる予算が確保されている医療機関ほど保守点検の十分な運用実績のある医療機関が多い傾向であった。このため、通知で求めている保守点検の十分な運用をより多くの医療機関で今後実現していくためには、一定の類型のもとによる手当(例えば、通知の解説版の作成、追加で必要となる医療機器の保守点検ガイドライン、ウェブサイトの充実化、医療機器安全管理責任者向けの研修会など)が必要と考えられた。なお、「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」の設定条件は、通知発行後間もない(アンケートのタイミングが約1年後)にもかかわらず、通知で求める原則を基に設定したことで、結果的に高めの設定条件となったという事実を前提としている。このため、「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」の該当の有無で運用状況の良悪を決定づけているものではない。
医療機器に関連する医療事故およびヒヤリハット事例の分析については、各機関から発出された安全性情報等のうち特に公益財団法人日本医療機能評価機構から発出された医療安全情報、PMDAから発出された安全性情報の事例の一部は、既存の指針にも関連する内容であり、次回の指針改定時に研修指針に掲載されているヒヤリハット事例に追記を検討すべきと考えられた。
職能団体および学会に対する医療機器安全管理の課題などの書面ヒアリング調査については、すべての団体・学会から回答を得ることができた。それぞれの回答結果より、医療機器安全管理の課題は医療機器の安全管理教育やマニュアル整備の必要性、診療放射線技師や臨床工学技士が不在の施設における安全管理の課題、施設間での医療機器安全管理責任者の知識差などが挙げられており、職種間あるいは施設間で医療機器安全管理の知識に差があることが課題となっていると考えられた。
結論
本研究では、大規模アンケート調査の分析、医療機器に関連する医療事故やインシデント分析、関係団体・学会に対する意見聴取を実施し、これらの分析結果を通して医療機器安全管理の十分な運用に向けた今後の医療機器の安全管理体制確保措置のあり方について提言した。今後は本提言に対する具体的な施策について検討していく。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202321050B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機関における医療機器安全管理の実態調査に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2015
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
菊地 眞(公益財団法人 医療機器センター )
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療機器安全管理の実行率向上と通知「医療機器の安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」(令和3年7月厚生労働省医政局総務課長・厚生労働省医政局地域医療計画課長・厚生労働省医政局経済課長通知、以下通知)の認知度向上を目的とした普及啓発活動の実施と、医療機関における医療機器安全管理の実態調査を実施した上で今後の医療環境の変化を踏まえた安全管理体制確保措置のあり方に関する提言を行うことである。
研究方法
研究班では医療機器の安全管理体制確保措置のあり方に関する提言に向けて医療機器安全管理の普及啓発を目的とした普及啓発資材の開発、医療機器安全管理に関する大規模アンケート調査、医療機器に関連する医療事故およびヒヤリハット事例の分析、職能団体および学会に対する医療機器安全管理の課題などの書面ヒアリング調査を実施した。
研究の実施にあたっては、大所高所の視点を踏まえる必要があることから公益社団法人日本医師会、四病院団体協議会、公益社団法人日本診療放射線技師会、公益社団法人日本臨床工学技士会の有識者で構成される研究班会議を組織して実施した。
結果と考察
医療機器安全管理の普及啓発を目的とした普及啓発資材の開発は、ポスターおよびWEBサイトを開発した。ポスター開発は病院管理者向けと医療機器安全管理責任者向けの2種類のポスターを開発した。WEBサイトは、医療機器安全管理の必要性に関する説明、医療機器に関連するインシデントの事例検索が可能なWEBサイトの紹介、通知・指針の解説と関連する資料の掲載などを行った。これらは全国の医療機関(診療所を除く)に周知できたことにより、医療機器安全管理の意識の醸成に繋がったと考えられた。
医療機器安全管理に関する大規模アンケート調査結果については、8138施設中2634施設から回答があり回答率は約32%となった。医療機器の安全使用のための研修、保守点検、情報収集の実施状況に関する各設問の回答結果を個々に見ると全体的に実施割合が高い傾向にあった。一方、保守点検における台帳管理、保守点検計画の策定、日常/定期点検およびその記録などをすべからく実施できている医療機関(「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」と定義)を分析したところ全体の約60%であった。「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」と「その他の医療機関」の差異については、病床規模の大きい医療機関、保守点検に充てる人員数が多い医療機関、保守点検に充てる予算が確保されている医療機関ほど保守点検の十分な運用実績のある医療機関が多い傾向であった。このため、通知で求めている保守点検の十分な運用をより多くの医療機関で今後実現していくためには、一定の類型のもとによる手当(例えば、通知の解説版の作成、追加で必要となる医療機器の保守点検ガイドライン、ウェブサイトの充実化、医療機器安全管理責任者向けの研修会など)が必要と考えられた。なお、「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」の設定条件は、通知発行後間もない(アンケートのタイミングが約1年後)にもかかわらず、通知で求める原則を基に設定したことで、結果的に高めの設定条件となったという事実を前提としている。このため、「保守点検の十分な運用実績のある医療機関」の該当の有無で運用状況の良悪を決定づけているものではない。
医療機器に関連する医療事故およびヒヤリハット事例の分析については、各機関から発出された安全性情報等のうち特に公益財団法人日本医療機能評価機構から発出された医療安全情報、独立行政法人医薬品医療機器総合機構から発出された安全性情報の事例の一部は、既存の指針にも関連する内容であり、次回の指針改定時に研修指針に掲載されているヒヤリハット事例に追記を検討すべきと考えられた。
職能団体および学会に対する医療機器安全管理の課題などの書面ヒアリング調査については、すべての団体・学会から回答を得ることができた。それぞれの回答結果より、医療機器安全管理の課題は医療機器の安全管理教育やマニュアル整備の必要性、診療放射線技師や臨床工学技士が不在の施設における安全管理の課題、施設間での医療機器安全管理責任者の知識差などが挙げられており、職種間あるいは施設間で医療機器安全管理の知識に差があることが課題となっていると考えられた。
結論
本研究では、大規模アンケート調査の分析、医療機器に関連する医療事故やインシデント分析、関係団体・学会に対する意見聴取を実施し、これらの分析結果を通して医療機器安全管理の十分な運用に向けた今後の医療機器の安全管理体制確保措置のあり方について提言した。今後は本提言に対する具体的な施策について検討していく。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202321050C

収支報告書

文献番号
202321050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,540,000円
(2)補助金確定額
3,540,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,177,010円
人件費・謝金 480,227円
旅費 0円
その他 66,763円
間接経費 816,000円
合計 3,540,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-