難治性膵疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200936035A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性膵疾患に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-027
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
下瀬川 徹(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 田中雅夫(九州大学大学院医学研究院)
  • 武田和憲(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)
  • 片岡慶正(大津市民病院、京都府立医科大学大学院)
  • 竹山宜典(近畿大学医学部)
  • 広田昌彦(熊本地域医療センター医師会病院)
  • 伊藤鉄英(九州大学病院)
  • 木原康之(産業医科大学)
  • 成瀬達(みよし市民病院)
  • 岡崎和一(関西医科大学)
  • 西森 功(西森医院)
  • 乾 和郎(藤田保健衛生大学・坂文種報德會病院)
  • 峯 徹哉(東海大学医学部)
  • 神澤輝実(東京都立駒込病院)
  • 川 茂幸(信州大学健康安全センター)
  • 白鳥敬子(東京女子医科大学)
  • 真弓俊彦(名古屋大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
49,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膵臓の難治性炎症性疾患として重症急性膵炎、慢性膵炎、膵嚢胞線維症を対象として、全国疫学調査による各疾患患者の実態調査を中心とし、検証的研究、開発的研究、介入的研究、実験的研究を3年間で計画的に推進し、これらの結果を基礎として、診断基準や重症度判定基準の作成、診療ガイドラインの策定、早期診断法や画期的治療法の開発に資することを目的とする。
研究方法
層化無作為抽出法によって2007年1年間の急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎の全国疫学調査を行った。膵嚢胞線維症に関しては、全国の小児科、小児医療施設を中心に全国調査を行った。二次調査による詳細なデータを解析することによって、本邦における各膵疾患の発症要因、病態解析、診断法や治療法の検証を行い、最適な診療指針の作成に役立てる。その他、診断法、治療法の各種課題ごとにワーキング委員会を形成し、調査活動や指針作成、基礎的研究、多施設共同研究、ランダム化比較試験を遂行している。
結果と考察
平成20年度に開始した急性膵炎、慢性膵炎、自己免疫性膵炎の全国調査一次調査を平成21年に完結し、2007年1年間の受療患者数を、急性膵炎57,560人、慢性膵炎47,100人、自己免疫性膵炎2,790人と推定し、いずれも本邦で増加している実態を明らかにした。平成21年度には各疾患について、二次調査を終了し、十分なデータ収集のもとに詳細な解析を行う基盤ができた。また、平成20年度の急性膵炎重症度判定基準改訂に沿って、急性膵炎の診療指針を改訂し、平成21年度に「急性膵炎診療ガイドライン2010」を発刊した。慢性膵炎では、早期慢性膵炎の概念を世界で初めて導入した「慢性膵炎臨床診断基準2009」を平成21年度に公表した。さらに、「膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン」、「自己免疫性膵炎診療ガイドライン」を平成21年度に完成、公表した。その他、急性膵炎の早期診断法としての尿中trypsinogen 2ステイック法や、急性膵炎重症化早期予知法としてのperfusion CTに関する多施設共同研究を開始し、自己免疫性膵炎のステロイド維持療法に関するランダム化介入比較試験を開始した。
結論
本研究班は2年目の平成21年度に、研究の核となる各疾患の全国疫学調査を順調に遂行することができ、十分なデータのもとに詳細な解析を行う基盤ができた。また、各研究課題を順調に遂行することができ、成果として診断基準の改訂、各種ガイドラインの公表を行った。平成21年度の目標をほぼ達成することが出来たと考えている。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-03-01
更新日
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