文献情報
文献番号
202321043A
報告書区分
総括
研究課題名
医師養成課程を通じた偏在対策の効果検証のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2005
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター地域医療政策部門)
研究分担者(所属機関)
- 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
- 松本 正俊(広島大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,247,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医師の偏在は、地域間・診療科間のそれぞれにおいて、大きな課題となっているが、未だに解消が図られていない課題の一つである。医師の偏在是正に向け、医師養成課程を通じた偏在対策の効果検証を進めることは重要であり、医師養成を行う医学部と勤務地の状況や、複数地域に勤務する医師の状況、臨床研修における診療科選択の状況について明らかにすることは重要である。
本年度の本研究では、医師届出票情報、民間データベース、医師臨床研修者アンケート調査の調査票分析を通じ、医学部所在地や地域枠と勤務地の関係、医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差、地臨床総合診療のキャリア選択に影響する因子等を明らかにすることを目的としている。
本年度の本研究では、医師届出票情報、民間データベース、医師臨床研修者アンケート調査の調査票分析を通じ、医学部所在地や地域枠と勤務地の関係、医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差、地臨床総合診療のキャリア選択に影響する因子等を明らかにすることを目的としている。
研究方法
医学部所在地や地域枠と勤務地の関係に関する研究では厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師届出票情報の提供に係る利用申出手引」に定める手続きを取り、厚生労働省に医師届出票情報の提供について申請し、提供を得て集計・分析を実施した。
医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差の検証では、株式会社日本アルトマークの医師データを用いて、2002年から2022年までの都道府県別、二次医療圏別の兼業医師割合の推移および高齢医師の地域分布を検証した。
臨床研修修了者アンケートを用いた総合診療のキャリア選択に影響する因子の検討では、2018年から2020年の臨床研修修了者アンケートを用い、臨床研修前の将来希望分野を総合診療としていた者と他分野を希望していた者の2群に分け、基本属性、将来希望分野選択理由および臨床研修内容を検討した。
医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差の検証では、株式会社日本アルトマークの医師データを用いて、2002年から2022年までの都道府県別、二次医療圏別の兼業医師割合の推移および高齢医師の地域分布を検証した。
臨床研修修了者アンケートを用いた総合診療のキャリア選択に影響する因子の検討では、2018年から2020年の臨床研修修了者アンケートを用い、臨床研修前の将来希望分野を総合診療としていた者と他分野を希望していた者の2群に分け、基本属性、将来希望分野選択理由および臨床研修内容を検討した。
結果と考察
(1)医学部所在地や地域枠と勤務地の関係に関する研究
都道府県内勤務医師に占める地元大学出身者割合と、卒業医師の地元都道府県金車割合をみると、基本的には、各都道府県に所在大学の卒業生が最も多く勤務するのは、医学部が所在する都道府県であり、その都道府県の医師の供給源となっているものの、地元大学出身者が地元に残る割合や、都道府県におけるその大学の出身者が占める割合には大きな差があることが明らかとなった。また、医師少数区域に勤務する若手医師に占める地域枠の割合が大きくなっており、医師偏在対策としての地域枠の効果が示されたものと考えられる。
(2) 医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差の検証
東日本では兼業医師の占める割合が高く、西日本では低い傾向がみられた。
(3) 臨床研修修了者アンケートを用いた総合診療のキャリア選択に影響する因子の検討
臨床研修後の将来希望分野を総合診療とする因子として、研修前から総合診療を希望していた群では地域枠出身、総合診療ローテーション、長期間の地域医療ローテーション、プライマリ・ケア能力獲得への期待および地域貢献希望が明らかとなった。研修前に他分野を希望していた群では、高い年齢、長期間の総合診療ローテーションおよびプライマリ・ケア能力獲得への期待が挙がった。両群ともに学問的興味や専門性維持を優先することはキャリア選択阻害因子であった。
都道府県内勤務医師に占める地元大学出身者割合と、卒業医師の地元都道府県金車割合をみると、基本的には、各都道府県に所在大学の卒業生が最も多く勤務するのは、医学部が所在する都道府県であり、その都道府県の医師の供給源となっているものの、地元大学出身者が地元に残る割合や、都道府県におけるその大学の出身者が占める割合には大きな差があることが明らかとなった。また、医師少数区域に勤務する若手医師に占める地域枠の割合が大きくなっており、医師偏在対策としての地域枠の効果が示されたものと考えられる。
(2) 医師の複数地域診療の実態および高齢医師の地域差の検証
東日本では兼業医師の占める割合が高く、西日本では低い傾向がみられた。
(3) 臨床研修修了者アンケートを用いた総合診療のキャリア選択に影響する因子の検討
臨床研修後の将来希望分野を総合診療とする因子として、研修前から総合診療を希望していた群では地域枠出身、総合診療ローテーション、長期間の地域医療ローテーション、プライマリ・ケア能力獲得への期待および地域貢献希望が明らかとなった。研修前に他分野を希望していた群では、高い年齢、長期間の総合診療ローテーションおよびプライマリ・ケア能力獲得への期待が挙がった。両群ともに学問的興味や専門性維持を優先することはキャリア選択阻害因子であった。
結論
本研究を通じて、医学部所在地や地域枠と勤務地の関係、兼業医師と高齢医師の地域偏在の検証、総合診療分野を例に、臨床研修前後の希望分野に状況と、キャリア選択へ影響する因子等の一旦を明らかにすることができ、医師在対策の効果検証や今後のあり方について検討する上で有益な情報を得ることができたと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2024-07-26
更新日
-