呼吸不全に関する調査研究

文献情報

文献番号
200936032A
報告書区分
総括
研究課題名
呼吸不全に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-024
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
三嶋 理晃(京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 西村 正治(北海道大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野)
  • 貫和 敏博(東北大学大学院医学系研究科 呼吸器病態学分野)
  • 巽 浩一郎(千葉大学大学院医学研究院 加齢呼吸器病態制御学)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学医学部 呼吸器内科)
  • 赤柴 恒人(日本大学医学部内科学系 睡眠学分野)
  • 石坂彰敏(慶應義塾大学医学部呼吸器内科 呼吸器内科学)
  • 長瀬 隆英(東京大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学)
  • 永井 厚志(東京女子医科大学 第一内科学講座)
  • 久保 惠嗣(信州大学医学部内科学 第一講座)
  • 谷口 博之(公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科)
  • 伊達 洋至(京都大学大学院医学研究科 器官外科学講座呼吸器外科学)
  • 陳 和夫(京都大学大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座呼吸器内科学)
  • 中西 宣文(国立循環器病センター心臓血管内科肺循環)
  • 坂谷 光則(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 木村 弘(奈良県立医科大学内科学 第二講座)
  • 裏出 良博(財団法人大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門)
  • 相澤 久道(久留米大学医学部 呼吸器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
49,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
呼吸不全を来たす難治性呼吸器疾患である7つの疾患群(若年発症肺気腫(若年発症COPD)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、肥満低換気症候群(OHS)、肺胞低換気症候群(PAHS)、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH))を横軸とし、疫学・病態解析・診断・原疾患治療を縦軸とする2次元的発想で、呼吸不全の予防と治療の標準化を目指す。
研究方法
疫学、生理学、病理学、分子生物学、遺伝子学的な多面的アプローチから臨床および基礎研究を実施した。

結果と考察
対象7疾患に対する包括的疫学調査として、診断基準集を作成し、200床以上の全国の医療機関1,816施設に1次調査として各疾患の通院中および入院中の患者数を調査した。有効回答率44.9%であり、若年発症重症COPD 559人、LAM 1,053人、LCH 303人、PAHS 122人、OHS 935人、PAH 966人、CTEPH 1,064人と推定された。今年度は、LAMが特定疾患事業として新規認定され、またPAHおよびCTEPHは、病名変更と認定基準の改定が行われたが、当研究班として、これら疾患の認定基準案および調査個人票案の新規作成や変更作業に従事し次年度からの疫学調査をはじめとする研究の基盤を整えることができた。若年発症肺気腫を含むCOPDに関しては、発症機序について、老化や酸化ストレス、タバコ煙による影響に関する研究、病態に対しては、画像診断に関する研究、急性増悪に関する研究、鑑別診断に関する研究などを行った。さらに治療に対しては、L-カルボシステインやチオトロピウムによるウイルス感染誘発の増悪抑制に関する研究、スタチンによる肺胞上皮再生メカニズムの検討などがなされた。LCHに関しては、小児血液学会HLH/LCH委員会との合同調査として、成人領域と小児科領域を通した全領域のLCHの調査を進めた。OHSおよびPAHSを含む睡眠時無呼吸に関しては、高血圧や内臓脂肪、代謝機能異常との関連に関する研究、日本人勤労女性の睡眠呼吸障害および睡眠時無呼吸症候群の有病率に関する検討、睡眠呼吸障害の動物モデルに関する研究を実施した。
結論
呼吸不全関連7疾患の発症機序、病態、予後との関連などの一端が明らかとなり、新たな治療法への可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
-