びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200936031A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-023
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 幸比古(自治医科大学 医学部内科学講座呼吸器内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 内科学第三講座)
  • 海老名 雅仁(東北大学 大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器病態学分野)
  • 棟方 充(福島県立医科大学 医学部呼吸器内科学講座)
  • 稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 医学部附属病院呼吸器内科)
  • 江石 義信(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科器官システム制御学系専攻消化代謝病学講座)
  • 松島 綱治(東京大学 大学院医学系研究科分子予防医学)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門)
  • 福田 悠(日本医科大学 病理学講座解析人体病理学)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部医学科内科学講座(大森)呼吸器内科)
  • 萩原 弘一(埼玉医科大学 医学部呼吸器内科)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学 国際医療センター共通部門画像診断科)
  • 千田 金吾(浜松医科大学 内科学第二講座)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学)
  • 井上 義一(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 呼吸不全・難治性肺疾患研究部)
  • 河野 修興(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科分子内科学)
  • 西岡 安彦(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性で予後の悪い特発性肺線維症(IPF)を含む特発性間質性肺炎(IIPs)及びサルコイドーシスについて特に治療について検討する。
研究方法
特発性間質性肺炎(IIPs)
疫学的研究については、北海道地区の調査票を用いた検討を行った。急性増悪遺伝子の解析は、班員からの検体を埼玉医大へ集中し行った。新しい治療法の検討としては、NAC、ピルフェニドン、PMXカラムのこれまでの成績のまとめを行った。間質性肺炎合併肺癌の治療指針策定については、シンポジウムの開催とアンケート調査を行った。ガイドラインとしての「手引き」改訂は部会を設置して行った。
結果と考察
疫学研究では北海道studyにより、有病率の算定が行われ、10万対11.8の数値が得られていたが、さらに今年は予後調査により、生存中央値が初診時から61ヶ月であることが判明した。急性増悪遺伝子解明については、約130検体を集め全ゲノムハプロタイプ解析を行っている。新しい治療法に関しては、上市されたピルフェニドンの市販後の調査を進めるとともに、フェーズ3の解析を進め、軽症(早期)例での効果が良いことが判明している。NACについては、%FVC95未満、%DLco55未満の層別解析で有意に良好であり、今後新たな治療法の候補といえる。PMXカラムでは従来の報告と比べ、3ヶ月時点での生存率で良好であった。間質性肺炎合併肺癌の化学療法のアンケートでカルボ+パクリなどのレジメンが有力な候補とされた。ガイドラインとしての「手引き」改訂は、既に原稿が集まり、全体の検討も進み2010年秋の出版を予定している。サルコイドーシスに関しては、難治例の治療として、吸入ステロイド、免疫抑制剤、抗菌薬治療(ミノサイクリン)などの検討が行われた。
結論
難治で予後不良の特発性肺線維症に対して、日本発世界初の抗線維化薬ピルフェニドンを含め、様々な治療オプションの研究を活発に展開中である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-