文献情報
文献番号
200936017A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
藤枝 憲二(旭川医科大学 医学部 小児科)
研究分担者(所属機関)
- 諸橋 憲一郎(九州大学大学院 医学研究院)
- 宮本 薫(福井大学 医学部)
- 柳瀬 敏彦(福岡大学 医学部)
- 長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部)
- 田島 敏広(北海道大学大学院 医学研究科)
- 勝又 規行(国立成育医療センター 研究所)
- 加藤 茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所)
- 田中 廣壽(東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター)
- 西川 哲男(独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
- 柴田 洋孝(慶應義塾大学 医学部)
- 笹野 公伸(東北大学大学院 医学系研究科)
- 宮森 勇(福井大学 医学部)
- 武田 仁勇(金沢大学大学院 医学系研究科)
- 上芝 元(東邦大学 医学部)
- 田村 尚久(京都大学大学院 医学研究科)
- 佐藤 文俊(東北大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
副腎の発生・分化、ステロイドホルモン産生・作用に異常を呈する疾患を対象に病因・病態の解明、新しい診断法・治療法の開発、疾患の実態調査を行い、診療ガイドライン作成を目標とする。
研究方法
7分野について研究を進めた。1)先天性副腎酵素異常症の生化学・遺伝子診断システムの構築と病態の解明、2)副腎の発生・分化機構の解明、3)副腎再生による新しい副腎不全治療法の開発、4)原発性アルドステロン症(PA)の診断基準策定と治療法の検討、5)ステロイド作用に関わる受容体とその異常の解析、6)副腎癌の診断・治療法の検討、7)副腎ホルモン産生異常症の全国疫学調査。
結果と考察
1)未熟早産児において、修正週数依存性の胎生皮質退縮前に在胎週数依存性の胎生皮質分泌増加が存在することがわかった。StAR欠損症には臨床的多様性に加えて、遺伝的多様性も認められることを明らかにした。
2)SF-1を胎仔副腎において強制的に発現するトランスジェニックマウスにおいて異所性副腎皮質が形成されることがわかった。
3)StAR遺伝子上流にSF-1が結合する新たなエンハンサー領域を同定し、プロモーター領域とループ構造をとり、クロマチン構造変化を伴うエピジェネティックな修飾を受けていることを明らかにした。
4)PAについて最終的なガイドラインを作成した。超選択的ACTH負荷副腎静脈採血を用いた診断の有用性、BMIや内臓脂肪量と合併症との関係、手術療法と薬物療法との比較有用性の検討、アルドステロン産生腺腫へのセロトニンの関与、などについて新知見を得た。
5)グルココルチコイドレセプター(GR)の抗炎症作用におけるAP-1の転写抑制メカニズム、およびグルココルチコイド-GRを介した筋萎縮のメカニズムを解明した。
6)全国疫学調査から副腎偶発腫の約1割にCushing症候群が認められ、そのうち約2割がSubclinical Cushing症候群であることがわかった。18F-FDG/PET-CTによるSUV maxの有用性について検討した。副腎性サブクリニカルクッシング症候群(SCS)の新しい診断基準案の作成を試みた。
7)一次調査の回収率が低いため追加調査を行い、未回答施設に対する追加調査を継続すると同時に二次調査を行っている。
2)SF-1を胎仔副腎において強制的に発現するトランスジェニックマウスにおいて異所性副腎皮質が形成されることがわかった。
3)StAR遺伝子上流にSF-1が結合する新たなエンハンサー領域を同定し、プロモーター領域とループ構造をとり、クロマチン構造変化を伴うエピジェネティックな修飾を受けていることを明らかにした。
4)PAについて最終的なガイドラインを作成した。超選択的ACTH負荷副腎静脈採血を用いた診断の有用性、BMIや内臓脂肪量と合併症との関係、手術療法と薬物療法との比較有用性の検討、アルドステロン産生腺腫へのセロトニンの関与、などについて新知見を得た。
5)グルココルチコイドレセプター(GR)の抗炎症作用におけるAP-1の転写抑制メカニズム、およびグルココルチコイド-GRを介した筋萎縮のメカニズムを解明した。
6)全国疫学調査から副腎偶発腫の約1割にCushing症候群が認められ、そのうち約2割がSubclinical Cushing症候群であることがわかった。18F-FDG/PET-CTによるSUV maxの有用性について検討した。副腎性サブクリニカルクッシング症候群(SCS)の新しい診断基準案の作成を試みた。
7)一次調査の回収率が低いため追加調査を行い、未回答施設に対する追加調査を継続すると同時に二次調査を行っている。
結論
さまざまな角度から臨床的・基礎的研究を行い初年度としては多くの成果を得ることができた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-19
更新日
-