文献情報
文献番号
200936016A
報告書区分
総括
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大磯 ユタカ(名古屋大学 大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学)
研究分担者(所属機関)
- 長村 義之(東海大学 医学部 病理診断学)
- 平田 結喜緒(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 分子内分泌内科学)
- 大関 武彦(浜松医科大学 医学部 小児科学)
- 須田 俊宏(弘前大学 大学院医学研究科 内分泌代謝内科学)
- 森 昌朋(群馬大学 大学院医学系研究科 病態制御内科学)
- 寺本 明(日本医科大学 大学院医学研究科 神経病態解析学)
- 肥塚 直美(東京女子医科大学 医学部 第二内科)
- 石川 三衛(自治医科大学 附属さいたま医療センター 内分泌代謝科)
- 島津 章(国立病院機構 京都医療センター )
- 苛原 稔(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 女性医学分野)
- 置村 康彦(神戸大学 医学部 内分泌代謝学)
- 柳瀬 敏彦(福岡大学 医学部 内分泌糖尿病内科)
- 有田 和徳(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 脳神経病態制御外科学)
- 岩崎 泰正(高知大学 教育研究部 医学部門)
- 高野 幸路(東京大学 大学院医学系研究科 腎臓内分泌内科学)
- 清水 力(北海道大学 附属病院 内分泌内科学)
- 巽 圭太(大阪大学 大学院医学系研究科 臨床検査診断学)
- 菅原 明(東北大学 大学院医学系研究科 先端再生生命科学)
- 有馬 寛(名古屋大学 附属病院 糖尿病・内分泌内科)
- 横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
- 横谷 進(国立成育医療センター 第一専門診療部 小児内分泌学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
60,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1)本年度から新しく難治性疾患克服研究事業に追加された先端巨大症、クッシング病、下垂体機能低下症と、従来の対象疾患(抗利尿ホルモン、プロラクチンおよびゴナドトロピン分泌異常症)についてその早期発見と有効な治療の実現を目的に、病態生理、発症機転、診断の各面から解析、2)間脳下垂体疾患の生命予後・QOLの調査目的で構築したデータベースの活用と合わせ標準的診断法・治療法の指針策定。
研究方法
網羅的班研究ではデータベースの維持とその利用による間脳下垂体疾患の疾患特異性評価などを行った。各疾患の個別研究では、視床下部下垂体疾患の責任抗原探索を目的としたプロテオーム解析、下垂体腺腫の増殖機構解明を目的とした関連遺伝子発現と細胞内シグナリングの解析、ホルモン分泌低下症の適正なホルモン補充量決定、診断基準の精度向上を目的としたホルモン基準値の再設定などを施行した。また特定疾患治療研究事業に間脳下垂体疾患が指定されたため、申請・審査業務用に新たな診断基準と登録票様式策定の検討を進めた。
結果と考察
網羅的研究では、間脳下垂体疾患データベースに登録されている先端巨大症、下垂体機能低下症、バゾプレシン分泌低下症など計320例を解析し、主観的健康観には疾患特異性があることが示され、今後の治療法改善に向け有効な基礎資料となった。また各疾患の診断・治療の手引きを大幅改訂した。
個別研究では、プロテオーム解析による自己免疫性下垂体炎の診断マーカーの検索、POMC遺伝子発現に及ぼす諸因子の検討、下垂体腫瘍の新たな分子標的を基盤とした治療戦略の検討、PIT1に対する自己抗体と関連した後天性ホルモン欠損症の解析、成人GH分泌不全症のGH投与量の検討など多方面から研究を遂行した。
一方、今年度は間脳下垂体疾患が特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定されたため、各疾患の認定基準および申請用個人票の作成を厚生労働省健康局疾病対策課との協議を重ね実行した。
個別研究では、プロテオーム解析による自己免疫性下垂体炎の診断マーカーの検索、POMC遺伝子発現に及ぼす諸因子の検討、下垂体腫瘍の新たな分子標的を基盤とした治療戦略の検討、PIT1に対する自己抗体と関連した後天性ホルモン欠損症の解析、成人GH分泌不全症のGH投与量の検討など多方面から研究を遂行した。
一方、今年度は間脳下垂体疾患が特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定されたため、各疾患の認定基準および申請用個人票の作成を厚生労働省健康局疾病対策課との協議を重ね実行した。
結論
間脳下垂体疾患の病態、発症機構、診断法、治療法などの継続した研究により高精度で負担の少ない診断法の開発と生命予後・QOLの改善を目的とした治療法の導入が進んでいる。また当研究班が実現へ努力してきた特定疾患治療研究事業への追加認定を果たしたことにより、今後さらに難病疾患対策の面で着実に社会的貢献をなし得るものと考える。
公開日・更新日
公開日
2010-04-21
更新日
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