高次脳機能障害者の地域生活支援の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200935055A
報告書区分
総括
研究課題名
高次脳機能障害者の地域生活支援の推進に関する研究
課題番号
H21-こころ・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所感覚機能系障害研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 河野豊(茨城県立医療大学病院)
  • 深津玲子(国立障害者リハビリテーションセンター病院 )
  • 白山靖彦(静岡英和学院大学人間社会学部)
  • 生駒一憲(北海道大学病院・リハ科)
  • 森悦朗(東北大学大学院医学系研究科)
  • 上小鶴正弘(埼玉県総合リハセンター)
  • 入谷清美(東京都心身障害者福祉センター)
  • 山田和雄(名古屋市大社会復帰医学)
  • 野村忠雄(富山県高志リハビリテーション病院)
  • 渡邉学(大阪府立急性期・総合医療センター)
  • 永廣信治(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス)
  • 丸石正治(広島県立身体障害者リハセンター)
  • 蜂須賀研二(産業医科大学・リハ医学)
  • 太田令子(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 種村純(川崎医療福祉大学・感覚矯正学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高次脳機能障害者の支援体制の整備は全国一様ではないのが現状であり、医療・福祉サービスの提供・利用について全国的な均霑化を図る。本研究事業では3か年の間に、①支援拠点機関の設置推進と支援ネットワーク運用、②高次脳機能障害者の全国的な実態調査、③認知リハビリテーション技法確立と評価方法の開発、④中学生・高校生時期の就学支援、⑤就労支援体制の整備、⑥失語症患者の福祉の実態調査を実施することを目標とする。
研究方法
研究組織は研究代表者、全国を10に分割したブロックを総括する研究分担者及び一部の学識経験者から構成される。研究事業遂行にあたっては全体会議に分担研究者が参加し、討議に加わることで、全国的に統一された研究事業になるように図る。また、ブロックごとに行政機関と連携した連絡協議会を設置し、本研究事業の遂行にあてる。就労や若年者の就学に取り組む観点から、それぞれを代表する行政機関からも積極的に委員の参加を求め、分野横断的な支援協力体制を整備する。その上で目的に掲げた6つの事項について取り組む。
結果と考察
結果:支援拠点機関は平成22年3月の時点で43都道府県に60箇所設置された。各自治体で人的ネットワークの中心的存在となる支援コーディネーターは21年度末までに合計105名が配置された。全支援拠点機関における相談支援件数は、直接相談(本人または家族等による相談)20,815件、間接相談8,810件、合計29,625件だった。都道府県において支援拠点機関が主催した連絡会・協議会は全部で175回に上り、参加者数は2,686名となった。研修会・講習会は全部で148回、参加者数は11,167名となった。ケース会議実施自治体は11、勉強会・研究会実施自治体は5、家族会・交流会実施自治体は14だった。中学生・高校生時期の就学支援及び失語症患者の福祉の実態調査が開始された。考察:支援拠点機関の設置は順調に進んでいることが確認された。一方、相談件数に自治体ごとのかなり大きな開きがあり、人口に依存するのではなく、支援拠点機関の経験に依存すると考えられた。
結論
本研究に係る研究者の活動により、高次脳機能障害支援普及事業は大きく進展を見た。自治体ごとの相談件数の差は、そのままどれだけ具体的な支援サービスを提供できるかにかかっていて、自治体ごとの支援ネットワークの構築を急ぐ必要を認めた。

公開日・更新日

公開日
2010-08-31
更新日
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