エイズ予防指針に基づく対策の評価と推進のための研究

文献情報

文献番号
202319002A
報告書区分
総括
研究課題名
エイズ予防指針に基づく対策の評価と推進のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21HB1002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 四本 美保子(根岸 美保子)(東京医科大学 臨床検査医学分野)
  • 西浦 博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科 )
  • 渡部 健二(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 吉野 宗宏(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 薬剤科)
  • 大北 全俊(滋賀医科大学)
  • 江口 有一郎(医療法人ロコメディカル ロコメディカル総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
12,320,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国のエイズ対策は「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(以下、エイズ予防指針)」に沿って講じられている。本研究班の研究目的は、本年度のエイズ予防指針改正に向け、課題ごとに現エイズ予防指針に基づく各施策の検討を行い、その効果の評価、進捗状況把握と課題を抽出することである。
研究方法
次の研究を実施した(括弧内は各研究分担者)。研究1(四本)エイズ予防指針に基づく施策の評価と課題抽出に関する研究、研究2(西浦)わが国のケアカスケード推定値に関する疫学研究、研究3(大北)HIVの倫理的課題に関する研究と医療従事者等へのHIV陽性者の診療の手引きの作成、研究4(江口) SNSを活用した効果的な啓発手法における方策ごとの効果的な情報拡散に関する研究、研究5(渡部)HIV医学教育プログラムの開発と評価、研究6(吉野)薬学教育および薬剤師養成課程におけるHIV感染症専門薬剤師育成プログラムの開発と評価についての研究、研究7(白阪/山﨑)高校生へのe-learningシステムの開発と啓発手法の効果検討である。研究1では現エイズ予防指針に関わる現状を、青少年・MSM、陽性者、予防啓発、検査、臨床、倫理、行政などの各専門家の立場から意見収集を行ない、分野毎に評価、課題抽出、関連資料の収集を行い、提言を作成した。研究2では、 流行対策の策定支援基礎となる推定システム構築のために、エイズ動向委員会の疫学データを基に実施できる推定手法の改善を図った。研究3では 記述倫理的研究及び規範倫理的研究(患者医師関係に関する倫理的課題やU=U、enabler などの文献研究)を実施した。研究4では、マクロミル社によるアンケートモニターを活用し回答結果を解析した。研究5 医学部学生にスパイラル方式の教育介入研究を1 年次「医学序説」、4 年次「臨床導入実習」、6年次「臨床医学特論」で行い、授業前後でのアンケートから、HIV意識調査、理解度調査、HIV 診療に対する意識変容を調べた。研究6 3年間の研究成果から教育プログラム・教育用ツールの改訂を行った。研究7 高校の授業で活用される教材としてHIV/ エイズに特化したオンライン学習システムを開発した。
結果と考察
研究1「U=U を前文以下記載すべき」「PrEP を含む複合的予防を記すべき」「HIV/エイズ対策への取組の中でHIV 陽性者や個別施策層と係わるNGO等が主体的な役割を果たすことが重要」「感染予防を取りやすい環境整備など社会環境要因にも着目して整備することが必要」「保健所に加え診療所検査や郵送検査など多様な検査の選択肢が必要」「早期治療導入の検討」「診療拒否を減らすために地域の医療従事者・福祉従事者への研修プログラムが必要」「青少年、外国人、トランスジェンダー、受刑者も重点的な対策を要する」「国と自治体の連携会議および都道府県の枠を超えた連携や情報共有が望まれる」などの意見を収集し、エイズ予防指針改正への提言をまとめた。研究2 2022年末の未診断HIV感染者推定数は3209人(95%CI:2642、3710)、全HIV感染者のうち診断されていた者は89.3%(95%CI:87.8、91.0)、AIDS 未発症者に限れば86.2%と推定された。研究3一般医師に対するHIV診療の意識調査よりHIV診療およびHIV感染症に対する意識や態度につき回答を得、解析を実施した。年齢による積極性の違いなどへのさらなる調査や倫理的課題につき慎重な検討を医師に促す必要性などが示唆された。新概念enablerなどにつき検討した。研究4 HIV検査の認知・受検の動機付けに重要な要因などの示唆を得た。コロナ禍の影響もあり、SNSは情報ソースおよび発信により大きな存在となり、SNS によるHIV検査受検勧奨の効果の可能性を見出した。研究5 意識調査では「不治の特別な病だとは思っていない」との回答割合が学年が上がる毎に高まる傾向にあったが、「エイズが死に至る病気である」の1年次の回答率は平成30年内閣府世論調査の回答率と同等であった。本授業でHIV診療への意識変容を導いたと示唆された。研究6 アンケート調査結果に基づき改訂を実施し、HIV感染症診療で重要な服薬支援の均てん化に資することができたと考える。研究7 地域FMを活用した啓発を実施した。高校生世代対象のeラーニングサイト「HIV マナブ」を作製、公開した。
結論
本研究班の目標である今回のエイズ予防指針改定に資するために当初計画した研究計画をほぼ達成出来た。研究成果は今回のエイズ予防指針改定のための資料として提出し、審議等に資する事が出来た。最終年度である本年度にエイズ予防指針改定に向けた提言を作成し提出した。

公開日・更新日

公開日
2025-04-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202319002B
報告書区分
総合
研究課題名
エイズ予防指針に基づく対策の評価と推進のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21HB1002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 四本 美保子(根岸 美保子)(東京医科大学 臨床検査医学分野)
  • 西浦 博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
  • 渡部 健二(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 桑原 健(大阪医科薬科大学 薬学部 臨床薬学教育研究センター)
  • 吉野 宗宏(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 薬剤科)
  • 大北 全俊(滋賀医科大学)
  • 江口 有一郎(医療法人ロコメディカル ロコメディカル総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国のエイズ対策は「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(以下、エイズ予防指針)」に沿って講じられている。本研究班の研究目的は、エイズ予防指針改正に向け、課題ごとに現エイズ予防指針に基づく各施策の検討を行い、その効果の評価、進捗状況把握と課題を抽出することである。
研究方法
次の研究を実施した(括弧内は各研究分担者)。研究1「エイズ予防指針に基づく施策の評価と課題抽出に関する研究(四本)」では、現エイズ予防指針に関わる現状を、青少年・MSM、陽性者、予防啓発、検査、臨床、倫理、行政などの各専門家の立場から意見収集を行ない、分野毎に評価、課題抽出、関連資料の収集を行い、提言を作成した。研究2「わが国のケアカスケード推定値に関する疫学研究(西浦)」では、流行対策の策定支援基礎となる推定システム構築のために、エイズ動向委員会の疫学データを基に実施できる推定手法の改善を図った。研究3「HIVの倫理的課題に関する研究と医療従事者等へのHIV陽性者の診療の手引きの作成(大北)」では、記述倫理的研究及び規範倫理的研究(患者医師関係に関する倫理的課題やU=U、enablerなどの文献研究)を実施した。研究4「SNSを活用した効果的な啓発手法における方策ごとの効果的な情報拡散に関する研究(江口)」では、マクロミル社によるアンケートモニターを活用し回答結果を解析した。、研究5「HIV医学教育プログラムの開発と評価(渡部)」では、医学部学生にスパイラル方式の教育介入研究を1年次「医学序説」、4年次「臨床導入実習」、6年次「臨床医学特論」で行い、授業前後でのアンケートから、HIV意識調査、理解度調査、HIV 診療に対する意識変容を調べた。研究6「薬学教育および薬剤師養成課程におけるHIV感染症専門薬剤師育成プログラムの開発と評価についての研究(桒原/吉野)」では、教育プログラム・教育用ツールを検討した。研究7「高校生へのe-learningシステムの開発と啓発手法の効果検討(白阪/山﨑)」では、高校の授業で活用される教材としてHIV/エイズに特化したオンライン学習システムを開発した。研究8「HIV感染血友病患者の救急対応の課題解決のための研究(日笠:令和3年度のみ)」では、HIV感染血友病のための「緊急時患者カード」を作成し、効率的な患者への配布方法、有効活用法につき検討した。
結果と考察
研究1現エイズ予防指針について分野別に各専門家も含めて評価、検討を行い、課題を抽出し、今回の予防指針改定に資する資料を作成し、提言をまとめた。研究2 2022年末までの未診断HIV感染者数と診断率を推定した。新型コロナウイルス感染症の流行下では保健所業務が逼迫し診断率が低下したが、日本の新規感染者数の減少傾向は継続していると考えられた。研究3一般医師に対するHIV診療の意識調査では調査項目等を検討し調査を実施、結果の解析を行った。enabler概念など人権課題に関する検討より、ポリシーとしては行動変容のための環境要因への対策を基本とし、国際的ポリシーを参照に国内の主な課題析出と指標化(少なくとも継続的モニタリング)の必要性が示唆された。研究4 HIV検査の認知・受検の動機付けに重要な要因などの示唆を得た。コロナ禍の影響もあり、SNSは情報ソースおよび発信により大きな存在となり、SNSによるHIV検査受検勧奨の効果の可能性を見出した。非認知層、認知未受検層、認知非定期受検層、それぞれへ有効かつ効率的方法が有用と考えられた。研究5 意識調査では「不治の特別な病だとは思っていない」との回答割合が学年が上がる毎に高まる傾向にあったが、「エイズが死に至る病気である」の1年次の回答率は平成30 年内閣府世論調査の回答率と同等であった。本授業でHIV 診療への意識変容を導いたと示唆された。研究6 アンケート調査結果に基づき改訂を実施し、HIV 感染症診療で重要な服薬支援の均てん化に資することができたと考える。研究7 地域FMを活用した啓発を実施した。高校生世代対象のeラーニングサイト「HIVマナブ」を作製、公開した。これまで作成・公開したYouTube 啓発動画が中学・高校の授業で視聴されるなど需要が確認された。インターネット配信による啓発・教育動画の更新、バリエーション化が必要であると考えた。研究8 緊急時患者カードの作成し凝固因子製剤メーカーを通じて、凝固異常症患者が通院する全国の医療機関に配布した。
結論
本研究班の目標である今回のエイズ予防指針改定に資するために当初計画した研究計画をほぼ達成出来た。研究成果は今回のエイズ予防指針改定のための資料として提出し、審議等に資する事が出来た。最終年度にエイズ予防指針改定に向けた提言を作成し提出した。

公開日・更新日

公開日
2025-04-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202319002C

収支報告書

文献番号
202319002Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,440,000円
(2)補助金確定額
15,440,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,493,340円
人件費・謝金 899,397円
旅費 536,186円
その他 7,392,951円
間接経費 3,120,000円
合計 15,441,874円

備考

備考
自己資金1,874円

公開日・更新日

公開日
2025-04-08
更新日
-