文献情報
文献番号
202317018A
報告書区分
総括
研究課題名
サービス等利用計画の策定過程における相談支援専門員の思考や判断等の可視化及びアセスメント項目等の標準化のための研究
課題番号
22GC1016
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
石山 麗子(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 小澤 温(筑波大学 人間系)
- 相馬 大祐(長野大学 社会福祉学部)
- 鈴木 善雄(国際医療福祉大学 大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,557,000円
研究者交替、所属機関変更
・鈴木孝典氏(大正大学・教授)は、研究分担から研究協力者へ(2023年6月)移行した。
研究報告書(概要版)
研究目的
相談支援専門員のサービス等利用計画の策定過程における思考過程可視化、考慮すべき要素を盛り込んだアセスメント等の様式を研究期間3年間で作成するために、2年目に該当する令和5年度は研究A.C.Dを行った。
研究方法
[研究A] フォーカスグループインタビュー(以下、FGI)を初任者(12人)と熟達者(11人)それぞれのグループに行い、逐語録から考慮すべき要素をカテゴリーとして抽出し、年度別・グループ別に比較した。
[研究C]サービス等利用計画の策定に係る様式の活用実態及び課題の把握を目的に計画相談支援に従事する主任相談支援専門員9人を対象にFGI調査を実施した。
[研究D]計画相談支援の支援過程を可視化し、相談支援専門員の思考と判断の枠組みを考察することを目的に3名の主任相談支援専門員面談時の参与観察及び2組の相談支援専門員と障害当事者のライフストーリー法を用いたインタビュー調査を実施した。
[研究C]サービス等利用計画の策定に係る様式の活用実態及び課題の把握を目的に計画相談支援に従事する主任相談支援専門員9人を対象にFGI調査を実施した。
[研究D]計画相談支援の支援過程を可視化し、相談支援専門員の思考と判断の枠組みを考察することを目的に3名の主任相談支援専門員面談時の参与観察及び2組の相談支援専門員と障害当事者のライフストーリー法を用いたインタビュー調査を実施した。
結果と考察
[研究A]熟達するにつれ、初回面談の思考は【利用者との関係性の構築】、【利用者に関する情報収集】に集約され、面談を展開する判断根拠は複数用い、初回面談でのゴール設定は【見通しをたてる】、【本当のニーズを見つけだす】思考となり、計画相談支援の思考範囲は利用者のサービス終了後の生活にも広がっていた。
[研究C] 市町村や障害保健福祉圏域において統一様式を用いることの利点と課題、On the Job Trainingやスーパービジョンで様式活用することの有用性、様式活用の前提となるアセスメントの視点と展開について実践的な観点から捉えた。
[研究D]相談支援専門員はエンパワメント、アドボカシーの視点に基づき、障害当事者の思い・希望の確認を本人の使用する言葉等を使い、本人に分かりやすい形で行っていることが明らかになった。研究AのFGIの熟達者の結果と類似し、研究Aの結果の妥当性を支持した。
[研究C] 市町村や障害保健福祉圏域において統一様式を用いることの利点と課題、On the Job Trainingやスーパービジョンで様式活用することの有用性、様式活用の前提となるアセスメントの視点と展開について実践的な観点から捉えた。
[研究D]相談支援専門員はエンパワメント、アドボカシーの視点に基づき、障害当事者の思い・希望の確認を本人の使用する言葉等を使い、本人に分かりやすい形で行っていることが明らかになった。研究AのFGIの熟達者の結果と類似し、研究Aの結果の妥当性を支持した。
結論
サービス等利用計画の策定過程における相談支援専門員の思考や判断等は、熟達するにつれてサービス等利用計画の作成にとどまらず、その利用者の生活やサービス終了後までを捉えていた。相談支援専門員の面談は、エンパワメント、アドボカシーの視点に基づいて本人を中心としたわかりやすい配慮に基づき行われており、研究Dは研究Aの結果の妥当性を支持した。サービス等利用計画作成におけるアセスメント様式(案)を作成した。今後の研究において当該様式の妥当性を検証する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2024-05-31
更新日
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