臓器移植の社会的基盤に関する研究

文献情報

文献番号
200934036A
報告書区分
総括
研究課題名
臓器移植の社会的基盤に関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-024
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院 角膜センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大島 伸一(国立長寿医療センター)
  • 藤堂 省(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科・一般外科分野)
  • 浅井 康文(札幌医科大学医学部 救急集中治療医学講座 高度救命救急センター)
  • 高橋 公太(新潟大学大学院 腎泌尿器病態学)
  • 星長 清隆(藤田保健衛生大学 泌尿器科)
  • 高原 史郎(大阪大学大学院医学系研究科 先端移植基盤医療学)
  • 横田 裕行(日本医科大学院 侵襲生体管理学)
  • 藤田 民夫(名古屋記念病院 泌尿器科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部 社会医学講座・医療政策)
  • 北村 惣一郎(国立循環器病センター)
  • 山口 芳裕(杏林大学 救急医学 臓器・組織移植センター)
  • 田中 秀治(国士舘大学 体育学部スポーツ医科学科救急医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
34,971,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臓器提供者の増加を図り、腎提供に関しては3年間で倍増(過去5年平均88例/年)以上とすることを目的とする。
スペインTPMをモデルとした日本版臓器移植推進のための教育体制に関して、移植Co、並びに医療従事者に対する教育体制の検討、実施、評価を行う。
組織移植に関しては、全ての認定施設において、国際コード化しトレーサビリティーを可能にし、組織移植の安全性確保を実施する。
研究方法
【臓器移植】対象医療機関を46医療機関に増加させ、昨年と同様の手法で問題点の解析をした。TPM研修への派遣を継続、TPMの教本を用いた教育効果を検討した。また、諸外国の臓器提供に関する調査をし、今後わが国における普及啓発活動や意思登録システムの在り方、意思確認のためのコーディネーターの実務を円滑に実施するための方策を検討した。
【組織移植】安全性確保の教育ツールの開発を実施。コーディングの運用に基づき、医療機関でのトレーサビリティーを確保するための手段を検討、その他の組織・細胞についても同様のコーディングシステムで運用可能かを検討した。
結果と考察
【臓器移植】DAP実施の医療機関では、全体のポテンシャルドナーのうち、ドナー候補から外れる数と状況を解析していくことが必要である。
また、医療従事者と移植Coのコミュニケーションの質を向上させるためのセミナーや、救急医を対象としたドナーディテクション、ドナー管理などのセミナーを開催したが、さらに今後は、わが国の救急医や医療体制に適した形の日本版TPMを実施していく必要がある。 
【組織移植】既存システムを様々な角度から検証し、トレーサビリティーにおける移植医療一元管理システムを導入する際の、基本的骨子を検証。一元管理では、Webを使用したシステム構築が可能だが、セキュリティの確保が重要となり、プログラムの流出を防ぐための検証システムが必要である。
結論
【臓器移植】臓器提供の増加につながるスペインモデルを救急セミナー、地域、院内モデルなどで実施しており、今後さらにその分析をすると同時に、日本の医療文化に適した形態で標準化できるか検証が重要である。
【組織移植】ISBT128を日本の移植医療に適応させることにより、国際間の整合性の保持、安全性の確保、移植医療の質の確保がされる。また、一元化された質の良い管理システムの下で遂行される必要があり、今後も運用者の妥当性も含めて検討することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-10-19
更新日
-