腎臓移植の成績向上をめざした臨床データ解析を目的とした症例登録と追跡制度の確立並びにドナー及びレシピエントの安全性確保とQOL向上に関する研究

文献情報

文献番号
200934033A
報告書区分
総括
研究課題名
腎臓移植の成績向上をめざした臨床データ解析を目的とした症例登録と追跡制度の確立並びにドナー及びレシピエントの安全性確保とQOL向上に関する研究
課題番号
H20-一般・免疫-021
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高原 史郎(大阪大学大学院 医学系研究科 先端移植基盤医療学)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 律朗(名古屋大学 医学部 造血細胞移植情報管理・生物統計学)
  • 高橋 公太(新潟大学大学院医歯学総合研究科 医学部 腎泌尿器病態学分野)
  • 剣持 敬(国立病院機構千葉東病院 臨床研究センター)
  • 湯沢 賢治(国立病院機構水戸医療センター 臨床研究部  移植医療研究室 )
  • 杉谷 篤(藤田保健衛生大学 大学医学部 臓器移植再生医学 )
  • 北田 秀久(九州大学大学院 腎疾患治療部)
  • 篠崎 尚史(東京歯科大学市川病院総合病院角膜センター )
  • 渡井 至彦(名古屋第二日赤病院 第二移植外科)
  • 八木澤 隆(自治医科大学腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門 )
  • 三重野 牧子(自治医科大学情報センター 医学情報学)
  • 木内 哲也(名古屋大学大学院医学系研究科 移植外科学)
  • 梅下 浩司(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 看護実践開発科学 )
  • 市丸 直嗣(大阪中央病院 泌尿器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臓器移植医療の発展のため、腎移植と肝移植について、全症例のドナー及びレシピエントの登録・追跡制度を確立する。この登録・追跡された臨床データを解析することにより、臓器移植の成績向上並びにドナー及びレシピエントの安全性を確保することとQOLを向上させることを目的とする。
研究方法
腎移植と肝移植について、全症例のドナー及びレシピエントの登録・追跡制度を確立するために、まず、2008年5月に発表された「イスタンブール宣言」を受けて、1)国際的な臓器移植登録の動きを調査する。我が国の2)従来の移植登録制度(造血幹細胞移植、全臓器移植、腎移植、肝移植)を再検討、3)2008年の移植登録(腎移植、肝移植)の現状を調べ、日本の臓器移植登録の進むべき道筋を明らかにする。これまでの臓器移植登録と、本研究の成果として多くのデータが集積してきたため、4)登録データの管理および使用について検討し、管理規定と使用に関する細則を定める。本研究の最大の目的である、5)本研究による新たな登録制度の構築として、昨年度、構築された電子媒体(USBメモリー)を用いた腎移植登録システムの更新をする。また、新たにWebを用いた肝移植登録システムを構築する。
結果と考察
本研究により、わが国の腎移植、肝移植全症例の詳細な臨床データの登録・追跡制度を確立することが可能になった。USBメモリーを使った登録システムを構築することにより、詳細なデータを収集することができ、詳細なデータ解析が可能となった。また、各施設で登録した患者データがUSBメモリーに保存され、各施設で自施設の症例をレビューし、統計解析することが可能となった。全国レベルでの解析のみならず、各施設の症例の解析により、腎臓移植全体の成績向上がはかれることになった。Webでの登録システムを構築することも視野に入れ検討を開始した。
結論
腎移植と肝移植について、全症例のドナー及びレシピエントの登録・追跡制度を確立するために、国際的な臓器移植登録の動きを調査した。次いで、我が国の従来の移植登録制度(造血幹細胞移植、全臓器移植、腎移植、肝移植)を見直した。これら調査研究により、新たな登録制度を検討した。これまでの臓器移植登録と、本研究の成果として、多くのデータが集積してきたため、登録データの管理および使用について検討し、管理規定と使用に関する細則を定めた。
腎移植登録では、前年度構築し、運用された電子媒体による登録・追跡システムを更新した。また、肝移植登録では、Webでの登録・追跡システムを構築し、試験運用した。最後に、残された課題を検討し、次年度以降の本研究に引き継いだ。

公開日・更新日

公開日
2010-10-19
更新日
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