文献情報
文献番号
202309005A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の健康課題、特にやせ、飲酒等の課題の解決に向けた方策及び、新たな女性の健康課題の指標・目標の策定を推進するための研究
課題番号
23FB1003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
甲賀 かをり(千葉大学 大学院医学研究院・産婦人科学)
研究分担者(所属機関)
- 大須賀 穣(国立大学法人 東京大学 医学部附属病院)
- 平池 修(和田 修)(東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科)
- 森崎 菜穂(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 石塚 一枝(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 瀧本 秀美(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所)
- 池原 賢代(国立大学法人 大阪大学 大学院医学系研究科)
- 中里 道子(学校法人国際医療福祉大学 医学部精神医学)
- 小林 しのぶ(国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
- 小川 真里子(福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター)
- 浦田 陽子(国立成育医療研究センター 不妊診療科)
- 石川 博士(千葉大学 大学院医学研究院産婦人科学)
- 谷口 文紀(鳥取大学医学部 産科婦人科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
11,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、女性のやせおよび飲酒、月経関連疾患についてそれぞれエビデンスを構築すること目的としている。
研究方法
①日本人女性における妊娠前体重・BMIが周産期の転帰に及ぼす影響に関するシステマティックレビュー&メタ解析
対象を日本人の単胎妊娠の女性、曝露を妊娠前BMIがやせ、メインアウトカムを低出生体重児、SGA、早産児と設定し、妊娠前の体重が周産期の転帰に及ぼす影響について、システマティックレビュー・メタ解析の手法を用いて検討することとした。6つのデータベースを用い、網羅的に文献検索を実施した。
②日本人女性における、BMIが無月経リスクに与える影響、および、 女性の飲酒に関係する要因についての疫学研究
BMIおよび月経ログが含まれている既存調査データの取得、および分析の開始を行った。
また、女性の飲酒量および飲酒頻度、および社会的背景を調査しているあるいは追加で調査することができる日本人女性の大規模コホートに関する情報を収集し、整理した。
③女性の若年時の体格と骨折リスクおよびやせの要因に係る疫学研究
既存コホートを使用して20歳時の体格による、生涯にわたる骨折リスクへの影響の定量的な分析を行う研究計画の立案を行った。
また、孤独・SNSの使用状況を含む社会的状況がやせに関連する問題に与える影響についての定量的な分析を行うため、十代の児童に対して、孤独・SNSの使用状況や体格に関する調査を実施した。
④女性におけるやせのリスクに対する教育の実態に関する研究
①日本国内で使用されている中学校および高等学校の保健体育の教科書を調査し、やせと健康リスクに関する記載を確認した。②やせに関する教育について、国内外の文献レビューを行い、国内での試みや、国外での教育の状況について調査した。
⑤子宮内膜症の症状発症から診断までの期間に関する文献レビュー(症状出現から子宮内膜症と診断されるまでの時間について、PubMedを用いてハンド・リサーチで網羅的に文献を検索した。
⑥日本人女性の月経困難症・月経前症候群の罹患率と受診率と情報源に関するアンケート調査マクロミル社を利用して、一般女性を対象とした月経に関するWebアンケート調査を行った。
対象を日本人の単胎妊娠の女性、曝露を妊娠前BMIがやせ、メインアウトカムを低出生体重児、SGA、早産児と設定し、妊娠前の体重が周産期の転帰に及ぼす影響について、システマティックレビュー・メタ解析の手法を用いて検討することとした。6つのデータベースを用い、網羅的に文献検索を実施した。
②日本人女性における、BMIが無月経リスクに与える影響、および、 女性の飲酒に関係する要因についての疫学研究
BMIおよび月経ログが含まれている既存調査データの取得、および分析の開始を行った。
また、女性の飲酒量および飲酒頻度、および社会的背景を調査しているあるいは追加で調査することができる日本人女性の大規模コホートに関する情報を収集し、整理した。
③女性の若年時の体格と骨折リスクおよびやせの要因に係る疫学研究
既存コホートを使用して20歳時の体格による、生涯にわたる骨折リスクへの影響の定量的な分析を行う研究計画の立案を行った。
また、孤独・SNSの使用状況を含む社会的状況がやせに関連する問題に与える影響についての定量的な分析を行うため、十代の児童に対して、孤独・SNSの使用状況や体格に関する調査を実施した。
④女性におけるやせのリスクに対する教育の実態に関する研究
①日本国内で使用されている中学校および高等学校の保健体育の教科書を調査し、やせと健康リスクに関する記載を確認した。②やせに関する教育について、国内外の文献レビューを行い、国内での試みや、国外での教育の状況について調査した。
⑤子宮内膜症の症状発症から診断までの期間に関する文献レビュー(症状出現から子宮内膜症と診断されるまでの時間について、PubMedを用いてハンド・リサーチで網羅的に文献を検索した。
⑥日本人女性の月経困難症・月経前症候群の罹患率と受診率と情報源に関するアンケート調査マクロミル社を利用して、一般女性を対象とした月経に関するWebアンケート調査を行った。
結果と考察
①日本人女性における妊娠前体重・BMIが周産期の転帰に及ぼす影響に関するシステマティックレビュー&メタ解析
文献検索の結果、3960件がスクリーニング対象文献となった。
②日本人女性における、BMIが無月経リスクに与える影響、および、 女性の飲酒に関係する要因についての疫学研究
BMIおよび月経ログが含まれている既存調査データの取得、および分析の開始を行った。
また、女性の飲酒量および飲酒頻度、および社会的背景を調査しているあるいは追加で調査することができる日本人女性の大規模コホートに関する情報を収集し、整理した。
③女性の若年時の体格と骨折リスクおよびやせの要因に係る疫学研究
JPHC-NEXTコホートのデータを用いた、20歳時の体格による、生涯にわたる骨折リスクへの影響の定量的な分析を行う研究計画の立案を行った。
また、孤独・SNSの使用状況を含む社会的状況がやせに関連する問題に与える影響についての定量的な分析を行うため、十代の児童に対して、孤独・SNSの使用状況や体格に関する研究を実施し、こども1,928名、保護者1,991名から回答を得た。
④女性におけるやせのリスクに対する教育の実態に関する研究
①保健体育教科書における記載については、適正体重についての記載はすべての教科書でなされていたが、“女性のやせ”に関する内容にはばらつきがみられた。②やせ、教育、リスクをキーワードとして文献検索を行った結果では、MEDLINEから75件、医学中央雑誌から57件が得られた。1次スクリーニングを行い、37件を検討対象とした。
⑤子宮内膜症の症状発症から診断までの期間に関する文献レビュー
重複論文を除外し29編の論文が抽出された。初発症状から診断までに要した時間は、国により様々であり、5-11年と幅があった。症状出現が若年であるほど、診断までに要する時間は長くなることが複数報告されていた。
⑥日本人女性の月経困難症・月経前症候群の罹患率と受診率と情報源に関するアンケート調査 一次調査を40,000人の女性を対象にアンケート調査を行った。そのうち月経困難症あるいは月経前緊張症があり、病院を通院してない人(n=5356)を対象に二次調査を行った。約75%の女性が何らかの月経痛を自覚していた。月経痛のある女性のうち66%は医療機関受診したことがなかった。68%の女性が月経前緊張症を自覚しており、症状のある67%が医療機関受診をしたことがなかった。
文献検索の結果、3960件がスクリーニング対象文献となった。
②日本人女性における、BMIが無月経リスクに与える影響、および、 女性の飲酒に関係する要因についての疫学研究
BMIおよび月経ログが含まれている既存調査データの取得、および分析の開始を行った。
また、女性の飲酒量および飲酒頻度、および社会的背景を調査しているあるいは追加で調査することができる日本人女性の大規模コホートに関する情報を収集し、整理した。
③女性の若年時の体格と骨折リスクおよびやせの要因に係る疫学研究
JPHC-NEXTコホートのデータを用いた、20歳時の体格による、生涯にわたる骨折リスクへの影響の定量的な分析を行う研究計画の立案を行った。
また、孤独・SNSの使用状況を含む社会的状況がやせに関連する問題に与える影響についての定量的な分析を行うため、十代の児童に対して、孤独・SNSの使用状況や体格に関する研究を実施し、こども1,928名、保護者1,991名から回答を得た。
④女性におけるやせのリスクに対する教育の実態に関する研究
①保健体育教科書における記載については、適正体重についての記載はすべての教科書でなされていたが、“女性のやせ”に関する内容にはばらつきがみられた。②やせ、教育、リスクをキーワードとして文献検索を行った結果では、MEDLINEから75件、医学中央雑誌から57件が得られた。1次スクリーニングを行い、37件を検討対象とした。
⑤子宮内膜症の症状発症から診断までの期間に関する文献レビュー
重複論文を除外し29編の論文が抽出された。初発症状から診断までに要した時間は、国により様々であり、5-11年と幅があった。症状出現が若年であるほど、診断までに要する時間は長くなることが複数報告されていた。
⑥日本人女性の月経困難症・月経前症候群の罹患率と受診率と情報源に関するアンケート調査 一次調査を40,000人の女性を対象にアンケート調査を行った。そのうち月経困難症あるいは月経前緊張症があり、病院を通院してない人(n=5356)を対象に二次調査を行った。約75%の女性が何らかの月経痛を自覚していた。月経痛のある女性のうち66%は医療機関受診したことがなかった。68%の女性が月経前緊張症を自覚しており、症状のある67%が医療機関受診をしたことがなかった。
結論
来年度も引き続き情報収集及び解析を継続し、女性のやせおよび飲酒、月経関連疾患についてそれぞれエビデンスを構築する。
公開日・更新日
公開日
2024-09-13
更新日
-