HIV感染症の疫学的研究:メタ分析とコホート研究

文献情報

文献番号
200932028A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症の疫学的研究:メタ分析とコホート研究
課題番号
H21-エイズ・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
渋谷 健司(東京大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 野内 英樹(結核予防会複十字病院)
  • 森 臨太郎(東京大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、まず第一に、国内外のHIV/AIDS予防に関する各種保健介入に対する系統的かつ詳細なメタ分析を通じ、最新のエイズ予防に関するエビデンスを提供する。第二に、コホートに基づく実証研究を行うための研究フィールドと保健情報システムの整備を行い、HIV/AIDS予防介入による検査並びに治療への促進・阻害要因を継続的に分析し、早期検査並びに継続的治療を進展させる。
研究方法
東京大学医学系研究科国際保健政策学教室に研究事務局を置く。研究代表者(渋谷)は、研究統括を行う。HIV/AIDS予防保健介入のメタ分析は森(大阪府立母子保健総合医療センター)が担当する。コホート研究等の縦断研究のためのタイ国のフィールドの整備と保健情報システムの構築には野内(複十字病院)、渋谷(東大)が行う。また、JICAの保健アドバイザーとして世界的に活躍する相賀(JICA)の協力を得る。実証的なフィールド研究を世界的な標準を決めて実施しているINDEPTHネットワークに参画し、自らのサイトを設定し研究成果を国内外に向けて発信する。
結果と考察
系統的レビューに関しては、現在までに質の高い科学的根拠として評価されたHIV・AIDS感染予防に関する予防介入を漏れなくリスト作成するため、網羅的検索を行い、詳細な検討を行った。おもに行動変容の変化により性交渉による感染を予防する介入と、母子垂直感染予防、血液接触による感染の予防法などが示された。HIV/AIDS感染予防に関して現在までされた研究の成果として、保健介入の対象、検証された研究の質、効果の有無、費用対効果比、実際に提供した際に個人の行動等に影響される幅(コンプライアンス)を示した。効果が確実に挙げられる予防戦略に集中投資せず、効果の定かでない介入を場当たり的に行っていることが、現在の世界のエイズ予防戦略の最大の問題点であろう。
コホート研究に関しては、データ・ベース整備と様々なデータベースのリンケージのプロトコール作成し、倫理的なクリアランスを中心にした。タイ国チェンライの地域レベルのデータ・ベースとして、(1)結核登録、(2)エイズ・サーベイランス個人票情報、(3)県レベル死亡統計情報、(4)国家エイズ治療計画登録情報、のアクセスを確保した。
結論
研究は計画通りに進み、疫学手法を活用したHIV/AIDS予防戦略策定の重要性や本研究班の方向性への理解と啓発が進んだ。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
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