HIVの感染防止、AIDS発症防止に関する免疫学的基礎研究

文献情報

文献番号
200932024A
報告書区分
総括
研究課題名
HIVの感染防止、AIDS発症防止に関する免疫学的基礎研究
課題番号
H21-エイズ・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 直樹(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 森 一泰(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
  • 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
  • 庄司 省三(熊本大学 医学薬学研究部)
  • 志田 壽利(北海道大学 遺伝子病制御研究所)
  • 三浦 智行(京都大学 ウイルス研究所)
  • 保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
  • 高橋 秀実(日本医科大学 微生物学免疫学教室)
  • 守屋 智草(東京大学 医科学研究所)
  • 高久 洋(千葉工業大学 工学部)
  • 玉村 啓和(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
56,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
幅広い中和能を有する抗体誘導についての研究、Immune correlatesやCTLについての問題研究、新しいベクター開発研究、自然免疫とアジュバントなどの研究を包括的に行った。
研究方法
中和抗体と抗原デザイン、ワクシニアウイルスベクター、生ワクチン、CTL、Immune correlatesにつき、一般的な方法論を駆使した。
結果と考察
1)組換えBCGでプラスミドのレプリコンに変異を導入し、HIV-1 Gagの発現レベルが約10倍上昇するとともに、組換えプラスミドが安定に保持されることがわかった。2)Senju vaccineを接種したアカゲザルで誘導された抗体により、SIVmac239の感染が阻害された。3)gp41-N36の3量体、コレセプターCXCR4のN端、細胞外ループの効率的な合成法により、マウスでの評価も行った。4)汎HIV-1株中和能を持つ液性免疫には個体差があり、汎HIV-1株中和能を持つ液性免疫誘導の方法は限定されたものではないことが示唆された。5)m8delta株と高発現プロモーターpSFJ1-10を用いた組換えワクシニア(RVV)を作成した。6)異なるサブタイプに属するSIVによるチャレンジ実験から、慢性感染制御が異なる2群のアカゲザルの存在を明らかにし、IL-15に対する反応性を持つ免疫細胞のレベルに違いを見いだした。7)腸管親和性があり、CCR5指向性のあるSHIVを新規に作製し、アカゲザルに順化させることに成功した。8)CTL誘導型エイズワクチンのサルへの経鼻投与により、センダイウイルスベクターの接種法による粘膜免疫誘導の可能性が示唆された。9)構築したSHIV-Ag85Bは、ヒトリンパ球系細胞株において、Gag、EnvおよびAg85Bの発現が確認された。10)粘膜組織内でDC-NKT細胞を主体としたCD1分子に拘束された自然免疫システムが、HIV-1の長期的な保護、ならびに感染拡大に強く関与することが判明した。11)HIV-1 Gag発現バキュロウイルスはヒト樹状細胞を活性化させ、HIV-1の抑制効果が認められた。
結論
得られた結果はいずれも重要な新知見であり、今後のHIV-1ワクチン開発研究に貢献するところ大と考える。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-02-16
更新日
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