国や都道府県が循環器病対策に関する計画を策定する際に利用可能な指標の設定、及び新型コロナウイルス感染症による循環器病への影響の評価のための研究

文献情報

文献番号
202308022A
報告書区分
総括
研究課題名
国や都道府県が循環器病対策に関する計画を策定する際に利用可能な指標の設定、及び新型コロナウイルス感染症による循環器病への影響の評価のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1018
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 佳築(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 坂田 泰史(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 権 泰史(国立大学法人大阪大学 医学部附属病院)
  • 宮本 恵宏(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター オープンイノベーションセンター)
  • 岩永 善高(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
  • 中井 陸運(宮崎大学 臨床研究支援センター)
  • 金岡 幸嗣朗(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
  • 古賀 政利(国立循環器病研究センター 脳血管内科)
  • 中川 一郎(奈良県立医科大学 脳神経外科)
  • 山田 修一(奈良県立医科大学 医学部 脳神経外科)
  • 今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 西岡 祐一(奈良県立医科大学 公衆衛生学講座)
  • 野出 孝一(国立大学法人佐賀大学 医学部)
  • 水野 篤(学校法人聖路加国際大学 聖路加国際病院)
  • 米岡 大輔(ヨネオカ ダイスケ)(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 木田 圭亮(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 杉本 匡史(三重大学 医学系研究科)
  • 松本 知沙(学校法人東京医科大学 医学部)
  • 金子 英弘(国立大学法人東京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
8,307,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2020年10月に循環器病対策推進基本計画(基本計画)が閣議決定され、今後、国や都道府県が循環器病対策に関する計画を策定する際に、全国で容易に集計・解析が可能な指標が求められている。本研究では、先行研究で明らかとなった科学的根拠に基づいた循環器病の医療体制構築に関する指標や新型コロナウイルス感染症による影響に関する指標について、NDB等の国が保有するデータから設定することを目的としている。
研究方法
回復期や維持期に関する指標、医療の質に関する指標、再発等の観点からの指標として、介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケア、療養・就労両立支援件数、再発・再入院に関する指標について定義を設定し、2020年度~2021年度の都道府県ごとの指標を算出した。また、新型コロナウイルスの感染者数と指標の変化について、検証を行った。
結果と考察
介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケアについては、都道府県間でのばらつきも認められ、医療体制構築に関する指標として活用できるものと考えられた。療養・就労両立支援件数については、現時点での循環器病での件数は非常に低く、この点は考慮に入れる必要があると考えられた。再発・再入院に関する指標としては、脳卒中、急性心筋梗塞、心不全の1年以内の再発率を算出したが、既報における報告の値とは差異があり、NDBにおける疾患罹患の定義が困難という問題が影響しているものと考えられた。新型コロナウイルス関連指標については、入院中の手技・処置に関する指標に比べ、外来リハビリテーションのような、外来での処置は、件数が大きく落ち込み、件数の回復の程度も弱く、外来リハビリテーションのような外来診療は入院診療に比し、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けていると考えられた。
結論
回復期や維持期に関する指標、医療の質に関する指標、再発等の観点からの指標として、介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケア、療養・就労両立支援件数、再発・再入院に関する指標について、これらの指標については、都道府県間でのばらつきも認められ、医療体制構築に関する指標として活用できるものと考えられたが、療養・就労両立支援件数については、現時点での循環器病での件数は非常に低いことを考慮に入れる必要があり、再発・再入院に関する指標については、NDB上での疾患罹患の特定が困難という問題から、NDB以外の、疾病罹患の特定の正確性が高い、別のデータを用いることも、考慮に入れる必要があると考えられた。
新型コロナウイルス関連指標については、入院中の手技・処置に関する指標に比べ、外来リハビリテーションのような外来での処置の方が新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けていることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202308022B
報告書区分
総合
研究課題名
国や都道府県が循環器病対策に関する計画を策定する際に利用可能な指標の設定、及び新型コロナウイルス感染症による循環器病への影響の評価のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1018
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 佳築(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 坂田 泰史(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 権 泰史(国立大学法人大阪大学 医学部附属病院)
  • 宮本 恵宏(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター オープンイノベーションセンター)
  • 岩永 善高(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
  • 中井 陸運(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
  • 金岡 幸嗣朗(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
  • 古賀 政利(国立循環器病研究センター 脳血管内科)
  • 中瀬 裕之(奈良県立医科大学 脳神経外科)
  • 中川 一郎(奈良県立医科大学 脳神経外科)
  • 山田 修一(奈良県立医科大学 医学部 脳神経外科)
  • 今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 明神 大也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 野出 孝一(国立大学法人佐賀大学 医学部)
  • 水野 篤(学校法人聖路加国際大学 聖路加国際病院)
  • 米岡 大輔(ヨネオカ ダイスケ)(国立感染症研究所 感染症疫学センター)
  • 木田 圭亮(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 杉本 匡史(三重大学 医学系研究科)
  • 松本 知沙(学校法人東京医科大学 医学部)
  • 金子 英弘(国立大学法人東京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2020年10月に循環器病対策推進基本計画(基本計画)が閣議決定され、今後、国や都道府県が循環器病対策に関する計画を策定する際に、全国で容易に集計・解析が可能な指標が求められている。本研究では、先行研究で明らかとなった科学的根拠に基づいた循環器病の医療体制構築に関する指標や新型コロナウイルス感染症による影響に関する指標について、NDB等の国が保有するデータから設定することを目的としている。
研究方法
先行研究を踏まえ、回復期や維持期に関する指標、医療の質に関する指標、再発等の観点からの指標として、介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケア、療養・就労両立支援件数、再発・再入院に関する指標について定義を設定し、2020年度~2021年度の都道府県ごとの指標を算出した。新型コロナウイルスに関連する指標については、新型コロナウイルスの感染者数と指標の変化について、検証を行った。
結果と考察
介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケアについては、都道府県間でのばらつきも認められ、医療体制構築に関する指標として活用できるものと考えられた。療養・就労両立支援件数については、現時点での循環器病での件数は非常に低く、利用の際にはこの点に留意が必要と考えられた。再発・再入院に関する指標としては、脳卒中、急性心筋梗塞、心不全の1年以内の再発率を算出したが、既報における報告の値とは差異があり、NDBにおける疾患罹患の定義が困難という問題が影響しているものと考えられ、再発・再入院に関する指標については、NDBでの定義が困難であることが示唆された。NDB個票レベルの解析では、心不全患者に対するリハビリテーション、β遮断薬・ACE阻害剤/ARB、SGLT2阻害薬の処方と心不全死亡・再入院の低下との関連が認められた。新型コロナウイルス関連指標については、入院中の手技・処置に関する指標に比べ、外来リハビリテーションのような、外来での処置は、件数が大きく落ち込み、件数の回復の程度も弱く、外来診療は入院診療に比し、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けていることが示唆された。外来リハビリテーションのような外来における治療介入は、循環器病患者の予後やADLの改善につながるものと考えられるが、新型コロナウイルスによる外来診療への影響が、長期的な観点での予後やADLに影響が生じないかについては、留意が必要であると考えられた。
結論
回復期や維持期に関する指標、医療の質に関する指標、再発等の観点からの指標として、介護連携指導料算定件数、摂食機能療法件数、緩和ケア、療養・就労両立支援件数、再発・再入院に関する指標については、都道府県間でのばらつきも認められ、医療体制構築に関する指標として活用できるものと考えられたが、療養・就労両立支援件数については、現時点での循環器病での件数は非常に低いことを考慮に入れる必要があり、再発・再入院に関する指標については、NDB上での疾患罹患の特定が困難という問題から、NDB以外の、疾病罹患の特定の正確性が高い、別のデータを用いることも、考慮に入れる必要があると考えられた。新型コロナウイルス関連指標については、入院中の手技・処置に関する指標に比べ、外来リハビリテーションのような、外来での処置は、入院診療に比し、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けていることが示唆され、新型コロナウイルスによる外来診療への影響が、長期的な観点での予後やADLに影響が生じないかについては、留意が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202308022C

収支報告書

文献番号
202308022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,799,000円
(2)補助金確定額
9,561,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,238,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,754,992円
人件費・謝金 740,543円
旅費 8,050円
その他 4,566,233円
間接経費 2,492,000円
合計 9,561,818円

備考

備考
自己資金:818円

公開日・更新日

公開日
2025-01-16
更新日
-