地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究

文献情報

文献番号
202308017A
報告書区分
総括
研究課題名
地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究
課題番号
22FA1013
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
津下 一代(丹羽 一代)(女子栄養大学 栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 渡井 いずみ(浜松医科大学 医学部看護学科)
  • 都筑 千景(大阪府立大学 看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
働き盛り世代の健康づくり・生活習慣病予防を効果的に実施するため、地域・職域連携の推進が求められている。本研究は地域・職域連携推進ガイドライン(令和元年)を踏まえ、地域・職域連携の推進に資する情報を分析、効果的な実施方法を自治体等に提案することを目的とする。具体的には、①地域・職域連携推進協議会(以下、協議会)や地域・職域連携推進事業(以下、連携事業)の現状・課題・対策を評価し、PDCAサイクルを意識した効果的な保健事業のあり方を検討する。②連携事業における健康課題分析やICT活用の状況について調査し、より有効な手段を提案する。③これまでの研究成果と健康日本21(第三次)を踏まえ、地域・職域連携の在り方を再考し、先行研究班が作成した手引き「地域・職域連携推進事業の進め方」(以下、手引き)を改定する。
研究方法
1)全国の地域・職域連携推進担当者(都道府県、二次医療圏、保健所設置市)および全国健康保険協会(協会けんぽ)支部担当者に対して、地域・職域連携協議会や連携事業の現状と課題、ICT活用状況等に関するアンケート調査を行った。
2)全国の自治体・協会けんぽの担当者向けのワークショップを開催し、グループワークにて課題や工夫点を検討した。好事例を把握し、ヒアリング調査を実施した。
3)NDBオープンデータ(二次医療圏単位)等を活用して健康課題の見える化を行い、結果を公表した。
4)社会情勢の変化や健康日本21(第三次)の目標に対する地域・職域連携の関連を整理し、研究成果を踏まえて手引きを改定した。
結果と考察
協議会の効果的な運営:保健所設置市において地域・職域連携を政策に位置づけている自治体では、働き盛り世代の健康課題について明らかにしており、業務の優先度が有意に高かった。
連携事業については、おおよそ半数の自治体の健康増進事業において、オンラインセミナー、健康関連アプリ、メルマガ配信、ホームページ、オンライン会議が活用されていた。活用を勧めるため「ICT活用のためのチェックリスト」を作成した。
中小規模事業場支援については、協会けんぽと自治体との連携(共同実施)として、自治体の顕彰制度への協力(85%)、商工会議所等との連携(68%)、自治体の企業登録システムへの協力(66%)等があった。
健康課題の可視化が連携につながることから、全ての都道府県・二次医療圏別に、第8回NDBオープンデータを用いて特定健診の検査値と標準的な質問票に関する46項目の標準化該当比を算出し、また人口動態統計を用いて18死因別の標準化死亡比の経年推移を分析し、図で可視化した。
以上を踏まえ、手引き「健康日本21(第三次)を踏まえて~地域・職域連携推進事業の新たなる展開」を作成した。
結論
自治体に対するアンケート調査、ワークショップ、ヒアリング等を通じて、地域・職域連携推進担当者がかかえる課題を分析、好事例を収集した。協議会の在り方、ICT活用、健康課題分析のためのNDBオープンデータの解析について研究を進めた。研究成果をまとめ、自治体向けの手引きを改定した。
健康日本21(第三次)の目標達成のためにも地域・職域連携は重要な取組であることの認識を拡大することが重要である。全医療圏において協議会や連携事業を実施することを位置付けた都道府県もあり、今後の更なる推進が必要である。

公開日・更新日

公開日
2024-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202308017B
報告書区分
総合
研究課題名
地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究
課題番号
22FA1013
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
津下 一代(丹羽 一代)(女子栄養大学 栄養学部)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 渡井 いずみ(浜松医科大学 医学部看護学科)
  • 都筑 千景(大阪府立大学 看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、地域・職域連携推進ガイドライン(令和元年)を踏まえ、地域・職域連携推進協議会(以下、協議会)や地域・職域連携推進事業(以下、連携事業)の課題、効果的な事業の要因を分析し、PDCAサイクルを回して効果的かつ効率的に連携して事業展開するための方策を提案することを目的とする。
研究方法
全国の地域・職域連携推進担当者(都道府県、二次医療圏、保健所設置市)に対して、地域・職域連携協議会や連携事業の現状と課題、ICT活用状況等に関するアンケート調査を毎年度実施した。令和5年度は全国健康保険協会支部担当者への調査も実施した。
全国の担当者向けのワークショップを開催、グループワークにて課題や工夫点を抽出するとともに、好事例を把握しその要因を分析した。
地域における健康課題の見える化のため、NDBオープンデータ(二次医療圏単位)等を活用した分析結果を公表した。
社会情勢の変化や健康日本21(第三次)の目標に対する地域・職域連携の関連を整理し、研究成果を踏まえて、研究班作成の手引きを改定した。
結果と考察
協議会運営:地域・職域連携事業が活性化している要因として、政策への位置づけ、健康課題の分析・共有、協議会参加団体同士の情報共有、職域のニーズに合う情報の発信、ICTの活用などが行われていた。
ICT活用:ICT活用推進には、自治体内のICT推進支援部署の存在、ICT活用の難しい事業所や労働者にも配慮した事業計画、計画的な予算確保、評価指標の開発等の必要性が示唆された。活用の実態や課題を踏まえ、「ICT活用のためのチェックリスト」を作成した。
中小規模事業場支援:協会けんぽと自治体との連携(共同実施)としては、情報交換(98%)、自治体の顕彰制度への協力(85%)、商工会議所等との連携(68%)、自治体の企業登録システムへの協力(66%)等が多かった。
健康課題可視化:全ての都道府県・二次医療圏別に、毎年度NDBオープンデータを用いて特定健診の検査値と標準的な質問票に関する46項目の標準化該当比を算出した。また人口動態統計を用いて18死因別の標準化死亡比の経年推移を分析し、図で可視化した。
結論
健康日本21(第三次)の目標達成に向けて地域・職域連携の重要性を再認識し、運営の見直しを行う必要がある。
チェックリストの活用、既存の健康課題分析データの活用、ICTの活用等により、効率化と取組の質の向上、着実な連携事業の継続につなげることが可能であり、自治体への普及を図ることが重要である。

公開日・更新日

公開日
2024-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-08-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202308017C

収支報告書

文献番号
202308017Z