男性同性間のHIV感染対策とその介入効果に関する研究

文献情報

文献番号
200932015A
報告書区分
総括
研究課題名
男性同性間のHIV感染対策とその介入効果に関する研究
課題番号
H20-エイズ・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
市川 誠一(公立大学法人名古屋市立大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 俊広(独立行政法人国立病院機構仙台医療センター)
  • 佐藤 未光(ひかりクリニック)
  • 内海 眞(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院)
  • 鬼塚 哲郎(京都産業大学 文化学部)
  • 山本 政弘(独立行政法人国立病院機構九州医療センター)
  • 健山 正男(国立大学法人琉球大学大学院医学研究科)
  • 金子 典代(公立大学法人名古屋市立大学 看護学部)
  • 多田 有希(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
52,702,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
MSMのHIV感染拡大を防止するために、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄でコミュニティベースの啓発普及、自治体のMSM対象のHIV感染対策構築、啓発プログラムの効果評価、社会的・性的ネットワークの検討、MSMのHIV/性感染症の動向分析、MSM人口および有病率の推定、HBV感染や献血でのHIV陽性率の視点を含めた啓発、啓発プログラムや性的指向対応のマニュアル作成等を行う。
研究方法
1.各地域の男性同性間のHIV感染予防介入研究(分担、CBO)
東北(伊藤俊広、やろっこ)、東京(佐藤未光、Rainbow Ring)、名古屋(内海眞、ALN)、大阪(鬼塚哲郎、MASH大阪)、福岡(山本政弘、LAF)、沖縄(健山正男、NANKR)地域でMSMへの啓発普及をコミュニティベースで行う。
2.啓発の効果評価調査および行動疫学調査
地域の啓発効果を質問紙調査等により評価し、効果的なHIV感染対策を検討する。
結果と考察
1.各地域の男性同性間のHIV感染予防介入研究
東京、大阪のハッテン場への予防介入、福岡のコミュニティセンターへの来場を促す啓発試行、名古屋のHIV検査会の実施、仙台、沖縄のMSMのHIV検査受検率の向上に向けた取組みなど、各地域で商業施設を介したHIV関連情報誌やコンドーム等の啓発資材配布を展開した。
2.啓発の効果評価調査および行動疫学調査
1)20-59歳男性のMSM人口割合は2.0%、MSM人口10万人対のHIV有病率は692.9、AIDS有病率は188.9とMSM以外男性(7.2、5.8)に比べ極めて高い。2)東京のクラブイベント調査(942人)では過去1年のHIV検査受検率が47.3%(前回37.0%)に上昇。3)大阪のゲイバー顧客調査(1354名)ではコミュニティセンターdistaや啓発イベントPlus+の認知率が上昇。4)東北の携帯電話調査(192名)では過去1年HIV検査受検率29.7%に上昇(過去の調査13%)。5)MSMの梅毒、HBV等の動向がサーベイランス情報から把握できた。6)大阪土曜日常設検査(2008年)のMSM受検者の推定HIV陽性率は5.1%であった。
結論
MSMにおけるHIV/AIDS有病率は高く、MSMに重点をおいたHIV感染対策が重要である。検査行動や予防行動に効果をあげているゲイCBOの啓発活動を強化する施策が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-