文献情報
文献番号
200932012A
報告書区分
総括
研究課題名
地域におけるHIV陽性者等支援のための研究
課題番号
H20-エイズ・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
生島 嗣(特定非営利活動法人ぷれいす東京 研究事業/支援・相談サービス)
研究分担者(所属機関)
- 牧原 信也(特定非営利活動法人ぷれいす東京 研究事業/支援・相談サービス )
- 若林 チヒロ(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
- 大木 幸子(杏林大学 保健学部)
- 青木 理恵子(特定非営利活動法人チャーム 移住者の健康と権利の実現を支援する会 事務局)
- 山本 博之(東京福祉大学 社会福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,572,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域の支援者のHIVへの準備性を整えるために必要な情報を得ることを目的とした。
研究方法
[1]HIV陽性者の生活の実態把握
A.全国のHIV陽性者の生活と社会参加に関する調査票を、専門医療機関33病院にて1,813票配布し、自記式封入投函にて回収。
[2]地域の支援の実態把握
B.全国の保健所515ヵ所、保健センター212カ所を対象にHIV陽性者への相談・支援機能に関する質問紙調査を実施。C.ブロック拠点および中核拠点病院の医療ソーシャルワーカーを対象に、受診前段階にある告知後のHIV陽性者や家族等への相談対応に関する聞き取り調査を実施。
[3]支援モデルの提示
D.NPOぷれいす東京で実施中の相談サービスのアセスメントシートを検討。E.HIV陽性告知直後の陽性者のためのグループ・プログラムの評価を検討。F.関西におけるHIV陽性者向けの相談サービスの立ち上げについて、関わったスタッフにインタビューを実施。
[4]地域の支援者の準備性向上のためのプログラム開発
G.東京障害者職業センターの協力を得て、職員研修(44名参加)を実施。また、都内の行政窓口担当者を対象に講義中心の研修会(52名参加)を開催し、それぞれ効果を評価。
(倫理面への配慮)すべての研究が倫理委員会による審査を受けている。
A.全国のHIV陽性者の生活と社会参加に関する調査票を、専門医療機関33病院にて1,813票配布し、自記式封入投函にて回収。
[2]地域の支援の実態把握
B.全国の保健所515ヵ所、保健センター212カ所を対象にHIV陽性者への相談・支援機能に関する質問紙調査を実施。C.ブロック拠点および中核拠点病院の医療ソーシャルワーカーを対象に、受診前段階にある告知後のHIV陽性者や家族等への相談対応に関する聞き取り調査を実施。
[3]支援モデルの提示
D.NPOぷれいす東京で実施中の相談サービスのアセスメントシートを検討。E.HIV陽性告知直後の陽性者のためのグループ・プログラムの評価を検討。F.関西におけるHIV陽性者向けの相談サービスの立ち上げについて、関わったスタッフにインタビューを実施。
[4]地域の支援者の準備性向上のためのプログラム開発
G.東京障害者職業センターの協力を得て、職員研修(44名参加)を実施。また、都内の行政窓口担当者を対象に講義中心の研修会(52名参加)を開催し、それぞれ効果を評価。
(倫理面への配慮)すべての研究が倫理委員会による審査を受けている。
結果と考察
[1]A.1,203票を回収し、陽性者の生活と社会参加の現状、課題などが明らかになった。
[2]B.431施設から回答(回収率59.3%)。検査・相談体制に大きな地域差があった。また、HIV陽性者の生活全般に対する支援のためには、多様な職種の関与などが課題であることが示唆。C.陽性者等からの相談依頼の経路の多様さや、院内外の機関との連携を基盤とする受診前相談の現状と課題が明らかとなった。
[3]D.相談機関で活用できるアセスメントシートを開発。E.プログラムのファシリテーターによる詳細にわたる解釈と分析を実施。F.既存のネットワークの存在など、地域で支援リソースを創出する上での促進要因が示された。
[4]G.研修受講前後に行った質問紙調査で研修の効果が示された。職員研修では、セクシュアリティや性、HIVへの抵抗感が低減され、なおかつ支援への効力感が向上。講義中心の研修でも、知識の増加、対応方法の認知が、HIV陽性者への対応の準備性を高める上で重要であると示唆された。
[2]B.431施設から回答(回収率59.3%)。検査・相談体制に大きな地域差があった。また、HIV陽性者の生活全般に対する支援のためには、多様な職種の関与などが課題であることが示唆。C.陽性者等からの相談依頼の経路の多様さや、院内外の機関との連携を基盤とする受診前相談の現状と課題が明らかとなった。
[3]D.相談機関で活用できるアセスメントシートを開発。E.プログラムのファシリテーターによる詳細にわたる解釈と分析を実施。F.既存のネットワークの存在など、地域で支援リソースを創出する上での促進要因が示された。
[4]G.研修受講前後に行った質問紙調査で研修の効果が示された。職員研修では、セクシュアリティや性、HIVへの抵抗感が低減され、なおかつ支援への効力感が向上。講義中心の研修でも、知識の増加、対応方法の認知が、HIV陽性者への対応の準備性を高める上で重要であると示唆された。
結論
地域の支援環境を整えるためには、HIV隣接分野も含めた、地域の支援者の準備性をより高めることが重要。本研究班の成果の活用により、実態に即した環境整備が期待できる。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
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