文献情報
文献番号
202306034A
報告書区分
総括
研究課題名
ニトロソアミン類の体系的リスク評価手法に基づくリスクコミュニケーションガイダンスの策定のための研究
課題番号
23CA2034
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所 )
研究分担者(所属機関)
- 増村 健一(国立医薬品食品衛生研究所安全性予測評価部)
- 杉森 裕樹(大東文化大学 スポーツ・健康科学部看護学科/大学院スポーツ・健康科学研究科予防医学)
- 堀口 逸子(慶應義塾大学 医学部医学研究科)
- 間宮 弘晃(国際医療福祉大学 成田薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
5,860,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、現在企業から報告が相次いでいる医薬品へのニトロソアミン類の混入に対して、Carcinogenic Potency Categorization Approach (CPCA)に基づく発がん性リスク評価などの毒性学的観点から情報提供すべき項目の検討を行い、製薬企業から医療現場への情報提供文書モデル及びガイダンス案を作成し、製薬企業から提供される医療従事者(薬剤師及び医師)向けの情報提供文「お知らせ文書モデル」案に関して、医療従事者への調査を行い、情報提供に当たり留意すべき点(ガイダンス等)を検討することを目的とした。
研究方法
製薬企業から医療現場等への迅速かつ適切な情報提供に資するガイダンス(案)に添付する製薬企業からの情報提供文書モデル(案)におけるニトロソアミン類のリスクについて、医療従事者を対象としたアンケート調査(自由記載含む)による分析、医療業パネルを対象としたインターネット調査による分析を行った。また、どのような表現が患者にとって好ましいのか、2種類の文書モデル(案)を用いてチャットを利用した個別インタビューを実施し、留意すべき点を検討した。
結果と考察
ニトロソアミン類の検出の際に、毒性学的観点から情報提供すべき項目の検討を行い、その結果を踏まえて製薬企業から医療現場への情報提供文書モデル及びガイダンス案を作成した。医療従事者を対象とした調査と分析において、高い意識をもつ薬剤師からは、本研究班で作成したニトロソアミン類の情報提供のお知らせモデル案は好意的に評価され、是認された傍証とみなせることが示唆された。また、情報提供文書モデル(案)に記載したリスクの表現文について、情報提供者である医療従事者の負担を減らし、より患者の理解を得るために複数の文案を併記することも考慮する必要がある。
結論
医薬品からニトロソアミン類が検出された場合には、情報提供すべき項目の類型化と関係機関との連携方法等が整理されたガイダンス案及び医療現場への情報提供文書モデルを活用し、迅速かつ適切なリスクコミュニケーションを行うことが求められる。
公開日・更新日
公開日
2024-06-06
更新日
-