文献情報
文献番号
200930004A
報告書区分
総括
研究課題名
黄斑部疾患診断のための客観的網膜機能評価法の確立
課題番号
H19-感覚器・一般-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
角田 和繁(独立行政法人国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター視覚研究部)
研究分担者(所属機関)
- 谷藤 学(理化学研究所 脳科学総合研究センター脳統合機能研究チーム)
- 篠田 啓(帝京大学医学部 眼科学講座 )
- 柴田 尚久(株式会社ニデック 医療機器開発部 先端技術開発課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、黄斑部網膜の神経活動を非侵襲的かつ客観的に評価する3種類の検査技術を確立し、黄斑部の他覚的機能評価を統合的に行い、より質の高い診断・治療に結びつけることを目的としている。
研究方法
①黄斑部局所ERG(担当:角田、三宅、篠田)について、東京医療センターおよび新潟大学において経過観察中の、オカルト黄斑症患者およびその家系内のその他の罹患者および健常者について調査を行った。
② 網膜内因性信号計測法(担当:角田、谷藤、楠城)について、A: 網膜内因性信号の起源を明らかにするための実験を行った。B: 同計測システムを用いて、色素褪色変化による杆体、錐体細胞の機能的マッピングを目指した。C: 正常ヒト網膜でのブリーチング反応の実験を行った。
③機能的OCT(担当:角田、谷藤、楠城)について、麻酔下サル、および正常ヒト被験者において、フラッシュ刺激前後のOCT信号を比較し、機能的OCT信号を記録した。
② 網膜内因性信号計測法(担当:角田、谷藤、楠城)について、A: 網膜内因性信号の起源を明らかにするための実験を行った。B: 同計測システムを用いて、色素褪色変化による杆体、錐体細胞の機能的マッピングを目指した。C: 正常ヒト網膜でのブリーチング反応の実験を行った。
③機能的OCT(担当:角田、谷藤、楠城)について、麻酔下サル、および正常ヒト被験者において、フラッシュ刺激前後のOCT信号を比較し、機能的OCT信号を記録した。
結果と考察
① 単一家系における、12名の罹患者(年齢17―83歳。男性6名、女性6名)について、診察、検査を行うことができた。 以上、発症初期から、黄斑部局所ERGの振幅が低下しており、これが本疾患の最も正確な診断情報である等の事実を確認した。
② A)網膜各層から異なる種類の内因性信号が発生していることが明らかになった。
B)錐体および杆体のみの褪色変化ならびにS錐体の特徴的なマッピングを行うことができた。
C: 侵襲の少ない「Snapshot imaging法」によって、特殊な頭部固定等を行わずに、多数の正常被験者から安定した黄斑部錐体のブリーチングをマップすることに成功した。
③ 機能的OCTについては、白色フラッシュ刺激によってサル網膜視細胞外節から20%程度の内因性信号が発生することが確認された。
② A)網膜各層から異なる種類の内因性信号が発生していることが明らかになった。
B)錐体および杆体のみの褪色変化ならびにS錐体の特徴的なマッピングを行うことができた。
C: 侵襲の少ない「Snapshot imaging法」によって、特殊な頭部固定等を行わずに、多数の正常被験者から安定した黄斑部錐体のブリーチングをマップすることに成功した。
③ 機能的OCTについては、白色フラッシュ刺激によってサル網膜視細胞外節から20%程度の内因性信号が発生することが確認された。
結論
各計測法について実用化レベルに大きな開きが存在するものの、それぞれの研究部門において実用化および臨床応用貢献に向けた着実な成果、進展が得られた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-25
更新日
-