リアルワールドデータ(RWD)に基づく外科手術等の高度化・多様化する医療技術の評価及びRWDの活用に資する研究

文献情報

文献番号
202301015A
報告書区分
総括
研究課題名
リアルワールドデータ(RWD)に基づく外科手術等の高度化・多様化する医療技術の評価及びRWDの活用に資する研究
課題番号
22AA2006
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 瀬戸 泰之(東京大学 医学部附属病院)
  • 川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学)
  • 宮田 裕章(慶應義塾大学)
  • 本村 昇(東邦大学)
  • 隈丸 拓(東京大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
5,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現行の診療報酬上の手術分類(Kコード)については、診療報酬改定ごとに、様々な追加等が行われてきたが、イノベーションの進展に伴い手術の多様化・高度化等が進む中で、一定の限界が指摘されている。一方で、臨床的な観点から、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)により整理されている手術・手技の分類として、外保連手術試案の手術の基幹コード(STEM7)がある。本研究は、整形外科領域において、潜在的に精緻化・合理化が可能と考える術式分類について、専門領域の整形外科医を含むスペシャリストと共にレビュー・検討を実施し、臨床的観点に基づいた科学的な術式分類を提案することを目的とした。
研究方法
研究班の主導のもと、外保連、日本整形外科学会およびサブスペシャリティ学会の連携にて、「Kコード整理に伴う整形外科領域のプロジェクトチーム」を構築し、整形外科領域の手術術式の整理の方向性を議論した。各サブスペシャリティ専門家が選定した主要な評価対象となりうる術式を対象に、厚生労働省保険局の全国DPCデータを用いてKコード×STEM7の組み合わせごとの登録頻度および麻酔時間の分布を評価した。データの評価、臨床的な手術の難易度やコストなどに基づいて、新たな手術分類の整理を検討した。
結果と考察
整形外科領域の手術分類について、外保連手術委員会および専門領域のスペシャリストとの連携のもと精緻化・合理化のための検討を実施した。主要な対象症例を選択し、DPCデータを用いてKコードとSTEM7の組み合わせごとに麻酔時間の分布を評価したところ、術式・部位の組み合わせによって麻酔時間の分布は異なる場合があり、技術や医療資源投入に違いがあることを示唆する結果であった。プロジェクトチーム内のスペシャリストによる手術の難易度やコストなども含めた総合的な評価として、これらの同一Kコードを持つ複数術式には根本的な差異が存在する場合があると考えられた。評価結果およびプロジェクトチームの議論から、整形外科領域の手術について、外保連試案やWHOにおいて検討が進められている医療行為の国際分類(International Classification of Health Interventions(ICHI))の分類アプローチに倣い、部位を基軸としてそこに術式を掛けあわせる形での手術分類の体系化および整形外科領域の術式について具体的な手術分類を提案した。
結論
研究結果の一部について、令和5年度第2回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会へ参考資料として提出され、次の改定に向けて検討等を行っていくことが報告された。新たな整形外科領域全体のKコードの公開、関係者間のパブリックコメントなどを経て、新分類案が決定されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2024-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-07-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202301015B
報告書区分
総合
研究課題名
リアルワールドデータ(RWD)に基づく外科手術等の高度化・多様化する医療技術の評価及びRWDの活用に資する研究
課題番号
22AA2006
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 瀬戸 泰之(東京大学 医学部附属病院)
  • 川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学)
  • 宮田 裕章(慶應義塾大学)
  • 本村 昇(東邦大学 医学部)
  • 隈丸 拓(東京大学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現行の診療報酬上の手術分類(Kコード)については、診療報酬改定ごとに、様々な追加等が行われてきたが、イノベーションの進展に伴い手術の多様化・高度化等が進む中で、一定の限界が指摘されている。一方で、臨床的な観点から、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)により整理されている手術・手技の分類として、外保連手術試案の手術の基幹コード(STEM7)がある。本研究は、整形外科領域において、潜在的に精緻化・合理化が可能と考える術式分類について、専門領域の整形外科医を含むスペシャリストと共にレビュー・検討を実施し、臨床的観点に基づいた科学的な術式分類を提案することを目的とした。
研究方法
研究班の主導のもと、外保連、日本整形外科学会およびサブスペシャリティ学会の連携にて、「Kコード整理に伴う整形外科領域のプロジェクトチーム」を構築し、整形外科領域の手術術式の整理の方向性を議論した。各サブスペシャリティ専門家が選定した主要な評価対象となりうる術式を対象に、厚生労働省保険局の全国DPCデータを用いてKコード×STEM7の組み合わせごとの登録頻度および麻酔時間の分布を評価した。データの評価、臨床的な手術の難易度やコストなどに基づいて、新たな手術分類の整理を検討した。
結果と考察
整形外科領域の手術分類について、外保連手術委員会および専門領域のスペシャリストとの連携のもと精緻化・合理化のための検討を実施した。主要な対象症例を選択し、DPCデータを用いてKコードとSTEM7の組み合わせごとに麻酔時間の分布を評価したところ、術式・部位の組み合わせによって麻酔時間の分布は異なる場合があり、技術や医療資源投入に違いがあることを示唆する結果であった。プロジェクトチーム内のスペシャリストによる手術の難易度やコストなども含めた総合的な評価として、これらの同一Kコードを持つ複数術式には根本的な差異が存在する場合があると考えられた。評価結果およびプロジェクトチームの議論から、整形外科領域の手術について、外保連試案やWHOにおいて検討が進められている医療行為の国際分類(International Classification of Health Interventions(ICHI))の分類アプローチに倣い、部位を基軸としてそこに術式を掛けあわせる形での手術分類の体系化および整形外科領域の術式について具体的な手術分類を提案した。
結論
研究成果の一部について、令和5年度第2回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会へ参考資料として提出され、次の改定に向けて検討等を行っていくことが報告された。新たな整形外科領域全体のKコードの公開、関係者間のパブリックコメントなどを経て、新分類案が決定されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2024-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-07-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202301015C

成果

専門的・学術的観点からの成果
整形外科領域の主要な手術術式について、保険局DPCデータを用いてKコードとSTEM7の組み合わせごとに麻酔時間の分布を評価したところ、術式・部位の組み合わせによって麻酔時間の分布が異なる場合があった。同一のKコードで分類される手術術式において、外科手術の位置づけ、手術の難易度やコストなども含めた総合的な評価から、術式としての根本的な差異が存在する場合があると考えられた。
臨床的観点からの成果
データに基づく検討および臨床的観点に基づく検討より、手術分類構築における基本方針を確認し、STEM7やICHIに倣った手術部位を基軸とする、臨床的にも理にかなった手術分類案を作成した。
ガイドライン等の開発
ガイドライン等の開発を目的としていない
その他行政的観点からの成果
外保連、日本整形外科学会およびサブスペシャリティ学会と連携し、「Kコード整理に伴う整形外科領域のプロジェクトチーム」を構築、データ解析を介したエビデンスに基づく術式分類の整理を実施した。術式に関する総合的な評価の上で、外保連試案やInternational Classification of Health Interventions(ICHI)に倣った、部位を基軸としそこに術式を掛けあわせる形での手術分類の体系化に向けて、新たな術式分類案を作成した。
その他のインパクト
研究成果の一部について、令和5年度第2回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会へ参考資料として提出された。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
30件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
研究成果の一部について、令和5年度第2回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会へ参考資料を提出した。
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2024-07-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
202301015Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,700,000円
(2)補助金確定額
7,700,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 745,803円
人件費・謝金 4,807,680円
旅費 269,720円
その他 101,800円
間接経費 1,776,000円
合計 7,701,003円

備考

備考
自己資金1,003円

公開日・更新日

公開日
2024-09-12
更新日
-