精神障害者への対応への国際比較に関する研究

文献情報

文献番号
200929029A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者への対応への国際比較に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中根 允文(長崎大学)
研究分担者(所属機関)
  • 岡崎 祐士(東京都立松沢病院)
  • 新福 尚隆(西南学院大学 人間科学部)
  • 中根 秀之(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 竹島 正(国立精神・神経センター 精神保健計画部)
  • 鈴木 友理子(国立精神・神経センター 災害等支援研究室)
  • 鈴木 満(岩手医科大学 精神科)
  • 白石 弘巳(東洋大学 ライフデザイン学部)
  • 川口 貞親(産業医科大学 産業保健学部)
  • 伊藤 弘人(国立精神・神経センター 社会精神保健部)
  • 佐々木 一(医療法人社団爽風会佐々木病院)
  • 西田 淳志((財)東京都医学研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
精神障害者への対応を中心とする諸外国の精神保健医療福祉制度の現況を調査するという国際比較研究をもとに、日本における精神保健福祉制度の将来的な改革への示唆を行うこと、および精神疾患を発症した在外邦人や在日外国人について、その実態の分析を踏まえ、適切な対応方策を探る。
研究方法
本研究は複数年度に亘る調査研究と想定し、初年度である当該年度は、主任研究者・分担研究者がこれまでに蓄積してきた知見を集合整理し、その総括をもとに緊急に必要な情報を明らかにし、そのために得るべき組織・機関あるいは地域からエキスパートを国内に招聘し、またはそれらへ日本から訪問調査に赴き、日本での現況と厳密に比較検討することとした。
結果と考察
研究班会議を2009年7月と2010年1月の2回、東京で開催した。第1回会議では、主任研究者が研究の目的・意義や方向性を呈示し、分担研究者からは各自の研究計画が提示され討論した。研究班として共通テーマを設定した共同研究は行わず、各研究者の計画を尊重することとした。第2回会議では、その後における研究の進捗状況が中間的に報告され討論された。WHOなどの国際機関における体系的な情報収集の実際を主任研究者および分担研究者ら(鈴木友、新福、中根秀)が明らかにし、英国・米国・オーストラリアにおける現状を西田、伊藤、竹島、佐々木らがまとめた。川口は、国内一地域における精神科病院入院患者の退院促進状況を調査してまとめた。岡崎らおよび白石は精神疾患に罹患した在日外国人、また鈴木満は海外法人のメンタルヘルスの現状と対応策を集約した。従来の知見の集約に止まることなく、次年度調査への発展を示唆する情報が蓄積されたと考える。
結論
初年度にあっても、研究班として多彩な情報を網羅して明らかにした。欧米における研究班としての共同作業は取り込まなかったが、それだけフリーハンドな情報収集が可能になったと考える。それぞれに公表される場所が異なる可能性も少なくないことを考えると、これらを含む報告書の意義は十分に認められることになろう。今年度の成果を基に、次年度は、病床数・人員配置(医師・専門医・コメディカルスタッフなど)、入院形態、保護者制度、行動制限など更に具体的な諸指標の国際比較へと発展させる。

公開日・更新日

公開日
2010-09-22
更新日
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