循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究

文献情報

文献番号
200926066A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究
課題番号
H21-心筋・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
丸川 征四郎(医療法人医誠会 医誠会病院 )
研究分担者(所属機関)
  • 長谷 敦子(長崎大学病院救命救急センター)
  • 横田 裕行(日本医科大学)
  • 石見 拓(京都大学保健管理センター)
  • 小菅 宇之(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
  • 高山 守正(榊原記念病院 )
  • 清水 直樹(国立成育医療センター研究所 東京都立小児総合医療センター)
  • 坂本 照夫(久留米大学高度救命救急センター)
  • 畑中 哲生(救急救命九州研修所)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部救急医学)
  • 近藤 久禎(国立病院機構災害医療センター臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、救急蘇生法の普及啓発と救命率の向上に貢献することを目的とした。先行研究(平成18年度から20年度)の成果を継承し可及的に完成させるとともに、解決すべき新たな課題を加えて推進する。
研究方法
研究目的を達成するために研究分担者として我が国の救急蘇生のエキスパート11名を指名した。市民による救急蘇生の普及啓発に関わる研究領域では、市民教育ツールと教育研修プログラムの開発、心肺蘇生手技を単純化した「押すだけ」の心肺蘇生法(CPR)の普及と有効性の疫学的検証、市民のCPR施行率改善のための効果的な蘇生教育の国際的調査に基づく提案、救急処置に関わってこころに傷を負った市民のために専門的なコンサルトシステムの構築を研究課題とした。AEDの効果的な利用の研究領域では、AED設置情報と地域MC協議会の事後検証情報を統合して汎用性の高いAED情報管理システム、AED内部データの患者治療への活用システム、ドクターヘリ機内でのAEDおよび心臓マッサージの有効な方法、AEDの家庭内配備の効果てきな利用法を研究課題とした。小児心停止救命率向上のために乳児適応AED開発、予防体制・教育体制の整備、救急蘇生法の開始と中止の適応基準の検討、心肺蘇生に関わるディバイスが安全に救急現場に導入する評価等の検討を課題とした。
結果と考察
初年度は大多数の研究班が研究基盤整備に追われた。その中でも、公共の場での医師に対する医療要請(ドクターコール)に対応する医師の法的免責について議論を深めた(畑中班)。AED不具合調査から機種による取扱上の注意点、AED性能改善の提言をまとめ、総務省、厚労省から全国消防に通知として発出された(近藤班)。また、平成21年末で市中AEDが約27万台である調査結果を報告した(近藤班)。AEDの内部情報記録ソフトの欠陥を発見し業者に改善を求めた(小菅班)。小児の胸骨圧迫の適正な深さに国際基準となる成果を上げた(清水班)。
結論
心肺停止などの救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に向けて着実な研究成果が得られている。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-