口腔機能に応じた保健指導と肥満抑制やメタボリックシンドローム改善との関係についての研究

文献情報

文献番号
200926056A
報告書区分
総括
研究課題名
口腔機能に応じた保健指導と肥満抑制やメタボリックシンドローム改善との関係についての研究
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
安藤 雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 花田 信弘(鶴見大学歯学部 探索歯学講座)
  • 葭原 明弘(新潟大学大学院 医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野)
  • 柳澤 繁孝(大分岡病院)
  • 三浦 宏子(国立保健医療科学院 口腔保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 早食いは肥満・メタボリックシンドロームのリスクであり、食べ物をゆっくりとよく噛む習慣(咀嚼法)が肥満治療の1つとして有用であるとされている。また、高齢期になると歯の喪失により食物を咀嚼するのに支障を来す人が多くなり、栄養摂取に悪影響を及ぼす。本研究では、一般集団に対する咀嚼法の有用性を検討することと、咀嚼機能が低下した人達に対する有効な食事栄養指導の方法論を確立することを目的としている。なお、前者については咀嚼回数に関する科学的知見の集積が不十分なことから、このデータ収集も併せて行う。
研究方法
 一般集団に対する咀嚼法の有用性検討については、特定健診・特定保健指導の場における予備的介入を行い有効性を評価した。関連事項として、早食いと咀嚼に関する指導を行う標的集団を確認すること等を目的としたWeb調査を行った。また、咀嚼法に関する保健指導マニュアルの試作版を作成した。
 咀嚼回数に関する基礎的な検討として、咀嚼回数測定機器の開発と高齢者に対する疫学調査データの解析を行った。
咀嚼機能が低下した人達に対する有効な食事栄養指導の方法論の確立については、まず歯科および栄養の専門職間における連携の現状について質的・量的な調査を実施した。
結果と考察
 咀嚼法の有効性に関する予備的調査では、よく噛むことが体重減少に効果がある可能性が示唆された。Web調査では、早食いは比較的若い層に多く、咀嚼に支障があるのは高齢層であることを概ね確認できた。指導用マニュアルの試作版は、今後現場での活用を図りながら内容に充実を図っていく予定である。また、咀嚼回数に関する検討については、基礎的な知見が得られたので、さらに調査を進めていく予定である。
咀嚼機能が低下した人達に対する有効な食事栄養指導の方法論を確立については、口腔と栄養の専門職という人的資源の連携について現状を知ることができた。今後は、具体的なアプローチや事例収集を行っていく必要がある。
結論
 咀嚼法の有効性に関する予備的調査結果から、よく噛む習慣が体重減少につながる可能性が示唆された。Web調査結果から、早食いが問題視される年齢層は比較的若い層で、高齢層では噛めない人が多いことを概ね確認できた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
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