未成年者の喫煙・飲酒状況に関する実態調査研究

文献情報

文献番号
200926006A
報告書区分
総括
研究課題名
未成年者の喫煙・飲酒状況に関する実態調査研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大井田 隆(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎米厚(鳥取大学医学部予防環境医学分野)
  • 兼板佳孝(日本大学医学部公衆衛生学分)
  • 神田秀幸(福島県立医科大学衛生学)
  • 簑輪眞澄(聖徳大学人文学部)
  • 鈴木健二(鈴木メンタルクリニック)
  • 樋口進(独立法人国立病院機構久里浜アルコール症センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の中高生の喫煙及び飲酒行動の実態と関連要因を明らかにし、対策の評価と推進方策を検討する。健康日本21の最終評価の評価指標を提出する。そのために、喫煙及び飲酒行動に関連する環境要因調査、喫煙及び飲酒を取り巻く新たな問題の調査を実施する。本研究の目的は、わが国の中高生の喫煙及び飲酒実態とその動向を明らかにし、変動に影響を及ぼす要因の関連を検討し、わが国の喫煙、飲酒対策の推進方策を検討することである。
研究方法
全国学校総覧を用いて全国の中学校より130校、高等学校より110校を無作為抽出し(1校は廃校により参加不能)、対象校に調査票を送付した。調査回答校の在校生徒全員を対象とした調査で、学校の在籍人数に比例して抽出確率を決める抽出方法であるため、この抽出方法は、1段クラスター確率比例抽出である。
結果と考察
2008年調査では喫煙頻度では喫煙経験のある中学生男子;12.3%、高校生男子;24.9%、中学生女子;9.5%、高校生女子;15.8%で、現在の喫煙状況は中学生男子で「30日間で1日でも喫煙」;2.9%、毎日喫煙;0.8%、高校生男子で、「30日間で1日でも喫煙」;9.8%、毎日喫煙;4.7%、中学生女子で「30日間で1日でも喫煙」;2.0%、毎日喫煙;0.5%、、高校生女子で「30日間で1日でも喫煙」;4.5%、毎日喫煙;1.7%、であった。経年的に観察して(1996年、2000年、2004年)喫煙率は減少していると考えられた。
結論
わが国の未成年の飲酒・喫煙率は1996年以降確実に減少していることが確かめられた。このことから未成年におけるわが国のたばこ対策が進展していることが推測された。

公開日・更新日

公開日
2010-05-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200926006B
報告書区分
総合
研究課題名
未成年者の喫煙・飲酒状況に関する実態調査研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大井田 隆(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 簑輪眞澄(聖徳大学人文学部)
  • 鈴木健二(鈴木メンタルクリニック)
  • 樋口進(独立法人国立病院機構久里浜アルコール症センター)
  • 兼板佳孝(日本大学医学部公衆衛生学分野)
  • 神田秀幸(福島県立医科大学衛生学)
  • 尾崎米厚(鳥取大学医学部環境予防医学分野)
  • 宗澤岳志(日本大学医学部公衆衛生学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、わが国の中高生の喫煙及び飲酒実態とその動向を明らかにし、変動に影響を及ぼす要因の関連を検討し、わが国の喫煙、飲酒対策の推進方策を検討することである。
研究方法
(1) 2008年調査
全国学校総覧を用いて全国の中学校より130校、高等学校より110校を無作為抽出し(1校は廃校により参加不能)、対象校に調査票を送付した。調査回答校の在校生徒全員を対象とした調査で、学校の在籍人数に比例して抽出確率を決める抽出方法であるため、この抽出方法は、1段クラスター確率比例抽出である。調査内容は、喫煙・飲酒行動、ニコチン依存度、喫煙・飲酒行動の要因などであった(別紙)。2008年調査は9月に対象校の抽出し、10月初旬、調査の依頼、調査票送付をした。対象中学校の130校のうち調査に回答した学校92校(70.8%)、高校110校のうち、回答した80校(72.7%)で、95,680名の回答があった。

(2) 2007年調査
 2007年調査は11月に対象校の抽出し、12月初旬、調査の依頼、調査票送付をした。対象中学校の130校のうち調査に回答した学校89校(68.5%)、高校109校のうち、回答した79校(72.5%)であった。
結果と考察
喫煙経験のある中学生男子;9.2%、高校生男子;25.6%、中学生女子;7.8%、高校生女子;15.6%で、現在の喫煙状況は中学生男子で「ときどき吸っている」;0.9%、習慣的に吸っている;0.6%、高校生男子で「ときどき吸っている」;2.8%、習慣的に吸っている;5.8%、中学生女子で「ときどき吸っている」;0.9%、習慣的に吸っている;0.6%、高校生女子で「ときどき吸っている」;1.9%、習慣的に吸っている;2.1%であった。タバコの価格が上がった場合の現在喫煙者の予測行動は、1000円になると「止める」者は男子44.6%、女子37.3%であった。ニコチン依存度が高い者は、タバコ価格が高くなっても「止める」と回答した割合は低いが、1000円だと、依存なしの45.9%、中等度依存の41.5%、高度依存の24.7%(合計の41.9%)がタバコを止めると回答した。
結論
タスポを使ってタバコを手に入れたことのある生徒の毎日喫煙者での割合は中学生男子;56.4%、高校生男子;39.3%、中学生女子;58.8%、高校生女子;26.5%で、タスポが未成年の喫煙防止に役立っているかどうかは検討を要する。

公開日・更新日

公開日
2010-05-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200926006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究の目的は、わが国の中高生の喫煙及び飲酒実態とその動向を明らかにし、変動に影響を及ぼす要因の関連を検討し、わが国の喫煙、飲酒対策の推進方策を検討することである。
臨床的観点からの成果
社会調査であるため、特に臨床的な成果はない。
ガイドライン等の開発
調査票の開発を行った。
その他行政的観点からの成果
わが国の重要な健康課題をモニタリングすること、課題を明らかにし、対策を改善するため、新たな問題を検討すること、健康日本21および健やか親子21の最終評価のための情報を得るためにこの調査を実施した。
その他のインパクト
喫煙未成年がタバコの価格がいくらになった時、禁煙するかが報道された。
タスポ導入の効果について報道された。

発表件数

原著論文(和文)
10件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kaneita Y, Ohida T, Osaki Y,et al
Insomnia among Japanese Adolescents: Nationwide Representative Survey
Sleep , 29 , 1543-1560  (2006)
原著論文2
Osaki Y, Tanihata T, Ohida T, et al
Decrease in the prevalence of smoking among Japanese adolescents and its possible causes: periodic nationwide cross-sectional surveys
Environ Health Pre Med , 13 , 219-226  (2008)
原著論文3
Osaki Y, Tanihata T, Ohida T, et al.
Decrease in the prevalence of adolescent alcohol use and its possible causes in Japan: periodical nationwide cross-sectional surveys.
Alcohol Clin Exp Res , 33 , 247-254  (2009)
原著論文4
Osaki Y, Tanihata T, Ohida T et al
Adolescent smoking behaviour and cigarette brand preference in Japan
Tobacco Control , 15 , 172-180  (2006)
原著論文5
鈴木健二、尾崎米厚、簑輪眞澄 他
回の全国調査における中高生の飲酒の減少傾向
日本アルコール・薬物医学会雑誌 , 42 , 129-151  (2007)

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-