「日本人の食事摂取基準」策定のための文献学的研究

文献情報

文献番号
200926002A
報告書区分
総括
研究課題名
「日本人の食事摂取基準」策定のための文献学的研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 茂穂(国立健康・栄養研究所 )
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所)
  • 江崎 治(国立健康・栄養研究所)
  • 柴田 克己(滋賀県立大学)
  • 森田 明美(国立健康・栄養研究所)
  • 三宅 吉博(福岡大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」を策定するために必要な概念ならびに栄養素(エネルギーを含む)全体について、関連論文を系統的に抽出し、策定のための基礎資料を作成するとともに、将来の継続的な策定作業を円滑かつ効率的に行えるシステムの構築を目的とした。また、策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で直接に引用された文献の特徴を文献学的に考察し、今後、更に質の高い日本人の食事摂取基準を策定するための基礎資料を作成することを目的とした。また、策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の一部を英語訳し、諸外国で行われている類似の策定作業の一助とすることを目的とした。
研究方法
「日本人の食事摂取基準」策定委員会のワーキンググループと連携し、ワーキンググループのメンバーに系統的レビューの技術を伝達し、それを用いて系統的かつ網羅的に関連分野の論文の検索・抽出をしていただき、その検索・抽出作業の補助、入手作業の補助、ならびに、その整理・保管を当研究班が担当して、効率的・網羅的な文献収集を行った。
結果と考察
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の策定に有用と考えられる文献はできる限り、収集・保管するように努めた。これらは「日本人の食事摂取基準」策定の根幹として用いられ、結果的に1244編の文献が直接に引用された。これらの論文情報を格納したデータベースを構築し、その情報の正確性を期すために複数回のチェックを行い、すべての複写物の収集を完了し、次回の改定作業を効率的に行うための文献管理システムとして、国立健康・栄養研究所にて管理・保管をしている。また、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」(306ページ)のうち、総論とエネルギーの部分(61ページ)について英語訳を行った。
結論
平成16年度に「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で導入された新しい概念に沿って、さらに科学性の高いエビデンスの収集・整理・管理を行うことができた。これによって「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の質の向上に大きく寄与し得たものと考える。また、今回構築できたデータベースならびに論文の複写物は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の策定時における作業量を軽減するとともに高度化し得るものと期待される。さらに、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の一部を英語訳したことで、諸外国(特に近隣アジア諸国)の食事摂取基準の策定に寄与するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-10-05
更新日
-

文献情報

文献番号
200926002B
報告書区分
総合
研究課題名
「日本人の食事摂取基準」策定のための文献学的研究
課題番号
H19-循環器等(生習)・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 茂穂(国立健康・栄養研究所)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所)
  • 江崎 治(国立健康・栄養研究所)
  • 柴田 克己(静岡県立大学)
  • 森田 明美(国立健康・栄養研究所)
  • 三宅 吉博(福岡大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」を策定するために必要な概念ならびに栄養素(エネルギーを含む)全体について、関連論文を系統的に抽出し、策定のための基礎資料を作成するとともに、将来の継続的な策定作業を円滑かつ効率的に行えるシステムの構築を目的とした。また、策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」で直接に引用された文献の特徴を文献学的に考察し、今後、更に質の高い日本人の食事摂取基準を策定するための基礎資料を作成することを目的とした。また、2009年度では、策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」での一部を英語訳し、諸外国で行われている類似の策定作業の一助とすることも目的のひとつとした。
研究方法
「日本人の食事摂取基準」策定委員会のワーキンググループと連携し、ワーキンググループのメンバーに系統的レビューの技術を伝達し、それを用いて系統的かつ網羅的に関連分野の論文の検索・抽出をしていただき、その検索・抽出作業の補助、入手作業の補助、ならびに、その整理・保管を当研究班が担当して、効率的・網羅的な文献収集を行った。そのための文献管理システムや効率的な文献収集の方法を初年度に構築し、それを用いて次年度以後に必要な作業を行った。
結果と考察
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の策定に有用と考えられる文献はできる限り、収集・保管するように努めた。これらは「日本人の食事摂取基準」策定の根幹として用いられ、結果的に1244編の文献が直接に引用された。これらの論文情報を格納したデータベースを構築し、その情報の正確性を期すために複数回のチェックを行い、すべての複写物の収集を完了し、次回の改定作業を効率的に行うための文献管理システムとして、国立健康・栄養研究所にて管理・保管をしている。また、2009年度では、策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」のうち、総論とエネルギーの部分について英語訳を行った。
結論
平成16年度に「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で導入された新しい概念に沿って、さらに科学性の高いエビデンスの収集・整理・管理を行うことができた。これによって「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の質の向上に大きく寄与し得たものと考える。また、今回構築できたデータベースならびに論文の複写物は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の策定時における作業量を軽減するとともに高度化し得るものと期待される。さらに、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の一部を英語訳したことで、諸外国(特に近隣アジア諸国)の食事摂取基準の策定に寄与するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-10-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-02-01
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200926002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
文献学的研究のため、直接の新たな発見はないが、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」を策定し、それを国のガイドラインとして用いていくために、どのような分野の研究が必要であるかといった観点からの知見を得ることができた。これは今後、この分野の学術研究が選択すべき方向性を示唆する貴重な知見であると考えられる。
臨床的観点からの成果
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」は基本的には健康人を対象としているため、臨床的観点からみて有用と考えられる直接の成果はない。しかしながら、生活習慣病の一次予防や高危険度群の管理も食事摂取基準の視野に入っており、この分野の文献収集も行ったため、今後、この分野のガイドラインの策定やこの分野の専門家・専門職の情報源としても有効利用できる文献データベースを構築できたものと考えられる。
ガイドライン等の開発
この研究の目的はわが国の栄養行政に関係するガイドラインの根幹である「食事摂取基準」の策定に資する基礎資料を提出することであった。「日本人の食事摂取基準(2010年版)」は、栄養所要量と称された時代も含めて、いままでで最大・最良のエビデンスを用いて策定することに成功した。そのために中心的な役割を果たしたのがこの研究班が提出した文献であったことから、わが国のガイドライン策定に大きな寄与をなしえたものと考えられる。
その他行政的観点からの成果
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」は今後5年間における管理栄養士・栄養士業務、ならびに、栄養関連業務の中心となる国のガイドラインである。そのガイドラインの科学性を高めるのに寄与できたことは、栄養を通じた健康政策・健康行政全体に極めて大きく寄与できたものと考えられる。
その他のインパクト
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」は今後5年間における管理栄養士・栄養士業務、ならびに、栄養関連業務の中心となる国のガイドラインである。したがって、管理栄養士・栄養士教育において重要な課題であるため、管理栄養士・栄養士教育の資質向上にも間接的に寄与できたのではないかと考えられる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
10件
栄養関係の学会誌ならびに情報誌に食事摂取基準に関する解説を行った。
その他論文(英文等)
1件
「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の紹介を行った。
学会発表(国内学会)
2件
日本公衆衛生学会、日本栄養改善学会において「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の解説を行った。
学会発表(国際学会等)
1件
2008年9月、国際疫学会(IEA)、ブラジルにて、食事摂取基準の基本的な考え方について解説を行った。
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
29件
日本人の食事摂取基準の基本的な考え方や活用の方法について、都道府県栄養士会研修会や行政主催の専門職向け研修会にて解説を行った。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-