放射線治療期間の短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究

文献情報

文献番号
200925070A
報告書区分
総括
研究課題名
放射線治療期間の短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
加賀美 芳和(国立がんセンター中央病院 放射線治療部 腹部放射線治療室)
研究分担者(所属機関)
  • 古平 毅(愛知県がんセンター中央病院 放射線治療部)
  • 鹿間 直人(聖路加国際病院 放射線科)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学医学部 放射線医学講座)
  • 光森 通英(京都大学大学院医学研究科 )
  • 野崎 美和子(独協医科大学越谷病院 放射線科)
  • 小口 正彦(癌研究会有明病院 放射線治療科)
  • 萬 篤憲(国立病院機構東京医療センター 放射線科)
  • 秋元 哲夫(東京女子医大 放射線医学教室)
  • 齊藤 吉弘(埼玉県がんセンター 放射線科)
  • 松本 康男(新潟県がんセンター新潟病院 放射線治療科)
  • 吉岡 靖生(大阪大学医学部 放射線腫瘍科)
  • 柴田 徹(近畿大学医学部 放射線腫瘍学)
  • 中村 和正(九州大学別府先進医療センター 放射線治療科)
  • 西山 謹司(大阪府立成人病センター 放射線治療科)
  • 宇野 隆(千葉大学大学院医学研究科 放射線医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「T1-2N0M0声門癌に対する放射線治療の加速照射法と標準分割照射法のランダム化比較試験」(JCOG0701)、「乳房温存療法の術後照射における短期全乳房照射法の安全性に関する多施設共同試験」(JCOG0906)および「限局性前立腺癌に対する寡分割照射法の臨床第II相試験」(前立腺)の臨床試験により放射線治療期間短縮の安全性と有効性を検証することが目的である。治療期間短縮は①患者の経済的負担が軽減、②必要通院日数・入院日数が減少し精神的ならびに時間的負担が軽減、③施設、医療スタッフへの負担が軽減でき医療資源を有効に活用できるという利点がある。
研究方法
【JCOG0701】T1-2N0M0声門癌患者を対象に一回線量を2.4 Gyに増加し治療期間を短縮した加速照射法を一回2 Gyの標準分割照射法とランダム化比較して3年無増悪生存割合において非劣性であることを検証する。
【JCOG0906】乳房温存手術後の術後残存乳房への短期照射法「全乳房照射42.56 Gy/16分割/22日間(断端近接例では腫瘍床へのブースト照射10.64 Gy/4分割/4日間)」が我が国において安全に施行可能かどうかを確認する。
【遺伝子多型解析研究】JCOG0701附随研究として、声門癌放射線治療による急性期および晩期有害事象の発現と程度に関与する遺伝子多型のうち特に一塩基多型(single nucleotide polymorphism)を明らかにすることを目的としている。JCOG0906でも同様の研究を予定している。
【前立腺がん】寡分割照射の有効性・安全性が確認することを目的に行う。
結果と考察
研究の進捗状況について記載する。
【JCOG0701】は2010年2月現在187例が登録されほぼ予定の登録状況である。3回のプロトコール改訂を行った。治療効果の中央判定を2回行った。【JCOG0906】は2010年2月より症例登録が開始している。【遺伝子多型解析研究】は「声門がん」付随研究として現在プロトコール審査中である。「前立腺」は現在プロトコールコンセプト作成中である。前立腺癌外部照射における画像誘導技術利用等について現状を把握する目的でアンケート調査を行った。
結論
JCOG0701はほぼ予定通りの症例集積、JCOG0906は今年度から症例登録開始と順調に研究は進んでいる。遺伝子多型解析研究はプロトコール審査中で近々開始ができるものと思われる。
今後はJCOG0906での附随研究のプロトコール作成、前立腺癌寡分割照射のプロトコール作成を速やかに行っていき研究を推進していきたいと思う。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
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