文献情報
文献番号
200925048A
報告書区分
総括
研究課題名
小児がんに対する標準治療・診断確立のための研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-017
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
堀部 敬三(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 渡辺 新(中通総合病院 小児科 )
- 康 勝好(埼玉県立小児医療センター 血液腫瘍科)
- 小川 千登世(聖路加国際病院 小児科)
- 森 鉄也(国立成育医療センター 血液腫瘍科)
- 多和 昭雄(国立病院機構大阪医療センター 小児科)
- 嶋田 博之(慶應義塾大学医学部 小児腫瘍学)
- 真部 淳(聖路加国際病院 小児科)
- 石井 榮一(愛媛大学医学部 小児科)
- 矢部 普正(東海大学医学部 再生医療学)
- 石田 也寸志(聖路加国際病院 小児科)
- 鶴澤 正仁(愛知医科大学医学部 小児科 )
- 出口 隆生(三重大学医学部附属病院 小児科)
- 中澤 温子 （中川 温子）(国立成育医療センター 臨床検査部)
- 林 泰秀(群馬県立小児医療センター)
- 堀江 弘(千葉県こども病院 検査部)
- 大喜多 肇(国立成育医療センター研究所)
- 中川原 章(千葉県がんセンター)
- 藤本 純一郎(国立成育医療センター研究所)
- 原 純一(大阪市立総合医療センター)
- 齋藤 明子(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター )
- 小田 慈(岡山大学大学院 保健学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
42,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書（概要版）
研究目的
小児がんの臨床研究基盤の整備を行い、造血器腫瘍の標準治療の確立を目指した質の高い臨床試験を実施してエビデンスを創出する。
研究方法
日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)のもとに、白血病、リンパ腫、組織球性疾患の臨床試験を実施する。造血幹細胞移植治療法の標準化、長期フォローアップシステムの構築、固形腫瘍を含めた組織・細胞・分子診断システムの確立、検体保存利用システムの構築を行う。臨床研究の質の向上のためのデータ管理、施設基準、監査システムを確立する。
結果と考察
今年度新たに再発急性リンパ性白血病(ALL)と慢性骨髄性白血病(CML)の臨床研究を開始し、計14の臨床試験を実施した。併行して免疫学的・分子生物学的手法によるALLの微小残存病変診断が開始できた。T-ALL, BCP-ALLの全国統一臨床試験が合意されプロトコールを立案した。さらに、若年性骨髄単球性白血病、ランゲルハンス組織球症の臨床試験も立案した。各試験の登録数は、乳児ALLの臨床試験MLL03 63例(登録終了)、５つの非ホジキンリンパ腫(NHL)の臨床試験ALCL99 102例、B-NHL03 306例、B-NHL03 G-CSF 55例、LLB-NHL03 15例、ALB-NHL03 154例(登録終了)、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)ALLの臨床試験Ph＋ ALL04 44例(登録終了)、急性骨髄性白血病(AML)の3つの臨床試験AML-P05 36例、AML-05 398例、AML-D05 52例、血球貪食性リンパ組織球症の臨床試験HLH2004 55例、同種骨髄移植前処置の臨床試験FM-05 6例であり、LLB-NHL03、FM-05を除いて症例集積は比較的順調である。造血細胞移植法に関してドナー選択指針、移植前処置法、GVHD予防法、および早期合併症対策指針の作成に向けた後方視的解析を行った。長期フォローアップのガイドライン作成、サマリーの普及を図った。日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会を中心に小児固形腫瘍の病理中央診断システムを構築した。その実績は、神経芽腫55例、腎腫瘍43例、肝腫瘍35例、横紋筋肉腫30例の計163症例で、全臨床研究登録症例（179例）の91.1％を占めた。リンパ腫病理中央診断を総計607例に実施した。施設訪問監査を14施設に行った。
結論
小児造血器腫瘍のほぼ全ての疾患で全国統一の臨床研究の実施が可能となり、標準治療の確立が期待される。また、小児固形腫瘍の中央診断システムが構築されることで小児がん全体の臨床研究および医療の質の向上が期待される。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
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