咽喉頭がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200925045A
報告書区分
総括
研究課題名
咽喉頭がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-014
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
斉川 雅久(国立がんセンター東病院 外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 岸本 誠司(東京医科歯科大学 頭頸部外科)
  • 川端 一嘉(癌研究会有明病院 頭頸科)
  • 西嶌 渡(埼玉県立がんセンター 頭頸部外科)
  • 藤井 隆(大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科)
  • 古川 まどか(神奈川県立がんセンター 頭頸部外科)
  • 松浦 一登(宮城県立がんセンター 耳鼻咽喉科)
  • 藤本 保志(名古屋大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科)
  • 朝蔭 孝宏(東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
  • 花井 信広(愛知県がんセンター中央病院 頭頸部外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
咽喉頭がんのリンパ節転移に対する最も一般的な治療法は機能温存に主眼をおく頸部郭清術(機能温存術)であるが、機能温存術には、その開発経緯に基づく多数の混乱が見られ、大きな施設差が存在した。これを解消するため、厚生労働科学研究費補助金前斉川班(平成14~19年度)では前向き研究を行い、術式均一化にある程度まで成功した。本研究の目的は、前研究の成果を引き継いで、機能温存術の均一化をより高度に推進することである。
研究方法
1)下咽頭がんおよび声門上がんに対する頸部郭清術の標準化に関する前向き研究、2)頸部郭清術の手術術式均一化に関する前向き研究、3)頸部郭清術に関する原発部位別、進展度別ガイドラインの作成、4)頸部リンパ節転移に関する画像診断基準の確立、5)化学放射線療法(CRT)後の頸部郭清術に関する検討、6)頸部郭清術講習会の開催、7)標準的頸部郭清術ビデオの英訳ならびに諸外国への配布、により頸部郭清術の標準化を目指す。
結果と考察
1)研究計画書につき全施設の承認を得た上で、平成21年6月1日から症例登録を開始し、年度末までに81例を登録した。
2)追跡調査を完了し、本研究を完了した。複雑な外科手術の多施設間における均一化というあまり前例のない試みに成功したことを国際学会および英文論文にて発表した。
3)昨年度収集した論文について構造化抄録を作成した。日本頭頸部癌学会の「頭頸部癌診療ガイドライン」改訂に本研究班が関わることになり、改訂版に本研究班案の反映されることが確実になった。
4)超音波診断基準案を複数施設で使用し、その妥当性を検証する多施設共同研究「超音波検査による頭頸部癌頸部リンパ節転移診断基準の有効性に関する検討」を立案した。
5)CRT後に頸部郭清術の必要性を検討する際の画像診断基準に関する予備研究「化学放射線療法後の頸部郭清に関する検討」を立案し、3施設の承認を得て、平成22年1月12日より症例登録を開始した。
6)第3回頸部郭清術講習会を開催し、156名の参加を得た。初の試みとして講習会全体をビデオ収録し、これをDVDにまとめ、復習用教材として希望者に配布した。
7)標準的頸部郭清術ビデオにつき、オリジナル日本語版および英訳版の配布に努めた。
結論
下咽頭がんおよび声門上がんを対象として術式均一化の更なる推進を目指す新たな前向き研究について、平成21年6月1日から症例登録を開始し、年度末までに81例を登録した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-