臨床病期Ⅱ・Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験

文献情報

文献番号
200925044A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床病期Ⅱ・Ⅲの下部直腸がんに対する側方リンパ節郭清術の意義に関するランダム化比較試験
課題番号
H20-がん臨床・一般-013
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 伸(国立がん研究センター中央病院 第一領域外来部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤敏彦(山形県立中央病院 外科 )
  • 八岡利昌(埼玉県立がんセンター 消化器外科 )
  • 齋藤典男(国立がんセンター東病院 大腸骨盤外科 )
  • 滝口伸浩(千葉県がんセンター 消化器外科 )
  • 青木達哉(東京医科大学 消化器外科 )
  • 杉原健一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 消化器外科 )
  • 斉田芳久(東邦大学医療センター 大橋病院第3外科 )
  • 藤井正一(横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター消化器病センター,大腸外科)
  • 塩澤 学(新潟県立がんセンター新潟病院,大腸外科)
  • 瀧井康公(新潟県立がんセンター新潟病院,大腸外科)
  • 伴登宏行(石川県立中央病院 消化器外科 )
  • 齊藤修治(静岡県立静岡がんセンター 大腸外科)
  • 平井 孝(愛知県がんセンター 消化器外科 )
  • 山口高史(京都医療センター 大腸・骨盤外科 )
  • 大植雅之(大阪府立成人病センター 消化器外科 )
  • 三嶋秀行(大阪医療センター 下部消化管外科 )
  • 福永 睦(市立堺病院外科)
  • 村田幸平(市立吹田病院 外科 )
  • 赤在義浩(岡山済生会総合病院 外科 )
  • 久保義郎(四国がんセンター 消化器外科 )
  • 白水和雄(久留米大学医学部 消化器外科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
あきらかな側方骨盤リンパ節転移を認めない臨床病期 II・IIIの治癒切除可能な下部直腸癌の患者を対象として,国際標準手術であるmesorectal excisionの臨床的有用性を,国内標準手術である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術を対照として比較評価する.
研究方法
JCOG大腸がん外科研究グループ48施設のうち本研究計画が各施設の倫理審査の承認が得られた34施設による多施設共同試験である.術前画像診断および術中開腹所見にて,あきらかな速報転移を認めない臨床病期IIまたはIIIの下部進行癌と診断された症例をmesorectal excisionを行った後,自律神経温存側方郭清を行う群と行わない群に,術中ランダム割付し,それぞれの手術終了時に手術の妥当性評価の目的で,術中写真撮影を行う.Primary endpointを無再発生存期間,Secondary endpointを生存期間, 局所無再発生存期間,有害事象発生割合,重篤な有害事象発生割合,手術時間,出血量,性機能障害発生割合(性機能調査票使用),排尿機能障害発生割合(術後残尿測定)とし,登録期間7年,追跡期間5年,予定登録数700例.
結果と考察
 登録中の臨床試験のため各endpointについては公表できないが,登録は2003年6月より開始ししており,登録開始から6年11か月経過した平成22年4月末現在,674例の登録が得られている.追跡調査の結果,平成21年5月時点での登録例の5年無再発生存割合は75.4%であった.この値は,本研究プロトコール作成時に想定してた値のもっとも良いものである.昨年1年で107例の登録があり,一昨年の登録数よりやや減少したが,予定登録数到達まで残り26例であり,現在の登録ペースであれば,本年7月中に登録終了となる見込みである.
結論
本臨床試験がほぼ予定通りの登録期間、登録数で終了するところまで登録が終了し、今後、5年間登録例を追跡することで、国際標準手術のmesorectal excisionと国内標準である自律神経温存側方骨盤リンパ節郭清術のそれぞれの治療成績、機能障害が明らかとなり、進行直腸癌に対する標準術式が確立される.

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-