子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200925040A
報告書区分
総括
研究課題名
子宮体がんに対する標準的化学療法の確立に関する研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
青木 大輔(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻木 範明(北海道大学大学院医学研究科)
  • 八重樫 伸生(東北大学大学院医学系研究科)
  • 深澤 一雄(獨協医科大学)
  • 木口 一成(聖マリアンナ医科大学)
  • 青木 陽一(琉球大学医学部)
  • 竹内 正弘(北里大学薬学部)
  • 寒河江 悟(JR札幌病院)
  • 渡部 洋(近畿大学医学部)
  • 中西 透(愛知県がんセンター中央病院)
  • 勝俣 範之(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子宮体がん高再発危険群の予後改善を目指し、より有効な新しい標準的化学療法を確立することを目的とする。
研究方法
従来から標準的化学療法とされてきたAP療法(Doxorubicin+Cisplatin)と、Taxane製剤+Platinum製剤併用療法としてDP療法(Docetaxel+Cisplatin)およびTC療法(Paclitaxel+Carboplatin)を選択し、ランダム化比較第Ⅲ相試験によって臨床的有効性を検証する。Primary endpointは無増悪生存期間、Secondary endpointは全生存期間、有害事象発生率、投与状況、リンパ節郭清状況とした。対象としては、原発巣が子宮体がん(肉腫、がん肉腫を除く)であることが組織学的に確認されている患者で、筋層浸潤1/2を超えるG2, G3のⅠ-Ⅱ期(high-intermediate risk)または残存腫瘍2 cm以下のⅢ-Ⅳ期の症例(腹腔を超えた部位への遠隔転移を認める症例を除く)、すなわち高再発危険群とし、さらに子宮全摘出術と両側付属器切除術に加えて少なくとも骨盤リンパ節郭清を施行した症例とした。目標症例数は各群200例から260例に改訂し、計780例とした。
結果と考察
本試験は、特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構に属する施設を主体とした臨床試験として行うことにより実施体制の整備を進め、2006年12月より登録開始、2010年3月末現在、639例が登録された。症例報告書(CRF)、有害事象報告書等を通じて2009年12月までに6回のモニタリングを実施し、有害事象を把握するとともに、3群へ均等に割り付けされていることも確認された。今後はCRFの速やかな収集の徹底を図り、データマネージメント機能やモニタリングをさらに強化することで試験の質を維持することが重要と考える。一方で本研究の実施に伴い、各施設の臨床試験実施体制の整備が推進され、臨床試験コーディネーター、モニターの育成といった教育面の充実が図られるとともに、次期臨床試験の立案のための検討が行われた。
結論
子宮体がん高再発危険群の術後化学療法として国際的に標準治療と考えられているAP療法と、試験治療としてTaxane製剤+Platinum製剤併用療法を比較するランダム化比較第Ⅲ相試験の症例登録が順調に進行中である。現在、試験事務局およびデータセンターを中心とした組織が順調に機能し試験治療が進行中である

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
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