働き盛りや子育て世代のがん患者やがん経験者、小児がんの患者を持つ家族の支援の在り方についての研究

文献情報

文献番号
200925032A
報告書区分
総括
研究課題名
働き盛りや子育て世代のがん患者やがん経験者、小児がんの患者を持つ家族の支援の在り方についての研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
真部 淳(財団法人 聖路加国際病院 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 細谷 亮太(財団法人 聖路加国際病院 小児科)
  • 小澤 美和(財団法人 聖路加国際病院 小児科)
  • 的場 元弘(国立がんセンター中央病院 緩和医療科)
  • 押川 眞喜子(財団法人 聖路加国際病院 訪問看護ステーション)
  • 鈴木 伸一(早稲田大学人間科学学術院 )
  • 小田 慈(岡山大学大学院 保健学研究科)
  • 上別府 圭子(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 堀部 敬三(国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター)
  • 高橋 都(獨協医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、小児がん拠点病院の基準の考案と拠点病院が備えるべき支援体制モデルを提案することを第1の目的とする。また、子育て世代の若い成人のがん患者とその子どもの関係への介入の有用性を明らかにすることを第2の目的とする。
研究方法
小児がん拠点病院の基準の考案・整備・情報発信を行う。そして、小児がん拠点病院が供えるべき支援体制の提案を行う。小児がん経験者の持つ心理社会的問題を抽出し、これを踏まえた復学支援のための連携モデル、自立支援のための介入プログラムを作成し、それぞれ実践する。また、終末期における小児ターミナルケアの指針を示す。
 最後に末期の若い成人がん患者の家族へ子どもを中心とした介入の有用性を検証する。
結果と考察
1)小児がん拠点病院の基準についての考察、2)小児がん患児と家族のための病気に関する情報提供、3)小児がん長期生存者を対象とした民間保険加入に関する調査、4)小児がん経験者の各ライフステージごとの心理社会的問題の解明とその解決に向けた支援、5)小児がんの患者家族がかかえる問題点の検討と小児がん経験者の自立支援の方策の検討、6)小児がん経験者の復学に関する問題点と7)社会資本の活用、8)幼い子どもを持つ若いがん患者のサポート(親ががんに罹患するという危機的状況はその子どもにとって、患者本人以上の高い頻度でトラウマ体験となっており、PTSSを呈していた)、9)小児がん患者のターミナルケアの実態調査(在宅移行は治療の限界と子どもの希望、在宅療養の支援体制の整備という状況で意思決定されていた)、10)成人した小児がん経験者の長期フォローアップの診療場所の検討(小児がん経験者の長期フォローアップの受け入れ先として、総合医は一つの可能性と考えられる。)の10の分担研究を組織し、研究を行った。詳細は研究報告書を参照。
(http://www.luke.or.jp/aboutluke/research_activities_5.html)
結論
小児がんの拠点病院が備えるべき条件は成人の拠点病院とは全く異なる。それはインフラの違いのみならず、入院中の子どもたちの福祉・学業なども考慮する必要のある総合的なものである。一方、がんの親を持つ子どもたちへの支援はようやく端緒についたところであるが、本来は成人がん患者のケアの重要な一部分と考えるべきであろう。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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