進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究

文献情報

文献番号
200925027A
報告書区分
総括
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-027
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森島 泰雄(愛知県がんセンター中央病院 血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 小松 弘和(名古屋市立大学病院 化学療法部)
  • 福島 卓也(長崎大学医学部)
  • 張 高明(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 鵜池 直邦(九州がんセンター)
  • 小椋 美知則(名古屋第2赤十字病院)
  • 笠井 正晴(札幌北楡病院)
  • 渡辺 隆(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
初発進行期かつ国際予後指標高リスク群びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象として、rituximab併用寛解導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)を標準的治療として確立するため、導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験をおこなう。また、未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対して、rituximab併用寛解導入療法(R-high-CHOP/CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の臨床第Ⅱ相試験をおこなう。
研究方法
日本臨床腫瘍グループ(JCOG)のリンパ腫研究グループ46施設の多施設臨床試験として、2つの臨床試験のプロトコールに基づき、JCOGデータセンターの支援を得て、臨床試験を遂行する。
結果と考察
MCL:主要評価項目を、2年無増悪生存割合とし、予定登録数は45例とした。平成22年3月現在20例が登録され、予定された症例集積ペースで臨床試験が進捗しており、重篤な有害事象の報告はない。予定症例(45症例)登録終了まで今後2年間(平成23年度中)を要すると予測される。
DLBCL:プロトコールを完成した。
結論
難治性悪性リンパ腫である進行期マントル細胞リンパ腫とハイリスクび慢性大細胞性B細胞性リンパ腫に対する初回治療法として、わが国での初期臨床試験・経験に基づくオリジナリティの高い末梢血造血幹細胞移植併用大量化学療法のプロトコールを完成し、臨床試験を実施しており、これら疾患に対する標準的治療法の確立が期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-06-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200925027B
報告書区分
総合
研究課題名
進行期難治性B細胞リンパ腫に対する大量化学療法を併用した効果的治療に関する臨床研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-027
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森島 泰雄(愛知県がんセンター中央病院 血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 小松 弘和(名古屋市立大学病院 化学療法部)
  • 福島 卓也(長崎大学医学部)
  • 張 高明(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 鵜池 直邦(九州がんセンター)
  • 小椋 美知則(名古屋第2赤十字病院)
  • 笠井 正晴(札幌北楡病院)
  • 渡辺 隆(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性の高リスクびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)とマントル細胞リンパ腫を対象として、rituximab併用寛解導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)を2つの多施設共同臨床試験として実施し、有効な標準的治療法を確立することを目的とした。
研究方法
日本臨床腫瘍グループ(JCOG)のリンパ腫研究グループ(Lymphoma Study Group : LSG)に所属する46施設の多施設臨床試験として実施した。
結果と考察
A) 未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)に対する第Ⅱ相臨床試験:MCLの初回治療症例を対象して、rituximab併用寛解導入療法(R-high-CHOP/CHASER)+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)の臨床第Ⅱ相試験を実施した。必要症例数は、閾値2年無増悪生存割合を30%、期待2年無増悪生存割合を50%とし、予定登録数は45例とした。平成20年6月に、本臨床試験のプロトコールを作成し、平成22年3月現在20例が登録され、予定された症例集積ペースで臨床試験が進捗している。症例のモニタリングとモニタリング会議を年2回実施、現在まで重篤な有害事象の報告はない。B) DLBCLの初回治療症例を対象として、rituximab併用寛解導入化学療法+自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(LEED療法)を標準的治療として確立するため、導入化学療法であるR-biweekly CHOP療法(A群)とR-biweekly CHOP/ CHASER療法(B群)のランダム化第Ⅱ相試験のプロトコールを完成した。
結論
高リスクDLBCL及びMCLの予後は不良で、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(APBSCT-HDC)により治癒率の向上が示唆されている。臨床試験の対象になる両疾患は稀な疾患であり、46施設という多施設が連続的に症例登録することによって可能になる臨床試験である。この2つ試験を完遂することにより、標準療法となりうる効果的で安全な導入療法を確立できると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200925027C

成果

専門的・学術的観点からの成果
再発ハイリスクのびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)とマントル細胞リンパ腫(MCL)の初回治療症例を対して、治療強度を強めた導入化学療法と自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(APBSCT-HDC)を確立することを目的として、臨床試験を2つ計画し、プロトコールを完成し、後者は登録を開始し、20症例が登録されている。このDLBCL及びMCLの予後は不良で、治癒率の向上が示唆され、将来標準療法となりうる効果的で安全な導入療法の確立が期待される。
臨床的観点からの成果
悪性リンパ腫の中でも治癒の確率が低い2つのリンパ腫(マントル細胞リンパ腫:リンパ腫の5%程度、再発の危険性が高いび慢性B細胞型リンパ腫:10%程度)の多施設共同臨床試験が進行中である。2012年度に臨床試験登録が終了する予定であり、予測どうりの安全性と有効性が得られば、我が国独自の治療法により、高率な治癒が得られることになる。
ガイドライン等の開発
臨床試験終了後に、これら悪性リンパ腫の標準的な治療選択枝になると考えられる。
その他行政的観点からの成果
治癒患者が増加することにより、医療費の削減に貢献できる。
その他のインパクト
臨床試験実施中であり、その成果の発表・論文化は臨床試験終了後となる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-05
更新日
-