たばこ対策による健康増進策の総合的な実施の支援かつ推進に関する研究

文献情報

文献番号
200925010A
報告書区分
総括
研究課題名
たばこ対策による健康増進策の総合的な実施の支援かつ推進に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 博久(国立保健医療科学院疫学部)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
  • 福田 吉治(山口大学医学部 地域医療学)
  • 武村 真治(国立保健医療科学院公衆衛生政策部地域保健システム室)
  • 堀口 逸子(順天堂大学医学部公衆衛生学教室)
  • 岡本 直幸(神奈川県立がんセンターがん予防情報研究部門)
  • 繁田 正子(京都府立医大医学研究科地域保健医療疫学)
  • 埴岡 隆(福岡歯科大学口腔保健学)
  • 三浦 秀史(禁煙マラソン・株式会社HANS)
  • 高橋 裕子(奈良女子大学保健管理センター・予防医学)
  • 黒澤 一(東北大学高等教育開発推進センター学生生活支援部保健管理室)
  • 細野 助博(中央大学大学院公共政策研究科)
  • 松本 安生(神奈川大学人間科学部)
  • 柴田 直子(神奈川大学法学部自治行政学科)
  • 村上 了太(沖縄国際大学経済学部経済学科)
  • 平木 章夫(岡山大学保健管理センター)
  • 田中 英夫(愛知県がんセンター研究所疫学・予防部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域レベルでのたばこ対策に関する事例把握、評価、フィードバック及び普及について、分野横断的に検討し、地域におけるたばこ対策を体系的に推進するための枠組みを構築することを目的にする。
研究方法
1)地域におけるたばこ対策の状況把握と一般化に関する研究として、全国の複数のフィールドを対象に、情報収集と分析ならびにたばこ対策の推進を行った。
2)地域におけるたばこ対策の立案・実施・評価支援に関する研究として、歯科診療所における禁煙指導の実態調査、リスク認知の研究に基づくカードゲームの喫煙対策への応用、地域でのたばこ対策立案禁煙ネットワークの構築、高齢者施設等へのたばこ対策について調査ならびに具体的な取り組みを試みた。
3)たばこ対策をめぐる社会経済的側面に関する研究として、青少年における喫煙に関する教育的側面の定量的分析、リスク認知とそれに基づく意思決定からみた喫煙行動の分析、条例等を含む地方自治等に関連した米国におけるたばこ政策に対する先占理論の影響検討、ステークホルダーから見た企業の社会的責任の分析を行った。
結果と考察
1)神奈川県では、保健所が実施しているタバコ対策の実態を把握し、その対策の具体的な実施施策に対し積極的な支援を行った。京都では、未成年者の喫煙対策および受動喫煙対策を行い、定時制高校やタクシー会社への喫煙対策に取り組んだ。全国で展開している「禁煙支援者育成プログラム」がネットワーク構築やたばこ対策の推進につながっていた。また、歯科領域が関与する啓発媒体の検討、歯学生の禁煙教育の地域事例の検討、禁煙指導講習会の評価、禁煙者支援SNSおよび自治体向け禁煙マラソンの提供を行った。
2)歯科診療所における禁煙指導の実態を明らかにし、リスク認知の研究に基づく喫煙対策のカードゲームの作成、禁煙ネットワークの構築と運用(愛知県)、高齢者施設等へのたばこ対策の実態の把握を行った。
3)たばこ対策にはさまざまな社会経済的側面が影響していることが明らかになり、たばこ対策の立案と実施にあたっては、こうした要因や多様なステークホルダーを考慮する必要があることが示された。
結論
本研究班を通じて展開・蓄積してきたたばこ対策の事例、研究成果もとにした各種ツールや研修手法を他地域にも応用することで、専門家の知識向上とスキルアップと関係者間の連携を促進し、地域レベルでのたばこ対策の推進に繋がるであろう。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200925010B
報告書区分
総合
研究課題名
たばこ対策による健康増進策の総合的な実施の支援かつ推進に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 博久(国立保健医療科学院疫学部)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
  • 福田 吉治(山口大学医学部 地域医療学)
  • 武村 真治(国立保健医療科学院公衆衛生政策部地域保健システム室)
  • 堀口 逸子(順天堂大学医学部公衆衛生学教室)
  • 岡本 直幸(神奈川県立がんセンターがん予防情報研究部門)
  • 繁田 正子(京都府立医大医学研究科地域保健医療疫学)
  • 埴岡 隆(福岡歯科大学口腔保健学)
  • 三浦 秀史(禁煙マラソン・株式会社HANS)
  • 高橋 裕子(奈良女子大学保健管理センター・予防医学)
  • 黒澤 一(東北大学高等教育開発推進センター学生生活支援部保健管理室)
  • 細野 助博(中央大学大学院公共政策研究科)
  • 松本 安生(神奈川大学人間科学部)
  • 柴田 直子(神奈川大学法学部自治行政学科)
  • 村上 了太(沖縄国際大学経済学部経済学科)
  • 平木 章夫(岡山大学保健管理センター)
  • 田中 英夫(愛知県がんセンター研究所疫学・予防部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域レベルでのたばこ対策に関する事例把握、評価、フィードバック及び普及について、分野横断的に検討し、地域におけるたばこ対策を体系的に推進するための枠組みを構築することを目的にする。
研究方法
「1.先進事例の分析」「2.新しい介入手段の開発に関する研究」「3.たばこ対策をめぐる社会経済的側面に関する研究」をもとに「4.効果的なたばこ対策推進の枠組みの提示と普及」枠組みで研究を進めた。
結果と考察
1.先進事例の分析:神奈川県では、保健所が実施しているタバコ対策事例を収集し、具体的な実施施策に対し積極的な支援を行った。京都では、未成年者の喫煙対策および受動喫煙対策を行い、定時制高校やタクシー会社への喫煙対策に取り組んだ。全国で展開している「禁煙支援者育成プログラム」が地域でのさまざまな形でネットワーク構築やたばこ対策の推進につながっていることを確認した。また、歯科領域が関与する事例収集と啓発媒体の検討を行った。
2.新しい介入方法の開発に関する研究:具体的な対策の実施と評価について、歯科診療所における禁煙指導の推進に向けた実態調査、リスク認知の研究に基づくカードゲームの喫煙対策への応用、地域でのたばこ対策立案禁煙ネットワークの構築、高齢者施設等へのたばこ対策について、具体的な推進方法を提示し、モデル的な実施を行った。禁煙者支援SNSおよび自治体向け禁煙マラソンを提供した。
3.たばこ対策をめぐる社会経済的側面に関する研究:青少年における喫煙に関する教育的側面の定量的分析、リスク認知とそれに基づく意思決定からみた喫煙行動の分析、条例等を含む地方自治等に関連した米国におけるたばこ政策に対する先占理論の影響検討、ステークホルダーから見た企業の社会的責任の分析、学校を場とした地域たばこ対策の現状とあり方に関する研究を行った。
4.効果的なたばこ対策推進の枠組みの提示と普及:研究成果をもとに、たばこ対策担当者および一般向けの各種資料の作成を行った。また、自治体の担当者等に対する研修会を実施し、研究成果の公表と還元を行い、たばこ対策推進の枠組みを提示した。
結論
本研究班を通じて展開・蓄積してきたたばこ対策の事例、研究成果もとにした各種ツールや研修手法を他地域にも応用することで、専門家の知識向上とスキルアップと関係者間の連携を促進し、地域レベルでのたばこ対策の推進に繋がるであろう。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200925010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
研究代表者および各研究分担者が研究成果について、論文・著書(英語合計14、日本語合計32)、学会(国際学会合計22、国内学会合計45)発表を行った。
臨床的観点からの成果
呼吸器外来等における禁煙指導や薬局・薬店等と連携した禁煙指導体制の構築を通じて、禁煙指導に直接的に貢献した。また、歯科診療所における禁煙指導に向けた調査ならびに情報収集を行った。
ガイドライン等の開発
(該当なし)
その他行政的観点からの成果
神奈川県、京都府、山口県においてたばこ対策の施策に助言者等として関わり、たばこ対策の推進に直接的に関わった。
その他のインパクト
研究推進事業として、神奈川県、山口県、沖縄県で研修会を開催した。山口県宇部市において行ったタバコ対策については、新聞およびテレビにおいて報道された。

発表件数

原著論文(和文)
13件
原著論文(英文等)
13件
その他論文(和文)
29件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
45件
学会発表(国際学会等)
22件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
3件
その他成果(普及・啓発活動)
5件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Hanioka T, Ojima M, Tanaka H, et al
Intensive Smoking-cessation Intervention in the Dental Setting
Journal of Dental Research , 89 (1) , 66-70  (2010)
原著論文2
Haresaku S, Hanioka T, Yamamoto M, et al
Impact of a tobacco curriculum on smoking behaviour and attitudes toward smoking in dental students in Japan: a three-year follow-up study
Int Dent J  (2010)
原著論文3
Shitara K, Matsuo K, Tanaka H et al
Heavy smoking history interacts with chemoradiotherapy for esophageal cancer prognosis: a retrospective study
Cancer Sci  (2010)
原著論文4
Tamura U, Tanaka T, Tanaka H, et al
Changes in weight, cardiovascular risk factors and estimated risk for coronary heart disease following smoking cessation in Japanese male workers: CHIPOP-OHP Study
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. , 17 (1) , 12-20  (2010)
原著論文5
伊藤裕子、高橋裕子、清原康介、他
大分県におけるタクシー全車禁煙化?タクシー乗客への調査報告
禁煙科学 , 2 (2) , 33-37  (2008)
原著論文6
海老原泰代、三浦秀史、高橋裕子
電子メールを用いた禁煙後の体重コントロール支援プログラムの開発
禁煙科学 , 2 (4) , 15-21  (2008)
原著論文7
三浦秀史、高橋裕子
禁煙に見るナラティブとアート
日本保健医療行動科学会 , 22 (1) , 71-76  (2007)
原著論文8
山門桂、北村真紀、日野翔子、他
医師・看護職連携による健診時禁煙指導の有効性
日本人間ドック学会誌 , 23 (1) , 27-31  (2008)
原著論文9
埴岡隆, 稲葉大輔, 平田幸夫, 他
禁煙推進委員会報告「たばこ箱の画像警告表示への口腔画像の採用について」
口腔衛生学会雑誌 , 57 (1) , 136-138  (2007)
原著論文10
埴岡隆
喫煙による子どもの健康被害 7.子どもの口腔内へのタバコよる健康影響
小児科臨床 , 61 (2) , 397-404  (2008)
原著論文11
清原康介、高橋裕子、三浦秀史、他
大分市におけるタクシー全車禁煙化?実施1年後のタクシー会社経営者への調査報告
禁煙科学 , 1 (2) , 16-19  (2007)
原著論文12
村上了太
タバコ企業の社会的責任への取り組みとその課題
比較経営研究 , 32 (1) , 79-92  (2008)
原著論文13
村上了太
医療従事者以外の利害関係者によるたばこ対策-企業の社会的責任を含めた経営学的検討
経済論集(沖縄国際大学) , 6 (2) , 97-110  (2010)
原著論文14
村上了太
酒類とタバコの利害関係者のあり方に関する国際比較研究
経済論集(沖縄国際大学) , 5 (1) , 57-72  (2009)
原著論文15
田中政宏,谷中佳代,田中英夫,他
医療機関職員の喫煙状況調査 全国がんセンターモデル調査
公衆衛生 , 73 (2) , 154-158  (2009)
原著論文16
福田吉治
ポピュレーションアプローチは健康格差を拡大させる?vulnerable population approachの提言
日本衛生学会誌 , 63 (4) , 735-738  (2008)
原著論文17
Okamoto N, Miyagi Y, Chiba A, et al
Diagnostic modeling with differences in plasma amino acid profiles between non-cachctic colorectal/breast cancer patients and healthy individuals
Int. J. Medicine and Medical Sciences , 1 (1) , 1-8  (2009)
原著論文18
Okamoto N, Miyagi Y, et al
Multivariate discrimination functions composed with amino acid profiles (Amino Index) as a novel diagnostic marker for breast and colon cancer
EJC , 6 , 47-48  (2008)
原著論文19
Hasizume T, Yamada K, Okamoto N, et al
Prognostic Significance of Thin-Section CT Scan Findings in Small-Sized Lung Adenocarcinoma
CHEST , 133 (2) , 441-447  (2008)
原著論文20
Sakuma Y, Okamoto N, Saito H, et al
A logistic regression predictive model and the outcome of patients with resected lung adenocarcinoma of 2cm or less in size
Lung Cancer , 65 (1) , 85-90  (2009)

公開日・更新日

公開日
2015-10-01
更新日
-