食品微生物試験法の国際調和のための研究

文献情報

文献番号
202224007A
報告書区分
総括
研究課題名
食品微生物試験法の国際調和のための研究
課題番号
20KA1007
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
  • 松岡 英明(東京農工大学 大学院工学研究院)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 山崎 栄樹(国立大学法人 帯広畜産大学 畜産衛生学研究部門)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 上間 匡(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 第四室)
  • 百瀬 愛佳(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
16,226,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、国際的な微生物試験法に精通した専門家から構成される「食品からの微生物標準試験法検討委員会」の活動を通じ、国際調和が取れた微生物試験法を確立し、食品の微生物規格基準等に関わる試験法の整備を行うことを目的とした。
研究方法
食品微生物試験法の国際調和に向け、(1)食品微生物試験法の整備に向けた研究、(2)食品微生物試験法の国際動向及び妥当性確認に関する研究、(3)ボツリヌス試験法に関する研究、(4)遺伝子検査法の導入に関する研究、(5)食品からのウイルス試験法の標準化に向けた研究、について検討を進めた。
結果と考察
(1)では、「食品からの微生物標準試験法検討委員会」を運営すると共に、衛生指標菌としてのリステリア属菌や、カンピロバクター等の試験法について検討を進めた。(2)では、2022年度に開催された ISO/TC34/ SC9 総会及び第3作業部会(妥当性確認)に参加し、情報収集及び意見交換を行い、微生物試験の妥当性評価に用いる用語集の改訂版を発行したほか、妥当性確認のための望ましいガイドライン案を発行した。(3)では、ボツリヌス毒素遺伝子試験法のコラボスタディ及び意見交換を行い、A/B/E/F型のボツリヌスを対象とした技術仕様書としての試験法発行に至った。(4)では、遺伝子検査法を微生物試験へ導入する際のガイドライン案を作成し、最終版の発行に至った。(5)では、野菜表面及び果実からのノロウイルス及びA型肝炎ウイルスの定性試験法に関する検討を進めた。
結論
最終年度である本年度は複数の微生物標準試験法の初版発行に至ると共に、試験法の妥当性評価に関するガイドライン案を提案することができた。国内の食品微生物試験法の効果的・効率的な国際調和を更に進めていく上では、逐次国際動向を収集・解析した上で、弾力性等の新たな課題解決に向けた方針の策定と改訂、提案等に努める必要があろう。

公開日・更新日

公開日
2023-11-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202224007B
報告書区分
総合
研究課題名
食品微生物試験法の国際調和のための研究
課題番号
20KA1007
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究分担者(所属機関)
  • 五十君 静信(東京農業大学 応用生物科学部)
  • 松岡 英明(東京農工大学 大学院工学研究院)
  • 岡田 由美子(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 山崎 栄樹(国立大学法人 帯広畜産大学 畜産衛生学研究部門)
  • 上間 匡(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 第四室)
  • 百瀬 愛佳(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、国際的な微生物試験法に精通した専門家から構成される「食品からの微生物標準試験法検討委員会」の活動を通じ、国際調和が取れた微生物試験法を確立し、食品の微生物規格基準等に関わる試験法の整備を行うことを目的とした。
研究方法
本研究では、(1)食品微生物試験法の策定及び改訂に向けた研究、(2)食品微生物試験法の国際動向及び妥当性評価に関する研究、(3)ボツリヌス試験法に関する研究、(4)遺伝子検査法の導入に関する研究、(5)食品からのウイルス試験法の標準化に向けた研究、の各分担研究課題について検討を進めた。
結果と考察
(1)では、「食品からの微生物標準試験法検討委員会」を運営すると共に、ウエルシュ菌、推定セレウス菌、及びカンピロバクター・ジェジュニ/コリ、並びに病原性エルシニア・エンテロコリチカの各試験法の初版を発行したほか、技術仕様書として、ボツリヌス毒素遺伝子試験法、生乳受入れ時の直接鏡検法による総菌数試験法等の初版を発行した。また、衛生指標菌としてのリステリア属菌の試験法について検討を進めた。(2)では、2022年度に開催されたISO/TC34/SC9総会及び第3作業部会(妥当性確認)に参加し、情報収集及び意見交換を行い、微生物試験の妥当性評価に用いる用語集の改訂版を発行したほか、妥当性確認のための望ましいガイドライン案の作成、並びにバリデーション作業部会における技術的支援を行った。(3)では、ボツリヌス毒素遺伝子試験法の作成に努め、A・B・E・F型菌を対象とした技術仕様書の発行に至った。(4)では、遺伝子検査法を微生物試験へ導入する際のガイドライン案を作成し、最終版の発行に至った。(5)では、野菜表面及び果実からのノロウイルス及びA型肝炎ウイルスの定性試験法に関する検討を進め、今後進めるべき課題の抽出を図りつつ、最終ステージへ議論を進展させた。
結論
本研究では複数の食品微生物試験法並びに関連ガイドラインの発行、並びに技術仕様書やガイドラインの原案を進めることができた。食品の輸出入が増加傾向にある昨今、国内の食品微生物試験法の効果的・効率的な国際調和を更に進めていくためには、今後も継続的に国際動向を収集・解析した上で、新たな解決に向けた方針の策定と改訂、提案等につとめる必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2023-11-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-11-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202224007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
(1)欧米等諸外国の情報を収集・分析すると共に、わが国における微生物の規格基準やリスク管理策の構築・改訂等に繋がる複数の微生物試験法や関連ガイドラインの作成を果たした。
(2)国際的な食品微生物試験を議論するISO/TC34/SC9に参画し、国際動向を把握した上で国内の微生物試験法を作成/改訂、検証する際のスキーム案を提示した点は国内の試験従事者の参照を通じ、国内の微生物学的安全性の国際調和へと繋がる意義を有する。また、各種試験法の新たな整備は食品の更なる安全性確保へと繋がると期待される。
臨床的観点からの成果
該当なし
ガイドライン等の開発
微生物試験法を新たに導入する際のガイドライン原案を作成した。これらの完全公開には未だ時間を要するものの、完遂した後には、国内の食品等事業者への活用が大いに期待される。
その他行政的観点からの成果
食品の微生物規格基準については、国際的に近年大きな変動を見せている。本研究における成果は、こうした微生物規格基準の見直し等を検討する際の根拠として活用されることが期待される。
その他のインパクト
国際的第三者機関での認証を受け、かつ国内での入手が可能である試験法・試験試薬等を令和4年度末の時点での版として新たに改訂し、ホームページ上に公開した。

発表件数

原著論文(和文)
8件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
9件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
ホームページ上での第三者認証を受けた微生物試験試薬情報の提供

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-11-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
202224007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,000,000円
(2)補助金確定額
18,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 12,394,524円
人件費・謝金 2,552,747円
旅費 599,316円
その他 679,413円
間接経費 1,774,000円
合計 18,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-11-17
更新日
-