文献情報
文献番号
202222068A
報告書区分
総括
研究課題名
自治体における災害時の歯科保健活動推進のための活動指針作成に向けた研究
課題番号
22IA2006
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中久木 康一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 福田 英輝(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
1,898,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究においては、自治体における災害時の歯科保健活動推進のための活動指針作成に向けた研究として、そのために必要とされる情報の項目を検討し、全国の自治体における現状の災害時の歯科保健医療支援体制を把握したうえで、全国の自治体において災害時の歯科保健医療活動指針やマニュアルが作成されるために必要な情報を作成することを目的とした。
研究方法
全国の自治体に対して「災害時の歯科保健活動推進のための活動指針作成に向けた現状調査」としてアンケート調査を実施しつつ、有識者へのグループインタビューを通じて「災害時における歯科保健医療活動推進のための指針に必要な項目」を検討した。これらも参考として、「災害時の歯科保健医療支援活動推進のための活動指針」の作成に必要と考えられる文書や資料を、有識者らと検討しつつ作成した。
結果と考察
全国の自治体における災害時の歯科保健医療体制の調査を実施した。都道府県においては、保健医療計画の「災害時の医療」における歯科保健医療に関する記載は75.7%にあったものの、歯科専門職を災害医療コーディネーターとして委嘱していたのは18.9%のみであり、災害時の歯科保健医療対策に関するマニュアルや指針を作成していたのは35.1%のみであった。その他の結果も含め、連携のための協定や認識は構築されつつあるものの、実効性のある協議や研修は不足しており、自治体における災害時の歯科保健活動推進のための活動指針の作成の必要性が示唆された。指針の作成に向けて必要とされる情報の項目を、有識者らの意見を踏まえて整理したうえで、全国の自治体にて必要と考えられた「自治体における災害時の歯科保健医療支援活動推進のための活動指針作成に向けた考え方」、および「説明資料「大規模災害時の歯科保健医療活動~口腔機能からの健康維持~」」を、有識者らとの検討を経て作成した。
結論
自治体への調査により、自治体における災害時の歯科保健医療体制は進んできてはいるものの、更に推進されていく必要があることが明らかとなった。また、有識者との検討からは、自治体における「災害時の歯科保健活動推進のための活動指針」の作成,およびそれに向けた考え方などの文書や資料の明示が必要とされていることが明らかとなった。このため、「自治体における災害時の歯科保健医療支援活動推進のための活動指針作成に向けた考え方」、および「説明資料「大規模災害時の歯科保健医療活動~口腔機能からの健康維持~」」を作成した。今後、これらも参考として、各自治体における災害時の歯科保健活動推進のための活動指針が作成・更新されていくことが望まれる。
公開日・更新日
公開日
2023-06-01
更新日
-